VISUAL-MUSIC♯2「about MUSIC VIDEO」
PRESENTED BY M.KAWA
更新日07.11.05 コメント:0件 トラックバック:0件
■前回は映像と音楽の融合を軸に、映画と音楽、さらにはミュージックビデオについて簡単にお話しました。今回はミュージックビデオに焦点をあててお話していきたいと思います。
現在ではミュージックビデオは様々な音楽チャンネル、民放深夜の音楽番組などで目に触れることも多くなってきたかと思います。また、DIRECTOR’S LABELというミュージックビデオ監督の作品集もかなり注目を集めたので、「ビデオの監督を意識する」こと自体、一般的になってきたのかもしれませんね。今日ではミュージックビデオ出身の映画監督もかなり増えましたし。
という訳で、チェックすべき海外のミュージックビデオ監督を(かなり独断ではありますが)数回にわたってご紹介してみたいと思います。
■まずは最近の注目株、フランスからアレックス&マーティン。フランスのポップカルチャーをリードする二人組で、当初はAIRやDAFT PUNKなどフランスのアーティストを中心に手掛けていましたが、THE WHITE STRIPESの「SEVEN NATION ARMY」でかなりメジャーな存在に。あの白と赤
の円や三角が音に合わせて出てくる、万華鏡的なビデオです。その後U2の「VERTIGO」(iPODのCMの曲)で、タイトル通り、見事に「めまい」を表現。バンドが砂漠の円の中心いる実写と、CGの融合は、音のビジュアル表現という意味で本当に優れたミュージックビデオでした。今後も新しい映像表現をみせてくれそうなユニットです。
■そして、もはや王道な感もありますが、デビッド・フィンチャーと並ぶミュージックビデオ界の頑固者、マーク・ロマネク。ロビン・ウィリアムズが孤独な老人を演じた映画「ストーカー」の監督です。彼は、あの巨匠スタンリー・キューブリック並のこだわり屋として有名で、マークと仕事するのはアーティストにとっては、かなりの苦行だとか。あのJay-Zすら撮影時間の長さにブチ切れ、撮影を中止にしようとしたこともあるそうです(Jay-Z「99PROBREMS」)。しかし、その出来を見て必ずアーティストは納得させられる、というのがまた凄いところ。
その他の主な作品は、NINE INCH NAILS「CLOSER」「THE PERFECT DRUG」、BECK 「DEVIL'S HAIRCUT」、MICHAEL+JANET JACKSON 「SCREAM」、LENNY KRAVITZ 「ARE YOU GONNA GO MY WAY」等。中でも特に感動的なのは、AUDIOSLAVE「COCHISE」。バンドメ
ンバーの後ろを何百発の花火が打ち上げられるビデオといえばお解りになる方もいらっしゃるでしょう。あの花火、なんと曲の流れに合わせて、色や形など種類が違うものを打ち上げているんです。地域住民はあまりの音と閃光で、爆撃、あるいはテロだと勘違いし、地元警察の電話が鳴りっぱなしだったとか。
そんな状況で撮り切ったというのも凄いですが、何といってもこのビデオにより、AUDIOSLAVEのメンバー間の結束が固まり、一時期は危ういとされたこのバンド自体の存続に良い影響を与えたということは特筆に値します。マークはこういうバンドの劇的瞬間や、アーティストのターニングポイントで作品を作ることが多いのです。また、彼の作品自体がアーティストの本質を引き出し、自身の存在意義を再確認させるだけの力を持っている、とも言えるのでは。これはなかなか一ビデオ監督ができることではありません。
■最後にダメ押しでマークネタを一つ。みなさんはあのカントリー界の巨匠ジョニー・キャッシュがNINE INCH NAILSの名曲「HURT」をカバーしているビデオをご存知ですか?マーク・ロマネクが渾身の思い入れで、ジョニー・キャッシュの自宅で撮影した作品です。これには、ミュージックビデオが、人間の人生を投影した瞬間が見られます!マークが自らの存在意義をかけて撮影した作品だと、僕は信じています。これはミュージックビデオが映画を超えた、特異な例とも言えるのではないでしょうか。
■PROFILE
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M.KAWA
1971年1月20日福岡県北九州市小倉生まれ。
最初に買ったアルバムはYMO「増殖」。レコードメーカーを経て某音楽専門チャンネルへ。現在フリーでMUSIC, VIDEO、LIVE VIDEO、音楽・映画番組のプロデューサー兼ディレクター。猫と温泉と森とノイズと白い部屋が好きな36歳。
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