オペラ座の夜ACT8 「オペラのシーズン」
PRESENTED BY TSUTOMU SHIMOGUCHI

更新日08.01.14 コメント:0件 トラックバック:0件

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オペラのシーズン

■師走の忙しさ。年末年始の休暇。こうしたものもすっかり過去となった昨今。また季節を感じにくい日常を送っている人も多いかもしれない。私も仕事が本格化した途端どうやって休みの調整をして休暇を取ったか忘れてしまった。しかし日本人は四季が明確にある土地柄に住むせいか本来季節感を大事にするなどとよく言われる。確かに2月は節分、3月は卒業、そして4月は桜(まあ今年の開花予想は今の時点ではわからないが)。これからもそうした意識を芽生えさせるイベントは多い。
実はオペラにもそうした季節を感じさせるものがある。今回は季節を感じさせる作品としていろいろ考えてみよう。

■まずなんといっても「こうもり」。ここで「おいおいオペレッタかよ」という突っ込みは無しでお願いします。欧米では年ahappynewyear.jpg末年始、大晦日や元旦にかなりの頻度で上演される。ウィーンなどは国立歌劇場、フォルクスオパーともに同じ演目である「こうもり」を取り上げているのだ。内容的にもたわいもない浮気話をシャンペンの泡とともに笑い飛ばそう。「愉快に新しい年を迎えよう」という思いともいえるだろう。この作品を作曲したヨハン・シュトラウス(子)はNHKの放送でも知られるウィーン・フィル・ハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートでもおなじみ。「美しく青きドナウ」といえばピンとくると思う。大晦日と元旦はガラっと雰囲気を変えたがる日本人に対して両日、もしくは12月、1月は月をまたいで上演が多くなるのが面白いところ。

Hanse-andgrete.jpg■続いては「ヘンゼルとグレーテル」。エンゲルベルト・フンパーディンク作曲の作品で原作はもちろんグリム童話のそれである。年末年始に家族揃ってお菓子の家などが出てくる夢の世界を劇場へ体験しに行くのである。上演時間も1時間半程度(しかも休憩も入る)と子供達にも見やすくなっている。最近ではただの童話とはせずに社会風刺して見せたりおとぎ話として終わらせないものも上演も増えてきた。そうした意味では大人としてあまり甘く見ると不意打ちを食らう可能性もある作品ともいえる。そういえば「本当は怖いグリム童話」なんてあったような。


■続いてはキリスト教でクリスマスの次に大事なイースター、復活祭の季節。ここではまずバッハの「マタイ受難easter1.jpg曲」といいたいところだがこれはオペラではないので割愛(ちなみに最近では演出をつけオペラとしての上演も試みられている)。
ワーグナーの「パルジファル」をあげさせていただく。救済をテーマにしたこの作品。やがて救済者が現れ様々なことを解決してくれるという話の筋からも上演しやすいのかもしれない。但しこの「パルジファル」、かなり怪しい設定になっていると指摘する人も多い。しかし、英雄、完璧なヘルデン・テノールの主役、パルジファルに出会えればあなたも救済されるかもしれない。

parischristmas.jpg■イースターをお伝えした以上クリスマスは必要。この季節といえば「ラ・ボエーム」前半はまさにクリスマスでの出来事。寒さに震える主人公達が恋に夢にたくましく生きていく姿が描かれている。1,2幕はクリスマス。3幕は真冬。4幕は春、各場面ごとに明確な季節わけが施されてもいる。特に2幕はクリスマスで賑わうパリの街が描かれていて舞台上に再現された華やかな街並みをスペクタクルとして楽しみに来る観客も多い。
こうしてちょと季節を意識してオペラを体験してみるのもまた一考。最近ではDVDも手軽に手にはいるしホームシアターという手もありますよ。


|||||||||| 「オペラ座の夜」ATC8で紹介した作品 ||||||||||

▼「こうもり」
オペラの超ブランド、クライバーで楽しみたいならこれ。


やっぱり本場、ウィーンにこだわります。


▼「ヘンゼルとグレーテル」
世界の小澤に続いて次期ウィーンの音楽監督メストが手がける夢の世界


▼「パルジファル」
やはり初演された劇場のものを観たいものです。


▼「ラ・ボエーム」
今は亡きパヴァロッティの勇士を。


▼華やかさなら負けません。


■P R O F I L E __________________________________
■下口 努(しもぐち つとむ)
opeashimoima.jpg1966年 東京生まれ
映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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