「パフォーマンスの壺」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
PRESENTED BY HIROO SATO
更新日08.10.11 コメント:0件 トラックバック:0件
あの振り付けはみんな一緒にやっていたものでした。会場全体がYMCAの振り付けをするシーンはとても圧巻でしたよね。ステージと客席が一体となる振り付けというものはあのYMCAと同じように楽しく、そして盛り上がるもの。YMCAに限らず、振り付けをみんなでするのはとても楽しいものです。
そういえば、20年ほど前でしたか、いとこの付き添いでX JAPANの東京ドームでのコンサートに行ったことがあるのですが、この時も腕を交差させてジャンプするⅩジャンプなるものをお客さん全員が行っていました。2階席で観ていたのですが、Xジャンプを知らなかったのはどうやら私だけ。あれだけの人数が同時にジャンプするものですから着地の瞬間は2階席の底が抜けるかのように一瞬、グッと下がったのでビックリしたのを覚えています(私だけジャンプしていないのでそれがわかったのです)。
さて、このようにアイドル歌手だけでなく
ロックバンドもお客さんと一緒に振り付けをするのです。
この様子はどこから見ても盛り上がっているように見えます。ではなぜみんな同じ振り付けをしてしまうのでしょうか?YMCAもXジャンプも振り付けですが、若干意味合いが異なるかもしれません。
西城秀樹の場合、「みんなでYMCAをしたら楽しいですよー」という雰囲気がバリバリに出ていますが、Xジャンプはどうでしょうか?たとえば、X JAPANにしてもビジュアル系のバンドにしてもそのファンの方々は同じようなコスチュームを着てコンサート会場に出掛けます。これは当然、バンドと同じような格好をすることで自分はこのバンドのファンであるということをアピールしているわけです。
振り付けにしても、実は同じことが言えます。
ハイル・ヒットラーではありませんが、ロック系のバンドの場合、振り付けにしてもどこか「あなたに付いていきます」的な空気を感じるときがあります。では、ちょっと思い浮かべてみてください。あなたのバンドを観に来たお客さんが全員、同じような服装で、同じ振り付けをしてくれている図を。おそらく天下を取ったように気分がいいですよね。
しかーし、問題はここからです。
これは西城秀樹やX JAPANだから何万人もが同じ振り付けをしているわけです。もしもあなたがオリジナル曲で振り付けをしたところでライブハウスのお客さん全員が同じ振り付けをしてくれるとは限りません。よく、ロックのライブハウスなどでは最前列のお客さんだけが同じようなコスチュームで同じ振り付けをしている光景に出会います。ところが、後ろのほうのお客さんはまったく関係なく立って見ているだけ。そうなんです。多くの場合、振り付けの曲をやってもこのようにやっている人とやらない人とにわかれてしまう。これが知らないお客さんならばよっぽど陽気な方でなければ参加してはくれないでしょう。
「うーむ、そうなんだよなあ」。
・・・とご納得いただいたところで、これを完全否定してみたいと思います。
振り付けにしろ、拍手にしろ、アンコールの声にしろ、実は全部同じこと。手順さえしっかり守っていれば実は踊らせることだって可能なのです。「今日の客はのりが悪い」なんて言っている人いませんか?それはあなたのバンドがのせられてないというだけのこと。お客さんをのせるのはバンドの役割なのです。
では見知らぬお客さんに振り付けをしていただくにはどうしたらよいのでしょうか?これはこのライブステージング術をその1からじっくり読めば答えはおわかりいただけるはずなのです。ではその手順を超簡単に書いてみます。
まずは「俺たちのライブに来てくれてありがとう」などと一般客を無視したMCはせずに、「今夜はライブハウス○○にお越しいただきましてありがとうございます。今夜のお相手は○△バンドです」と完全に見知らぬお客さんを相手にしたライブをスタートする。1曲目をやる前に、メンバー紹介で拍手を取り、曲中のソロでさらにメンバー紹介をする。これにより、また拍手を取る。曲をやっていくなかで客席の反応を確認しつつ、場面によって客いじりトーク(当然見知らぬお客さんという設定で)で客席との壁を無くす。ここまでが振り付けをお客さんに求める場合の最初の手順になります。
さて、いよいよここからです。
わかっていないバンドは振り付けのある曲を説明無しで始めます。この場合、振り付けを一緒にやっている人はファンだけになります。そしてその数が多ければ多いほどバンドさんは「どーだ、俺たちはこんなにファンがいるんだぜ」という顔をしています。これでは見知らぬお客さんから観ると「ふーん、けっこうファンいるんだー」と思うだけで一緒に振り付けをしてみようとまでには至らないのです。それでもいいという方はいいですが、お客さん全員に楽しんでもらうのがバンドの責任。なぜならファン以外のお客さんも全員入場料を払っているからです。
では振り付けのある曲をやる場合、
どのように進めたらいいのかですが、
これは簡単です。
あらかじめ振り付けの説明をするか、もしくは曲中で説明するかです。再三書いてきたように、お客さんとの壁を取り払ってからならば実はこれだけで十分成立します。要はその日のライブを出演者が客席をひとつにまとめているかどうかにかかっているということです。さらに言えば、面白く振り付けをお客さんに教えていく方法のほうが客席は和やかになるので振り付けの以前に「振り付けを教えること」がすでにステージングとなります。
たとえば、ここではわかりやすくYMCAの振り付けをするとします。ボーカルの方はYMCAをお客さんにやっていただく前に、「それでは振り付けのご説明をいたしましょう!今夜バンドメンバーの中でもっとも目立たなかったこの人に見本をやっていただきす。紹介しましょう!オンベース、田中たろー!」目立たなかったメンバーと紹介されたため、ここでは拍手と笑いが巻き起こります。これによって一気に客席は和やかムードになるわけです。で、ボーカルは「はい、Yと言ったら」というとベースの田中太郎さんはYのポーズを取ります。これを見ているメンバーはおそらく笑顔全開ですよね。客席も笑顔になっていると思います。
さらにここでダメ押しです。
今度は客席で一番目立っていた方にお願いしてみます。「はい、もうおわかりですね。このように一緒に皆さんに振り付けをやっていただきます。でも皆さんにやっていただけるかちょっと不安なので、そうですねー、今夜客席で一番目立ったお客さんに練習していただきましょう。はい、そこのネクタイを頭に巻いているお客さん、一緒にやってください。はい、Yと言ったら?」。これによってネクタイを頭に巻いたお客さんは喜んで練習に参加してきます。これを見たお客さん全員は超笑顔全開です。「いえーい!ネクタイのお客さんに拍手ー!じゃあ、曲を始めましょう。聴いてください」・・・で、曲スタートです。
振り付けは客席が一体となれるテクニックのひとつで、しかもこのように振り付けの説明までをもステージングにしてしまえるようになることが大事です。客席を自由自在に操れるのは何も有名バンドだからできることではありません。誰が観ても楽しくなるようなライブの仕方をしていくことが大事なのです。
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||||| せっかくですので「YMCA」の関連映像も! |||||
▼西城秀樹 「ヤングマン」
※懐かしい映像をちょっとだけご覧下さい!
■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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▼「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
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□■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?
■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
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■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
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