「パフォーマンスの壺」
第3回「うまい拍手の取り方」
PRESENTED BY HIROO SATO

更新日07.11.11 コメント:0件 トラックバック:0件

■ブルースセッションにおいても普通のライブにおいても聴いてくれている方がいます。 自己満足っぽい演奏なんかを見せつけられても聴いてくれる方は面白くはありませんよね。ではどうしたら聴いてくれている方々に自分たちの演奏を楽しんでいただけるのか?それにはステージングのテクニックを身に着けることが必須となります。ステージングのテクニックは星の数ほどあるのですが、最も重要なもののひとつに「うまいタイミングで拍手を取る」という方法があります。

0353975007_l1.jpg■バンドをやっている方の中には「MCなんて必要ないよ」という方もたまにおりますし、「しゃべらずに演奏するほうがかっこいいじゃん」と言う方もいます。なんと「俺の音楽はわかる奴だけにわかればいいんだ」と豪語する方もいるでしょう。でも、もしあなたが知らないお客さんにも楽しんで欲しいと願うのであれば「今までと同じステージングでよかったのか」ということを振返って考えてみることをおすすめします。

shutterstock_907416.jpg■来ているお客さんがもしもあなたの大ファンで「ただ演奏してくれるだけで幸せ」というのであればまったく問題ありませんが、そうではないお客さんも見に来ていたとしたらどうでしょう?そうなのです。大ファンで来ている方もそうではないお客さんも同じ金額と時間を費やして聴きに来ているのです。それなのに「俺の演奏は10人中、ひとりでもわかってもらえればそれでいい」なんて言ってしまっては聴いている方に申し訳ないのであります。もちろん、人によって音楽の趣味志向が違いますので、その意味では万人に喜んでもらえる音楽などないかもしれません。しかし、第一回で書いたように学校の授業が面白いのも面白くないのも先生次第だったりするわけで、その意味では大好きなジャンルの音楽でなくとも「楽しかった」と思っていただくことは演奏しているあなた次第と言えるのです。

■さて、第一回で最初にメンバー紹介をすると書きましたが、実はこれは最初や最後だけに使える技ではありません。曲中にも使用可能です。うまく拍手を取るのはライブのステージングにおいてとても重要です。たとえばギターソロの直前に「ギター、山田太郎!」と紹介したとします。すると拍手が来たり、「いえーい!」などの掛け声が掛かったりします。拍手が来ると盛り上がるし、ギターの山田太郎さんも拍手が来ればうれしくなって張り切るではありませんか。拍手を取るというのはライブを盛り上げる意味でものすごく使えるテクニックです。

61456_s.gif■ギターソロの終わりにまた「ギター、山田太郎!」と言えば、また拍手が来てしまいます。で、曲が終わって「ありがとうございましたー」と言えばまた拍手。つまり1曲やるだけで最低3回拍手をとれる計算になるわけです。これならばMCが苦手な方でも「MCなんか必要ない」と思っている方でも簡単に拍手をとれるというわけです。特にギターソロでなくともメンバー紹介は可能です。
たとえば今演奏した曲を作曲したのはキーボードの鈴木一郎君だとします。演奏が終ったあとに拍手が来て拍手が鳴り止んだとします。そこで「作曲、鈴木一郎!」と言えば、なんともう一度拍手がとれるのです。いかがでしょうか? 特別なMCなどしなくとも拍手を取るのは非常に簡単なのです。要はタイミングだけ。

■ブルースセッションなんかの場合はメンバー紹介しようにも「だって名前を知らないし」なんて言わないで同じステージに上がった方々の名前くらいは覚えて、すっと出るようにしましょう。万が一、ギターの方のソロが終って「名前を言おうと思っていたのに忘れてしまった!」という場合でも客席に向かって「イエーイ、ギター!」などと言えばうまくつながっていきます。普通のライブでもブルースセッションでも聴いてくれている方がいる以上、自己満足だけの演奏では「早く終らないかなあ」なんて思われてしまうかもしれません。 お客さんを盛り上げていくステージ進行ならば聴いている方も退屈しないというわけです。

■拍手というのはとてつもない相乗効果を生みます。拍手は客席だけでなく演奏する側も盛り上がるのです。誰も拍手しない状態と拍手喝采状態を両方思い浮かべてみてください。いかがですか、思いっきり違いますよね。でもこれ、ボーカリストの拍手を取る技でお客さんとバンドメンバーが操られているだけなのです。拍手があったほうがまったくないよりも俄然楽しい雰囲気になるし、お客さんが持つあなたに対するイメージも大きく変わるはずです。

ぜひ実践してみてくださいませ。

mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 
rooster_story.jpg荻窪ルースター・オーナー
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster North Side」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある

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