オペラ座の夜ACT1 「オペラは敷居が高い?!」
PRESENTED BY TSUTOMU SHIMOGUCHI
更新日07.10.24 コメント:1件 トラックバック:0件
■オペラは敷居が高い気がする」よくこんな言葉を耳にする。
「総合芸術なんて難しい」「なんか庶民が参加しにくい」「音楽を聴きながらお勉強する人が多そう」・・・しかし正確に言うと「オペラはチケット代が高そうなので敷居が高い気がする」と、ほとんどの人の印象を代弁するとこうなると思う。
では本当に高いのか。確かに高い公演もある。それが"引越公演"と呼ばれるもの。
「ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン・オペラなどが日本やってくると5万円以上する席がごろごろ登場する。この席は確かに、普通購入するにはかなりの勇気がいる。自分の本命彼女にだってこの金額をおごるのは無理だしおごられた方も気が引ける。だいたいおごって公演中、爆睡されたら高級ホテルにでも行ってセレブな雰囲気でも味わった方が良かった、となってしまう。
でも御安心を。日本にも新国立劇場や藤原歌劇団、二期会といったオペラを上演する団体が存在する。それらは高くても約2万円。安い席なら2000円程度の入場料でオペラを提供してくれる。これらを利用しない手はない。名作と呼ばれる作品に触れればきっとあなたの知っている旋律を楽しむことができるはず。ここでちょっとオペラに慣れておけば引越公演などで自分(彼女)の趣味でどの作品に大金を投下すればよいか自ずとわかるはず。
話を戻そう。敷居は高くないのか。答えはノー。確かに敷居は存在する。よく敷居は高くないなどいう方もいるがそんなのは到底信じない方がよい。気軽になどと思い軽い気持ちで参加すると恥をかくのは自分ですよ、と言っておきたい。はじめて行ったコンサートを思い出してほしい。期待と不安で胸がいっぱいだったでしょう。当日へ向けCDを聴いたり服を選んでみたりきっちり準備をしたはず。実はオペラも同じ。どの演目を観に行くか当日どんな服を着るか考えればいい。そうすれば高い敷居を越えることが楽しみに変わるはず。
■さて、初めてのオペラで問題になるのは演目選び。自分が何に興味があるか考えてみよう。もしあなたが映画に行くとしたら何を基準に選ぶか。ラブ・ロマンス、コメディ、アクションなどジャンルは様々。好きな俳優の出ている作品というのもあり。オペラも同じ。まず自分がどんな作品を観たいか考えればいい。
それでももし作曲家を選ぶとすればプッチーニをお薦めする。モーツァルト、ヴェルディ、ロッシーニなどオペラ作曲家はたくさんいるが彼の作品は取っつきやすい。まず上演時間が2時間程度。そして有名なアリア=旋律がどの作品にもある。
例えば「トゥーランドット」。昨年トリノ・オリンピックで金メダルを日本に唯一もたらした荒川静香さんのテーマ曲ともいえるこの作品。みんなが知っているフレーズは「Nessun Dorma !」」(邦題:誰も寝てならぬ)だ。オペラの3幕で主人公カラフによって歌われるこのアリア。どんな場面で登場するかというと、王子カラフがトゥーランドット姫の愛を勝ち取るために彼女の出した3つのクイズに答える。そのクイズに見事答えたときに流れてくる。つまり「勝利の確信」のテーマともいえるフレーズだ。荒川さんは正に勝利を確信してこの曲を選んだのかも知れない。
■ちなみに同じプッチーニでも安藤美姫さんが選んだのは「蝶々夫人」のアリア「Un bel di,verdremo」(邦題:ある晴れた日に)。愛する人が自分の許へ帰ってくると信じて歌うこの曲。観客はこのオペラの最後が悲劇に終わることを知っていて涙するのだ。
こうしてあのトリノを思い出してみるとオペラのストーリーと二人の運命が妙にリンクしていて不思議な気もするのでは・・。こんなところから興味を持っていくのはどうだろう。
P R O F I L E __________________________________
■下口 努(しもぐち つとむ)
1966年 東京生まれ
映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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ZAKK
さん 07.11.02
下口様、今後も宜しくお願い致します!