オンガクの正体♯1
「天から降りてくる旋律をキャッチしていくこと」
Presented by Johji Harimura
更新日07.10.26 コメント:1件 トラックバック:0件
■はじめまして!針村丈二と申します。
縁あって「YOU-NEXT」への参加を許され、このスペースをお借りして、大好きな「音楽」について、書かせていただくことになりました。日頃、音楽チャンネルの番組制作現場で働く自分にとっては、初めての経験になりますが、これまでの、公私に亘る「音楽」との関わりの中で、感じたこと、実際に起こったことなどを、つらつらと綴っていきたいと思っています。楽しんで読んでいただけるよう努めていきますので、よろしくお付き合い下さい!「音楽は目に見えないけれど、間違いなく、僕らの傍らに存在し、
日常の中で、現実的に作用している」という事実を、改めて見つめてみることを、連載のテーマにしていこうかと思っています。
■さて、日本での最近の音楽シーンの残念な話題といえば(連載初回冒頭から、残念なお知らせですが)、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの、来日公演延期のニュースでしょうか?フロントマン、アンソニーの急病が理由で、ワールドツアーのスケジュールをふまえ、日程が再調整されました。ほどなく6月の日本公演が決定したので、日本のファンもひと安心といったところでしょうか。ご存知、レッチリといえば、84年のデビュー以来、現在に至るまで、常に新しい世代のファンを獲得しながら、決して「現役」な感じを失わない、かっこいいバンド。噂によると、「世界一ライブのギャラが高いバンド」なんだそうです。「世界一ファイトマネーが高いボクサー」のような、何ともかっこいい勲章ですよね。実際のところを確かめたわけではありませんが、数多あるバンドの中で、一回の演奏に一番高い値がついているわけですから、これは、かなりかっこいい。
■そんなレッチリの、現在のギターリストである、ジョン・フルシアンテの、以前読んだ記事で、今でも記憶に残っている好きなエピソードがあります。2001年に、彼がソロ作品を発表した頃のインタビューだったかと思います。正確な言い回しまでは覚えておりませんが、作曲にまつわる話の中で、彼の作曲作業というのは、楽器を抱えながら「天から降りてくる旋律をキャッチしていくこと」という意味合いのことを言っていたのです。さらに「自分が、ギターをうまく弾けるようになるために練習するのは、その『天からの旋律』を正確にキャッチすることができるようになるためだ」と続けていました。また、同様の例として、面白いエピソードを付け加えています。
■彼のレコード・コレクションの中に、ジョン・レノンが、ギター1本で『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』を「まさに作曲している最中」の音源を持っているとのことで、それは、僕らが聞くことの出来るビートルズの「アンソロジー」に収録されているカタチより、はるか前の段階の音源だそうです。そこには、あのジョン・レノンが、天から降りてくる『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』をキャッチしている瞬間が収められているというのです。その時、ジョン・レノンは、『ストロベリー・フィールズ』のアイディア自体をキャッチしていて、そのアイディアとメロディーを、懸命に、手探りでギターのコードに置き換えているかのように、ジョン・フルシアンテは感じたといいます。全く興味深い話です。
■「天から降りてくる旋律をキャッチしていくこと」に通じる話は、自分の現場でも、聞いたことがあります。当時、自分が担当していた邦楽番組での、ある日本のアーティストのコメントですが、「作曲している最中、これは、自分が生み出しているものではない、という感覚になることがある。何か、上から降りてくるものを、変換しているような気持ちになることがある」とおっしゃっていました。作曲のごく初期段階の話ではありますが、このようにして純粋に「生まれた音楽」と、CMのための数十秒のBGMのように、必要に迫られて「作られた音楽」みたいなものが、音楽シーンには、常に存在しているのだと思います。「作られた音楽」が悪いわけでもありませんし、そうして努力して「作られた音楽」に、よいものがあることも間違いありません。
ただ僕個人的には、純粋に「生まれた音楽」に、興味があります。皆さんは、いかがですか?
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PROFILE 針村丈二<ハリムラ・ジョウジ>
大学卒業後6年間、TV制作会社に勤務した後、 97年フランスW杯アジア最終予選の最中、某CS音楽チャンネルに移籍。番組ディレクター、プロデューサーを経て、現在、編成部所属。趣味は、読書、音楽鑑賞、スポーツ観戦と、いたって普通。この5月で40歳。前厄。一児の父。
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ZAKK
さん 07.11.02
針村様、今後とも宜しくお願い致します!