オンガクの正体♯10
「ロックTシャツのユーティリティ!?」
PRESENTED BY JOHJI HARIMURA
更新日08.06.18 コメント:0件 トラックバック:0件
~ある音楽チャンネル編成マンのひとりごと~
皆さん、ごきげんいかがですか?針村丈二です。
6月の、個人的に最も大きなトピックといえば、なんと言っても、4年に一度のヨーロッパ・サッカーの祭典、「ユーロ2008」です。全試合内容のレベル、その密度からいえば、世界大会であるワールド・カップ以上ともいえる、ハイ・クオリティーなフットボール・ゲームが展開されています。そして、それは、しばしば「祭典」という言葉で紹介されてはいるものの、ヨーロッパの歴史的背景をも反映した、各国のプライドを賭けた「戦争」ともいえる、熱い闘いなのです。応援するサポーターも、選手とお揃いのレプリカ・ユニフォームに身を包み、スタンドをナショナル・カラーで埋め尽くし、一緒に戦います。そして、そんなサッカーが、面白くないわけがなく、生中継を観てしまうと翌日の仕事がキツいこと、キツいこと。かと言って見逃すと、サッカー・ファンとしては、確実に損をしてしまいます。決勝までは、こちらも選手同様に、コンディション・コントロールが必要ですね。
さて、サッカーの話から入ってしまいましたが、今回の「オンガクの正体」は、サッカー・ファンとレプリカ・ユニフォームの密接な関係同様、音楽ファンのみならず、ストリートのファッション・アイテムとして、いつの時代も注目を浴びる「ロックTシャツ」について、考えてみたいと思います。
コンサート会場のグッズ売場で、買い求めたことがある経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
■自分の担当番組もお世話になっている雑誌「EYESCREAM」5月号の特集は、まさに「ロックTシャツ」でした。野村訓一さんの特集の序文によると、まず、Tシャツが若者の間で急速に広がり始めたのは、50年代、映画の中で、マーロン・ブランド、ジェームス・ディーンらが、それまでは、作業服や下着としての認知しかなかった、ジーンズ、Tシャツを「スタイリッシュに着こなしていたから」。そして、そんなTシャツが、バンドのノベルティーやライブの記念品として人気を集
めるようになったのが70年代。「ロックTシャツ」をメジャーにしたのが、「グレイトフル・デッド」をはじめとした、サンフランシスコのサイケデリック一派で、同時に「フィルモア」などライブハウスを運営していた「敏腕プロデューサー ビル・グラハム」の存在が大きかったといいます。
彼は、自分のライブハウスでの興行権を手にすると、ブッキングしたバンドのTシャツをノベルティーとして売り出します。当時のサイケデリックアート人気と相まって、「ロックTシャツ」もまた、人気アイテムとなっていったのだそうです。その後、ロックが一大産業となり、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリン、イーグルス、そして、グレイトフル・デッドなど、全米のスタジアム級の会場をツアーで回るようになると、ツアーの記念品として、「ロックTシャツ」は爆発的に売れるようになり、今日に至る。「ヤフー・オークション」などでも「ヴィンテージ」「ツアー」「Tシャツ」といった言葉を入れて検索すると、当時のTシャツなども出てきて、かなり高値で取り引きされているようです。
自分がコンサート会場に足を運び始める80年代には、すでに「Tシャツ」は、グッズ売場の人気商品であり、それを必ず買って帰るという友達もいたものです。また、こういうノベルティー・グッズといえば、「ベロ・マーク」が決定的なアイコンになっている、ローリング・ストーンズの右に出るバンドはなく、ストーンズ・ファンの自分も、ご他聞にもれることなく、当時は、原宿にあったストーンズ専門店「ギミー・シェルター」でよく買い物をしたものです。
■最近は、ネットなどでも、ノンオフィシャルなTシャツを見かけますが、個人的には、シャレが効いていて、これはこれで、結構好きです。思わず買ってしまったのは、「ジョージ・ハリスン 74年北米ツアー」Tシャツ。もし、このジョージ初のソロ・ツアーでTシャツが売られていたらこんな感じ?みたいなコンセプトが笑えます。表は、ダークホースのマークで、裏は、よくあるツアー・スケジュールがプリントされています。それから、買おうかどうしようか、迷っているうちに売り切れてしまったのが、ポール・マッカートニーの80年大麻事件で来日中止になってしまった「ウイングス 日本公演」Tシャツ。存在するはずのないアイテムなのに、ディテールが秀逸で、予定されていた全日程と招聘元だったおなじみの某プロモーターのロゴまで入っているというデザインでした。もう一枚、自分が買ってしまったのは、表に「Keith&Mick&Bill&Charlie&Brian.」とストーンズのオリジナル・メンバーの名前だけがプリントされた黒いTシャツ。ベロ・マークやバンド名は、どこにも記されていないのですが、見る人が見ればわかるという仕掛け。これを着ていると、よく「そのTシャツ、いいね!」なんて言われます。ちなみに、「John Paul George Ringo」も探しましたが、こちらはソールド・アウトで手に入りませんでした。
全く「ロックTシャツ」とは不思議なもので、電車の中などで、見ず知らずの人が「ストーンズ」や「KISS」などのそれを纏っていたとして、そんな人を見ると、ひょっとしたら、この人とは気が合うかもしれないなんて考えたりしてしまうのです。そして例えば。もし「パティ・スミス」や「ラモーンズ」なんかのTシャツを着ている素敵な女の子と、どこかのバーで隣り合わせたとしたら?もう、そんな年齢でもないのですが、話しかけてみるきっかけは十分すぎると言えないでしょうか…?
今回も、最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました!
▼Grateful Dead 「Wharf Rat」
※ちょっとサイケの香りがする…!?
■PROFILE
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針村丈二<ハリムラ・ジョウジ>
大学卒業後6年間、TV制作会社に勤務した後、 97年フランスW杯アジア最終予選の最中、某CS音楽チャンネルに移籍。番組ディレクター、プロデューサーを経て、現在、編成部所属。趣味は、読書、音楽鑑賞、スポーツ観戦と、いたって普通。この5月で40歳。前厄。一児の父。
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||||| 「オンガクの正体」BACK NUMBER |||||
♯9 「お気に入りの音楽、心に響く歌詞」
♯8 「あの頃の音楽体験」について
♯7 「70年代を駆け抜けた2冊の本から思うこと!」
♯6 「お気に入りのライブ・アルバム」
♯5 「ライブという音楽体験」
♯4 「ALL ABOUT FUJI ROCK!」
♯3 「心の音楽マスター」
♯2 「音楽をキャッチできる場所」
♯1 「天から降りてくる旋律をキャッチしていくこと」
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