「パフォーマンスの壺」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
PRESENTED BY HIROO SATO
更新日08.09.10 コメント:0件 トラックバック:0件
前回はライブハウスや対バンの方々への挨拶がライブを成功へ導くと書きました。
今回はその正反対で挨拶は控えめにしようというお話です。
■さて、ロック系のライブハウスの入口前には、もう演奏が始まっている時間なのに人がたむろしている光景をよく目にします。あれはライブハウスにとっては大弱り。近所から「通行の妨げになる」と苦情が来るからです。ではなぜ演奏が始まっているのに中に入らず、入口の前にたむろしているのでしょう?ひとつにはロックのライブハウスの多くは対バン制をとっているからです。自分の出演時間まで出演者するミュージシャンが入口で待っているのです。するとそのミュージシャンがライブハウスの中に入らないから、そのミュージシャンの知り合いも一緒に出番まで外で待っているということになるのです。
この現象は前回書いたように
対バン同士の挨拶が無かったゆえに起こります。
「対バンなんて関係ねーぜ」とお互いに外にいることによって、せっかく他のバンドのお客さんにも聴いてもらえるはずが、ライブハウスの中にいるのは自分たちのお客さんだけということになるわけです。もしもしっかり挨拶していればお互いのライブくらい見てもいいはずですものね。「このバンド面白そうだから中に入ろうか」と出演者が知り合いを促せば、お客さんにとっても他のバンドも聴くチャンスができますし、対バンの方々も同じ行動を取れば、そのバンドのお客さんも自分たちのバンドの演奏を聴いてくれることにつながります。
こうした指導をライブハウス側がしていないのも問題です。
■もっとも楽屋が1つのバンドしか入れないようなスペースなのに5バンドも出演させたら外に出てしまうのは当然です。それにすべてのバンドのお客さんがいっせいにお店の中にいたら入りきれないようなノルマを取っていたりするライブハウスがよくあるのでライブハウスのオーナーが何を考えてお店をやっているのか疑問ではあります。
前置きが長くなってしまいましたが本題に入りましょう。
■みなさんはライブハウスの入口でお客さんと話す行動はどう思われるでしょうか?これは「知り合いが来くるから入口で待っていよう」ということもあると思います。で、当然ながら入口の前では知り合いとだけ会話するわけです。実はこんな光景は素人バンドでしかあまり見ません。
これまで何回か書いてきていますように、親しげに話しているその姿は知らないお客さんにも見られているわけで、ライブをする前から「このバンドはファンじゃなくて知り合いが来ているのね」と思われちゃうわけです。でも、もしかしたら「実際そうなのだから挨拶したっていいだろう」と思われるかもしれませんね。
しかし、知り合いしか来ないということは、今まで貴方のステージングが知り合いにしか通用しなかったゆえに、そうなっているということなのです。これは第1回から読んでさえ
すればきっとおわかりいただけるはずです。
また、これは対バンでなくとも、そして
お店の入り口でなくとも同じことです。
■たとえば開演までのお店の中。客席にミュージシャンがいる状況です。入口から知り合いが入ってくるたびに「あら、おひさしぶりー」とか「やー、来てくれたのー? ありがとー」なんて駆け寄っていく女性ボーカリストがよくいます。私はそういうボーカリストを見るとなんだかホステスさんのように見えてきます。しかも、お店のウエイトレスさんがお客さんを席に案内しようとしているのにボーカルさんが話しかけているために会話が終わるまで案内を待っているではありませんか。これではお店の方に迷惑です。こういう方々は「来てくれてありがとう」という気持ちをおおっぴらに出しますが、なんとそれは知り合いにだけで、一般のお客さんが入ってきてもちらっと見るだけなのです。
ロックのライブハウスでは一般のお客さんはあまりいないでしょうが、ジャズ系や飲食系のライブハウスでは普通です。もしかすると一般のお客さんから「あのホステスみたいのが歌うのか」と思われかねません。つまり、ライブ前からあなたの行動はお店にいる全員に見られているのです。大御所ミュージシャンはその辺を心得ていますのでそういうことはまずありません。たとえ知り合いが来ても落ち着いて座っています。笑顔で軽く会釈する程度です。知り合いにだけ目立つような挨拶をする行動は、実はお店への配慮ができないミュージシャンでもあります。
■自分のお客さんにだけおおっぴらに愛想を振りまく姿は一般のお客さんはこう感じます。「この店はバンドの知り合いばかりが来ているのか」と。こう思われてはそのお店に一般のお客さんが着きません。つまり、ライブをどこでするのかということをよく頭に入れて、ミュージシャンはそのお店ならではの行動をすべきであるのです。極端な話、客席を回って挨拶をするのなら知らないお客さんにも「いらっしゃいませ」と言うくらいの配慮をすべきであるのです。それができないのならばお店に迷惑となりますので止めた方がよいでしょう。もちろん「来てくれてありがとう」という感謝の気持ちは大切です。
しかし、その日のお客さん全員が聴いてくれるお客さんなのですから、知り合いにだけ感謝するというおおっぴらな行動はお店からの視点や一般客からの視点で見るとおかしいのです。
ライブ前に客席を回って挨拶をするよりもライブのときにステージ上で全員に「今夜はライブハウス○○へお越しいただきましてありがとうございます。今夜のお相手は○○バンドです」と言うほうが無難です。一番大切なのは知り合いに「来てくれてありがとう」ということではなく、お客さん全員が同じ料金を支払って観に来ているわけですから、全員のお客さんに「来てよかった」と思っていただくべく行動し、ライブを行うべきだということなのです。
それをわかっていないミュージシャンは、言ってしまえばそれなりのライブハウスにしか出演していません。ところが、それを見ていながら指導するライブハウスが少ないために、ライブハウスには知り合いしか行かないという現象も生まれてくるわけです。やはりせっかくライブをするのなら知り合い以外にも聴いてほしいと思いませんか?これを打破するにはまずあなたが変わらなければなりません。演奏レベルやライブ慣れしていないうんぬんではありません。気構えの問題です。お客さんはお金と時間を使って来ています。知り合い以外のお客さんもです。そのお店の常連客もいるかもしれません。
ロック系のライブハウスではまだ次のバンドの演奏があるのに「今日はありがとー。気をつけてお帰りください」などというバンドがいるようです。これでは他のバンドのお客さんに嫌われるのは間違いありません。
自己満足のライブにならぬよう
ぜひ気を配っていただければと思います。
■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?
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■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
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