VISUAL-MUSIC♯7「ミシェル・ゴンドリー」
PRESENTED BY M.KAWA
更新日08.01.17 コメント:0件 トラックバック:0件
MICHEL GONDRY
~ミシェル・ゴンドリー~
CM、ミュージックビデオ出身で,今最も期待されている映画監督
■Bjork、BECK、DAFT PUNKからTHE ROLLING STONESまで、様々なPVを手掛け、同業のビデオ監督達からも尊敬と羨望を集める映像作家と言えるでしょう。
彼をここまでメジャーに押し上げたものはなんだったのだろう。やはり「誰が観ても面白いアイディア」(それは技術的には高度なものだが)を非常にポップでアートなものに昇華させる手腕・・・なのでしょうか。
■ミシェルは1963年、フランス・ヴェルサイユ生まれで、パリでグラフィック・アートを学びながらバンド"Oui Oui (ウイ・ウイ)"でドラムを担当。このバンドのミュージック・ビデオを16ミリで撮った事により、監督業、アニメーションなどにも関心を寄せるように。その後、93年にはBjorkと出会い、「Human Behaviour」をディレクション。これが大絶賛されたことから、彼はディレクターとして華々しいキャリアを歩み始める。
★Bjork、「Human Behaviour」
■彼のミュージックビデオは常に新しいアイディアに満ちていて、その「おもちゃ箱をひっくりかえしたような」テイストは彼の長編作品まで貫かれている。彼の発想の源は彼自身が見る「夢」が多いらしく、「夢」と「現実」の境界線が無くなっていくようなストーリー展開はミシェルの得意技。
また、僕の中で彼のビデオは2つに分類していて、
一つは発想の面白さで勝負するRADIOHEADの“Knives Out”やBECKの“Deadweight”などの「夢・妄想系」、
もう一つは音の規則性を分解して映像に反映させた、THE WHITE STRIPES“The Hardest Button To Button”やTHE CHEMICAL BROTHERS“STAR GUITAR”などの「音分解系」。
僕はこの「音分解系」にかなりやられました。これはギターやドラム、ベースや打ち込み音など、様々なトーンの音を映像の何かに置き換えてその規則性を映像で表現するもので、ミュージックビデオの快楽性を突き詰めた表現方法だと思います。DAFT PUNK“Around The World”もこの分類に入るもので、このビデオではベースを運動選手、ギターを骸骨、シンセサイザーをディスコガール、ヴォコーダーをロボット、ドラムマシーンをミイラに置き換えたんだそうです。ダンスビデオが嫌いだったミシェルが、自分なりにダンスを解釈した夢のある作品になっています。この発展系がビートを車窓に映るものに置き換えたTHE CHEMICAL BROTHERS“STAR GUITAR”なんでしょうね。この法則性に気付いた時はもう彼の虜です。
▼Chemical Brothers: Star Guitar
■ここで映画における彼のキャリアを紹介しておくと、2001年に奇才チャーリー・カウフマンの脚本によるパトリシア・アークエット、リス・エヴァンズ、ティム・ロビンズ共演作『ヒューマンネイチュア』で長篇に初挑戦。続いて04年、ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット共演『エターナル・サンシャイン』で圧倒的な支持を得て、カウフマン、ピエール・ビズミュートと共にアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞。05年はストリート・ミュージシャン、デイヴ・チャペルの路上ライブを追った異色ドキュメンタリー『ブロック・パーティー』を制作。続く『恋愛睡眠のすすめ』ではガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブールという魅力的なキャストを得て、自身の青年時代をモデルにしたストーリーを映像化した。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。
■僕は『ヒューマンネイチュア』のプロモーション時に彼にインタビューした事があるのですが、キュートでシャイな子供のような人、という印象でした。そのキャラクターもアーティストに好かれる理由の一つなんでしょう。ただ、非常に繊細で神経質なまでに鋭い観察眼を持っている人ではないか、とも感じました。インタビューの最期に、「あなたの作品は、ファンタジーで可愛いものと、それとは真逆の残酷なものが同居しているような印象がありますが」と訪ねると、「可愛いものには必ず残酷な面がある。物事には絶対に二面性があり、それはいつも僕の関心事なんです。」と細々とした声で語ってくれたのを今も良く覚えています。
■最期に、グランドホテル形式をPVに引用したようなビデオMASSIVE ATTACK“Protection”は、曲の浮遊感とミシェルの人間を切り取るシニカルな視点が融合した傑作なんで是非見てください。
そういえば、藤谷文子、加瀬亮などを起用したオムニバス映画「TOKYO!」の公開も控えているのでこちらも楽しみですね。
▼Massive Attack - Protection by Michel Gondry
さて、次回はアントン・コービンをご紹介します。
■PROFILE
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M.KAWA
1971年1月20日福岡県北九州市小倉生まれ。
最初に買ったアルバムはYMO「増殖」。レコードメーカーを経て某音楽専門チャンネルへ。現在フリーでMUSIC, VIDEO、LIVE VIDEO、音楽・映画番組のプロデューサー兼ディレクター。猫と温泉と森とノイズと白い部屋が好きな36歳。
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★VISUAL-MUSIC♯7で紹介した主な作品はこちらで
■Bjork Human Behaviour

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■RADIOHEADの“Knives Out”(CD)

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■ザ・ホワイト・ストライプス・アンダー・ブラックプール・ライト
※“The Hardest Button To Button”収録

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■THE CHEMICAL BROTHERS“STAR GUITAR”(MAXI SINGLE)

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■Daft Punk : D.A.F.T [VHS]
※“Around The World”収録

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■ヒューマン・ネイチュア コレクターズ・エディション

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■エターナル・サンシャイン

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■ブロック・パーティー

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■恋愛睡眠のすすめ

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