オペラ座の夜ACT14 「オペラなファッション」
PRESENTED BY TSUTOMU SHIMOGUCHI
更新日08.07.14 コメント:0件 トラックバック:0件
『オペラなファッション』
オペラへ出掛けるときに楽しみのひとつ、もしくは問題となるのが服装である。華やかな場所へ出掛けるいじょうお洒落して行きたい。せっかくの非日常空間だからいつもと違う自分を演出してみたい。こうしたポジティブ派もいるがどんな服装で行けば良いのかそもそもわからない。という迷っている方々も多い。
今回は私が過去見てきたオペラ・ハウスにおけるお客様の服装について書いてみたい。
まずは日本。
演目的にだが大きく2つのカテゴリーが存在する。それはヴェルディ、ドニゼッティ、ロッシーニなどのイタリア・オペラ系とヴァーグナー、シュトラウスなどのドイツ・オペラ系。
さてイタリア系だと恋愛物を扱った内容が多いせいか女性が多いそれも色鮮やかなドレスやスーツなどを着てオペラ・ハウスも華やかになる。客層もカップル、女性だけのグループも多い。実際女性の方々がプライヴェートで夕食にでも出掛ける服装とでもいうのだろうか。男性はスーツ、ジャケットを羽織る程度。カジュアルな方も多くそれほど気張った感じはしない。
対するドイツ系。特にヴァーグナーでは圧倒的に男性が多くなる。そのせいかオペラ・ハウスは独特な雰囲気を醸し出す。服装はイタリア系と特に変わらないが女性が少ないせいか男子校のような感覚に陥るかもしれない。
では本家イタリアではどうか。
まず西洋の基本だがカップルが圧倒的に多くなる。そしてお洒落な方が多い。このお洒落だが他とは違い間違っても日本におけるビジネス・スーツで来るような輩は存在しない。スーツは着ていてもシャツは色つき。ネクタイはなし。もしくはちょっと派手なもの。あくまで自分をプロデュースするのである。やはりミラ
ノ・コレクションなどに代表されるファッションの国。こうした服装は手慣れたものである。
女性はやはり個人主義。
舞台で上演されるヴェルディの名作「椿姫」のヒロイン、ヴィオレッタが1幕の夜会で着ているようなかなり派手なドレスはさすがに少ないが綺麗なドレスの方もいれば素敵なスーツの方もいる。ただジーパンなどかなりカジュアルな服そうな人は日本と比べかなり少ない。これはやはり非日常空間へ行くという気構えからなのだそうか。
続いてはドイツ系。
やはり国に対するイメージからか同じスーツといってもピシっとした服装が多く感じられる。たぶんオペラ・ハウスの場に馴染むということを主眼に考えているのだろう。この場に馴染むという感覚からか派手な服装ではなくシックに決める紳士淑女が多く見られる。これが同じドイツ語圏でもウィーンに行くと服装が派手になるのは観光客が多いせいだろう。やはり海外にきてオペラといえばちょっとしたイベント。ここに集う世界各国の人々がお洒落しているのだから派手になるはずだ。話を戻そう。このシックという言葉からも連想できるように明るめの服装というよりはダーク・スーツなどが多く見受けられる。ただ例えビジネス・スーツでも着こなしひとつでプライヴェートな時間と演出できるちょっとしたお洒落があるのも事実。私としてはこうした点はぜひ参考にしたい。
最後にイギリスのことを書かせていただく。
基本的にドイツと似ている。特にグラインドボーン音楽祭などはタキシード、イブニング・ドレスとドレス・コードの指定まであるのだが彼らの考え方は場に則した、つまり一種の制服を着ていく感覚だろう。よって基本的に派手な服装にはなりえない。この考え方をもってお洒落をしていけば現場にいって浮いてしまったというような失敗はしないですむだろう。
ということでお国ごとおおざっぱにオペラ・ハウスにおけるファッションについて書かせていただいた。
最終的にはロック・コンサートと同じである。今晩はどのTシャツを着ていけばイベントにマッチしてキラっと光るセンスを見せることができるのか考えればきっとあなたも楽しいお洒落ができるはず。
■P R O F I L E __________________________________
■下口 努(しもぐち つとむ)
1966年 東京生まれ
映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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