「ロートラーの手稿」~PRECIOUS GUITAR~
PRESENTED BY ZAKK

更新日07.11.24 コメント:0件 トラックバック:0件

■今回の「ロートラーの手稿」(2)はミュージシャンの楽器についてちょっと話しをしてみたい。
「PRECIOUS GUITAR」と題して、ヘビメタの重鎮「トニー・アイオミ」の伝説のSGについて触れてみたい。

敬愛なるTony Iommiと共に今でも燦然と輝くあのギター!
~JAYDEE CUSTOM SG(a.k.a.No.1,The Old Boy)~
jaydee_custom_sg_aka_no1_2.jpg

■ブラック・サバスファン、アイオミファンならあの妙な色のSGか!とすぐお分かりでしょう。このギターはイギリスのバーミンガムで作られましたが、いつ頃作られたのかは正式な記録がないのではっきりしたことは申し上げられませんが、恐らく1975~1978年の間ではないかというのが定説になっているようです。
初めて使われたのは「Heaven&Hell」のアルバムでのオーバーダビング用のギターとしてですが、その後、頻繁に使われるようになりやがて、ライブでもスタジオでもそれまで使用していた黒いJohnBirchのSGにとって代わるようになりました。

jaydee_custom_sg_aka_no1.jpg■スペック的には24フレのスケールでフレットにはトレードマークであるクロスのインレイが入っています。これがまたかっこ良い。ピックアップはフロントとリアとで違うタイプがつけられています。
フロントはJohn Birch スタイルのMagnumXが取り付けてあり、リアはJaydeeスペシャルとなっています。ブリッジはshallerでヘッドはSperzel製.。これで素晴らしく安定度のあるチューニングを得ています。ピックアップセレクタースイッチ、5つのコントロールつまみがフロントについていますが、3つしかコネクトさせていません。アイオミはこのSGに限らずロードに出る時のギターは総てリアのピックアップのトーンコントロールはコネクトされていないとか。そして5つ目のコントローラーがブースター回路に接続されていたのですが、今は取り除かれています。


jaydee_custom_sg_aka_no1_3.jpg■このSGは一目であれだ!とわかりますね。ぼやっとしたマロンカラーで、ところどころ塗装がはげ落ち斑のような模様で使い古した木が露出しているところもあります。これほどネンキの入ったギターはそうはお目にかかれません。またその感じがいかにも歴史と重みを感じるわけですが、どうしてあのような形状になってしまったのか?

■これは2つの要因によってこのような姿になったのです。
一つ目の要因としては製作者であるなんとジョン・ディギンズの台所で作られ、しかも急を要すためかなり手早く作られた。そのため本体は別としても塗装する時間も乾かす時間も十分ではなくいわゆるちゃんとした仕上げではなかったのです。

そして2つ目は、そんな状態でありながら、しばらくしてこのかわいそうなギターはなんと赤道直下かどうかまではわかりませんが、ひどく暑い地域の車の中に置き去りにされてしまった。
ご存知のように炎天下の車中の温度は想像を超える高さにまで達します。塗装面は沸騰しただれたような模様になってしまったわけです。このようなしてあのお馴染みのアイオミSGになっているのです。

なかなか大変な思いをした苦労人のギターですが、度重なる災難を乗り越えたギターだと知って再度サバスのライブを見るとまた格別の音色に思えてきました。アイオミの隙のないギターワークと老練さを感じさせるSGのテンションが何とも言えない訴求力を生み出している感じしましたし重厚なリフも妙にこのギターとマッチングしている気がしてくるのです。

417H76FB1CL._AA240_.jpg■サバスと言えば「パラノイド」(1970年)と言い張るファンの方は久しぶりにこのアルバムを聴いてみてはどうでしょうか?

41SWPD56E6L._AA240_.jpg■このギターが初めて使われたのはアルバム「Heaven&Hell」(1980年)。主にオーバーダビング用として使用していたようです。

||||||||||||||||||TONY IOMMI’S FINGERS!||||||||||||||||||||

■次はトニーの右手の怪我にまつわるちょっとしたいい話?

TonyIommi_Steph_13429930_600.jpg●アイオミが18歳の時、板金工場で仕事をしている際に右手の中指と薬指の先端を失ってしまいました。彼は左利きですから右手でフレットを抑えるのに困難をきたすのは目に見えていました。彼自身もこれでギターを弾くのも断念しなければならないのかと思ったほどです。そんな彼を元気付けまたギターを弾くように勧めたのがアイオミのボス(おそらく板金工場社長)でした。

●ボスは彼がパブでバンド活動をしていることを知っていただけにアイオミがどんなに落胆していたかが痛いほど分かったのでしょう。リハビリ中の彼のところへ行き、同じくアクシデントで中指と薬指の自由を奪われたジャンゴ・ラインハルトのレコードを聴かせてお前もやればできるんだ!と叱咤激励したとのこと。

TonyIommifinger600.jpg●その甲斐あってアイオミもギターを続けることを決意したわけです。そこで(写真にもかすかに写っていますが)指先にプラスティックの特性キャップを付け(自分で作った)弦もエキストラ・ライトの細いゲージに代え、チューニングも下げて(D#)チョーキングもしやすくするなどいろいろ努力し、ギタリストとして見事復活を遂げました。

●トニー・アイオミがブラック・サバスのギタリストとして活躍し、元祖ヘヴィー・メタルのギタリストとして多くのギタリスト、ミュージシャンから慕われている状況は、もしあの時、ボスがいなければなかった話しかもしれません。そんな想いで「アイアン・マン」「ウォーピッグ」「パラノイド」を改めて聴くと、若い当時に受けた衝撃とは違い、パワフルな重厚感を出しつつひとつひとつの音をアイオミがいかに丁寧に弾いているのかがヒシヒシと伝わってきました。人に歴史あり!音に歴史あり!ですか・・・。

●アイオミがあの斑模様のSGをこよなく愛しているのも、ギター自体の素晴らしさは言うに及ばずですが、自分もいろいろ逆境を乗り越えて来た経緯とどこか似ており共感できる部分があるからではないでしょうか?

●1948年2月19日生まれですからもう59歳になりました。しかし、逆境を跳ね返し、ギターの奏法もいろいろ工夫して生み出された数々のリフは今でもメタルファンの心に深く響き渡ります。

※思い起こすとジェフ・ベックも左手をもろに骨折したり、交通事故で入院、オジー・オズボーンもバイクで穴に落ちて再起不能かいうことがあったり、ラリー・カールトンも銃撃に遭い深刻な外的、内的傷害を受けながらも不屈の精神で見事にカムバックしました。・・・などなど一流ギタリストは素晴らしいスキルもさることながら、その前にもの凄く卓越した精神力の持ち主だということでしょうか。


■Tony Iommi Official Site
http://www.iommi.com/iommi_frames.htm
Ci071124165503.jpg

■Ozzy Osbourne Official Site
http://www.ozzy.com/
Ci071124165530.jpg

□■IOMMIとOZZYのオススメDVDです!■□

※みんな素晴らしいのですが、私はとりわけOZZYの「ライブ&ラウド」が気に入ってます。ギターは敬愛するギタリスト・ザック・ワイルドなのですが、これが圧巻です。

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