「パフォーマンスの壺」
第6回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
PRESENTED BY HIROO SATO

更新日08.03.13 コメント:0件 トラックバック:0件


     「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」

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■前回はしてはならない身内ノリというテーマで書いてみました。では、ステージでしゃべるにしてもどのようなMCをすればいいのでしょう?いきなり「みんなのってるかーい?」とか言ってファン以外のお客様をどん引き状態にするバンドが多いのを皆さんもご存知でしょう。こうしたバンドはうまいステージングの仕方を勘違いしているに過ぎません。でも、ファン以外のお客様全員をも巻き込んで最終的にはアンコールの声まで掛かるようなステージができれば最高ですよね。

実はこれは可能なのです。

■これまで書いたようにまずはメンバー紹介などを多用して客席とのコミュニケーション、つまり拍手の回数を多くとっておくことがまずは大前提。問題はこの後です。ひとつ例を挙げましょう。
velvetphotos.jpg「次の曲は初めて一人暮らしをした頃、よくラジオでかかっていた曲です」。とMCしたとします。このまま「それじゃー聴いてください。1.2.3.4!」と曲を始めてしまうバンドがほとんどですよね。ではこのMCを利用して客席をひとつにする方法はないものでしょうか?
この曲をやるまでにあなたはメンバー紹介で何度も拍手を取っています。さて、せっかく拍手をもらったのに客席を見ていない手はありません。何度も拍手をしてくれたお客様は覚えておき、たとえばこう話しかけます。「えーと、そちらの赤いTシャツのお客さんは一人暮らしとかしたことありますか?」知らないお客様に話しかける自信がなければ、反応のよい身内に声を掛けてもかまいません。ただし、見知らぬお客様に知り合いだと悟られないように「田中君は経験ある?」なんて聞かずに「そちらのTシャツのお客様は…」と声をかけます。

お客さんの中で最初にステージから話しかけるのは
     安全パイな人間が鉄則です。

mike2.jpg■聞かれた当人はこの問いかけに答えないわけにはいかなくなります。
なぜなら他の大勢いるお客さんがいっせいに注目してしまうからです。最初に聞かれたお客さんは一瞬「えー、俺に聞かないでー」と思いながらも「したことあります」とかあっさり答えてくれます。このステージからの問い掛けに見知らぬcart_portal_over_02.jpgお客さんが応えたという事実が後々のステージに大きく響いてきます。最初のお客さんが「あります」と応えてくれたらすかさず「隣のお客さんはどうですか?」と間髪いれずに聞いてみましょう。すると最初の人が応えたのに2番目の人が応えないのもみんなが見ていることもあり、バツが悪いので「僕は今一人暮らしです」とか応えちゃうのです。
「あー、そうですか、どうもありがとうございました。やっぱり一人暮らしの経験者は多いですよね。特に初めて一人暮らしをしたときなんてなんか寂しい気分で、音を小さくしてラジオ聴いちゃって。でもそんな頃ってすごく心に響いちゃうんですよね。僕はこの曲が忘れられないんですよねー。皆さんも知っているかもしれませんね。それじゃ聴いてください。1.2.3.4!」。
いかがでしょうか?


このMCには3つの効果があります。

■まずひとつ目は、ただ「僕の思い出の曲です」と言ってもお客様にとっては思い出の曲ではありません。しかし、客席に「一人暮らしの経験は?」と聞いたことで曲こそ違えども個々のお客様も同じ体験や思い出が重なり合い、なんだか親しみを持って曲を聴くことができるのです。

■ふたつ目は、ステージと客席の壁を壊すことに成功した点です。ライブはテレビの映像とは違い、目の前にお客様がいます。
多くのバンドは見知らぬお客様とコミュニケーションをとることがうまくありません。しかし、こうした誰にでも質問可能な話題を取り上げて客席に問いかけることでステージと客席との間にあった壁を取り壊すことが可能になるのです。

■そして三つ目は、この客席との会話をお客様全員が聞いていたという点です。他のお客様にとってみればステージ上のボーカリストが見知らぬお客様に声を掛けていてお客様は素直に反応しているように見えるのです。これにより、また違うお客様がステージから話しかけられても応えやすい状況が生まれていることになるのです。

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客席に話しかける場合の注意点ですが、まずは個人的に話しかけることがポイントです。
もしも「この中で一人暮らしを経験した人はいますかあ?」と全員に聞いてしまったらそれは失敗です。見知らぬお客様が手を挙げてくれる可能性はかなり低いからです。これはいきなり「みんなのってるかーい?」と聞いてシーンとされてしまう失敗例と同じなわけです。ところが、前述の様な方法で少しずつ客席の壁を壊していくことで最終的には「みんなのってるかーい?」と聞いても「いえーい!」という全員の返事をもらえるようになれるのです。
別にお客様が一人暮らしをされたかどうかボーカリストとしては実は興味の無いお話、つまりどうでもよいことなのです。しかし、客席とのコミュニケーションとして何を繰り出していくか。この引き出しを多く持っていることがライブを成功に導く手段なのであります。

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 
rooster_story.jpg荻窪ルースター・オーナー
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster North Side」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある
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★ここでちょっと注目!「YOU-NEXT編集長ZAKK」より★
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荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をばっちりバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは…!?


■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!

http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html
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■前回に引き続きBLUES ALBUMの名盤をいくつか紹介します!
▼アルバート・キング:ヴェリー・ベスト・オブ・アルバート・キング
※「悪い星の下に生まれて」も収録



▼フレディ・キング:Texas Guitar Blues
※Sweet Home Chicago収録



▼バディ・ガイ:アイ・ウォズ・ウォーキン・スルー・ザ・ウッズ+2
※バディ・ガイが一番脂がのっている頃の音源を収録



▼ハウリン・ウルフ:ザ・バック・ドア・ウルフ<紙ジャケット仕様初回限定盤>
※孤高のブルース巨人、ハウリンのラストアルバム(1973年作品)



▼ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ:Blues Breakers
※エリック・クラプトン参加、ギターファン必見


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