VISUAL-MUSIC♯11 「Tarsem Singh 」(ターセム・シン)
~ビジュアル・モンスターの魅力とは!? PRESENTED BY M.KAWA
更新日08.09.06 コメント:0件 トラックバック:0件
今回取り上げるのは・・・、
先日来日した監督ターセム・シン"Tersem Singh"。
映画「落下の王国」のプロモーションによる滞在だったが、注目は映画で衣裳を担当した石岡瑛子に集中。というのも、映画監督チャン・イーモウの演出によるオリンピック開会式のコスチュームを、彼女が担当したから。そんな話題も含め、満を持しての映画公開。構想26年、撮影に4年を費やし、世界24カ国以上でロケを敢行。嫌でも期待は高まる。
さて、ターセムはもともとCM,MUSIC VIDEO出身の監督で、
DEEP FOREST "Sweet Lullaby"
EN VOGUE "Hold On"
SUZANNE VEGA "Tired of Sleeping"
VANESSA PARADIS "Be my baby"
などを手掛けていて、いずれも一度見れば
「ターセムらしい」と思える印象的な作品といえる。
■「ターセムらしい」とは、どういうことか。
それを紐解く一つのミュージックビデオがある。最も有名かつ、重要な作品といわれている、R.E.M. "Losing My Religion"。
宗教的なモチーフを使った映像により、その意味合いを深読みされ、ヨーロッパの一部の国では放映禁止になったことも。羽の生えた黒人天使や、嘲笑の的になるカツラを被った年寄り天使、アジア風衣装の女性、鋼鉄製の天使の羽を造っている男などが登場する本作品は、ターセムの映像センスを凝縮したような作品といえる。
▼R.E.M. "Losing My Religion"
このビデオの鮮烈なビジュアルイメージが一人歩きしたという印象はかなり強く、この楽曲の大ヒットをもたらしたのはもちろんのこと、R.E.M.というバンド自体のパブリックイメージまで決定づけた。
このビデオが醸し出すターセムの映像作家としての個性は、「意味を超越した宗教的官能美、この世を越えた、あるいは超えようとする世界観」だと僕は考える。というのも、彼の作品はどれも意味深だが、どれも実は意味が無いようにも感じられる。それは彼自身、意味を提示しようとする作家ではないということなのではないか。意味を超えた視覚的メッセージ。知覚に直接訴える物語性。それが彼の映像なのではないか。
■それを更に証明するような映画を彼は初監督作として世に送り出している。
「ザ・セル」である。
あらすじはというと―人間の潜在意識や夢の中に入り込む技術を研究する、ジェニファー・ロペス演じる心理学者キャサリンのもとにある依頼が。それは、ガラス張りのセル(独房)に女性を閉じ込め溺死する姿を見て性的快楽を得る殺人鬼の心の中を覗いて欲しいというものだった・・。
この映画、簡単に言うと異常犯罪者の゛心の闇″をビジュアルで表現した作品である。いや、ターセムはこの一点を描きたいがためにこの映画を撮ったに違いない。表現の中には様々な引用もあからさまに見受けられ、死んだ動物をホルムアルデヒドによって保存したアートで有名な90年代のカリスマ芸術家、ダミアン・ハーストの影響はオマージュの範疇をこえてサンプリングの領域までに達している。が、映画を通呈するビジュアルコンセプトが、それを自然に見せ、嫌味に感じさせない。その技量も含めて、先述の彼の映像作家としての個性はここに結実している。
■そして「落下の王国」である。
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構想26年、監督自らが"本当に作りたかった映画"と語る本作は、傷ついた青年が、少女とのふれあいの中で、生きる力を取り戻していく、優しさ溢れる感動巨編!なんだそうです。この部分、見てから書きたかったんですが、いろいろ情報を集めると、大怪我をして動けなくなった男が、自殺するための薬を少女に持ってこさせるために、他愛も無い作り話をしていく過程で、その物語がいつのまにか壮大な叙事詩に発展していく・・・という、いかにもターセムな展開。要は少女の脳内で繰り広げられるストーリーを、恐ろしくなるくらいの美しい映像で描いた作品なんです。スパイク・ジョーンズとデビッド・フィンチャーが協力してるってだけでも鳥肌モノです。
■僕はターセムの作品を象徴するビジュアルというと、真っ青な空と広大な砂漠、そこに孤高のごとく飛び去っていくコンドル・・・なんかを思い浮かべます。その色は鮮烈だが、乾いた孤独感、この世の果て、精神の極北を想起させ、どこか異世界に連れて行かれるような感覚を与える。彼が゛ビジュアル・モンスター″という異名をとるのも頷ける。
▼R.E.M.オフィシャルサイト
http://remhq.com/index.php
▼SITE OF DEEP FOREST
http://www.deepforestmusic.com/
「Site of Eric Mouquet」
http://www.deep-projects.com/
「Site of Michel Sanchez」
http://www.michelsanchez.com/
▼En Vogue at Rock on the Net
http://www.rockonthenet.com/artists-e/envogue_main.htm
▼Suzanne Vega Official Site
http://www.suzannevega.com/
▼Vanessa Paradis Official Site
http://www.vanessaparadis.fr/
▼「落下の王国」("The Fall")オフィシャルサイト
http://www.rakka-movie.com/
■PROFILE
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M.KAWA
1971年1月20日福岡県北九州市小倉生まれ。
最初に買ったアルバムはYMO「増殖」。レコードメーカーを経て某音楽専門チャンネルへ。現在フリーでMUSIC, VIDEO、LIVE VIDEO、音楽・映画番組のプロデューサー兼ディレクター。
猫と温泉と森とノイズと白い部屋が好きな37歳。
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▼DEEP FOREST "Sweet Lullaby"
▼EN VOGUE "Hold On"
▼SUZANNE VEGA "Tired of Sleeping" ※PVではなくライブ映像です!
▼VANESSA PARADIS "Be my baby"
▼「THE CELL」DVD
▼DEEP FOREST 「Essence Of The Forest」

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※90年代のモダン・ワールドミュージック・シーンを代表する存在であるディープ・フォレストのベスト・アルバム!
▼SUZANNE VEGA 「Live At The Stephen Talkhouse」

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▼VANESSA PARADIS 「Vanessa Paradis」

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※女優にして90年代のフレンチ・ロリータ、そして今や、俳優ジョニー・デップのパートナーとして2児の母となった、ヴァネッサ・パラディが1992年に発表した、レニー・クラヴィッツ・プロデュースによる永遠の名盤!!ヴァネッサにとっては3作目、初の英語によるインターナショナルなアルバム。作詞、作曲、演奏、プロデュース全てをレニーが手掛けたレトロ・ポップなサウンドと、ヴァネッサのロリータ・ヴォイスがたまらないガール・ポップの傑作!!ロック・ファンも必聴!!
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