オペラ座の夜ACT24 「新シーズン②」
PRESENTED by TSUTOMU SHIMOGUCHI
更新日09.05.07 コメント:0件 トラックバック:0件
夏日のような日もあれば冬のように冷たい風が吹く昨今、いかがおすごしでしょうか。本来であれば一年で一番過ごしやすい新緑の5月を迎えていることでしょう。みなさまのまわりはいかがでしょうか。
今月のオペラ座の夜は前回に引き続き
新シーズンのお話をさせていただきます。
■この頃になってくるとイタリア各都市を除いてほとんどの劇場が新シーズン=2009-2010の予定を発表しているはずです。ウィーン、パリ、ベルリン、ミュンヘン、ニューヨークなどHPを見ながら旅の計画を立ててみるのもおつなもの。今年が半分以上残っている今日この頃に来年の予定を組むなんてことも可能。
良い旅行のためには先手必勝。自分の好きな演目があったらそれにあわせてスケジュールを公私共に組んでいけば夢の時間を過ごせるはず。そんな先の予定なんかわからない、という声も聞こえるが逆の発想をすればいいのです。先にオペラの予定を決めて他のスケジュールを調整していけばいいのです。
海外でオペラを観る最大の魅力は本場の雰囲気、そして旅行という非日常の中に組み込まれるので劇場に集中しやすくなる。やはり日常で観にいくと仕事が終わらないので開演時間が気になったり翌日が心配になり遅い時間まで感想を言いながら食事を楽しむ、なんてこともしにくいのが実情。でも旅行中であればコントロールできるのです。昼間観光したあとホテルで昼寝をしてから観劇に出かける。終演後は遅くまで開いているレストランで翌日を気にせず食事なんておつなものだと思うのだが。しかもチケット代は日本における引越公演に比べると信じられないくらい安い金額で楽しめたりする。
それでもやはり旅行は難しいという人は
日本のオペラハウス、新国立劇場に
足を運んでみましょう。
■高い席でも2万円台。安い席なら1500円ほどで観ることができる。2009-2010シーズンの後半は今年の3~4月に上演されたワーグナーの一大叙事詩「ニーベルングの指環」の後半「ジークフリート」となる。映画「ロード・オブ・ザ・リング」にも影響を与えた指環をめぐるお話。英雄ジークフリートが大蛇を倒してワルキューレであった女性、ブリュンヒルデに出会うまでの物語。新国立劇場ではキース・ウォーナーという英国の鬼才が手掛けたポップで現代的な演出が見どころになる。
3月には完結篇「神々の黄昏」が登場する。
ドイツ文学でおなじみの「ニーベルンゲンの歌」を下敷きにするこの作品で世界の滅亡、新しい人類?!の誕生を予感させる壮大な物語。
ここまで観ればあなたも胸いっぱいになるはず。ただ神話を期待するとこの上演は期待を裏切られるだろう。あくまで現代的に仕上げた舞台、というのを頭に入れ柔軟な気持ちで観劇することをお勧めする。ちなみにこのプロダクション、今回の再演が最後の上演になるという噂もあります。
2010年4月はラブコメディ「愛の妙薬」が新制作で登場。
純真な青年ネモリーノが聡明な女性アディーナに恋したことで巻き起こるどたばた劇。この作品の中にはオペラの中のキラーチューン「人知れぬ涙」など聞きどころがいっぱいだ。オペラにおける笑いを堪能するのも悪くない。
続いて5月は対照的な「影のない女」。
モーツァルトの「魔笛」をベースにした神話ともいえるが作曲家であるシュトラウスの重厚かつ巨大なサウンドを満喫できるだろう。ただ指揮者で予定されている若杉氏の体調は不安な材料。今シーズンも予定をキャンセルしているのでどうなるかが注目される。
6月は超名作「カルメン」。
ファム・ファタール=男を破滅させる悪女、カルメンのドラマだがグレイテスト・ヒッツのように有名な旋律が並べられている。カルメンを観たことないという方も知っている曲が続出することに驚くだろう。入門にもぴったり。またオペラらしいドロドロした韓国ドラマのような展開も見逃せない。
そして2010年6月に上演される
シーズン最後のオペラは「鹿鳴館」。
三島由紀夫の原作のオペラ化でなんと世界初演。芸術監督である若杉氏が最後に送る、そして指揮をする(予定)の作品。世界初演ということもあり情報はほとんどないが真っ白な作品を観るというのが最高の楽しみだ。演出は新国立劇場の演劇芸術監督でもある鵜山仁。まさに新国立劇場の力を結集して制作されるはずだ。歴史に立ち会う気持ちで観劇するのがいいかもしれない。
ということで2回にわたり紹介した
新国立劇場の200-2010シーズン。
気になる演目はあったでしょうか。
ぜひ劇場という空間でリフレッシュしてください。
■P R O F I L E ___________________________________________
■下口 努(しもぐち つとむ)
1966年 東京生まれ
映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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▼新国立劇場Website▼
http://www.nntt.jac.go.jp/
||||| REFERENCE★DVD |||||
▼『ニーベルングの指環』 全曲
レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場、他
演出:オットー・シェンク(5.1chサラウンド)

▼『ジークフリート』全曲
シェロー演出、ブーレーズ&バイロイト、ユング、
ツェドニク、ジョーンズ、他(1980ステレオ)(2DVD)(日本語字幕付)

▼『神々の黄昏』全曲 キルヒナー演出、
レヴァイン&バイロイト、ポラスキ、シュミット、
他(1997ステレオ)(2DVD)

▼歌劇『愛の妙薬』全曲
シェンク演出、エシュヴェ&ウィーン国立歌劇場管、
ヴィラゾン、ネトレプコ

▼『影のない女』全曲
ゲッツ・フリードリヒ(演出)、
ショルティ&ウィーン・フィル(1992ステレオ)(DVD)

▼『カルメン』全曲 ゼッフィレッリ演出、
クライバー&ウィーン国立歌劇場、
オブラスツォワ、ドミンゴ、他(1978ステレオ)(特別価格限定盤)

▼▽▼ 「オペラ座の夜」BACK NUMBER ▼▽▼
ACT23 「新シーズン」
ACT22 「家でオペラ」
ACT21 「本場でオペラ②」
ACT20 「本場でオペラ①」
ACT19 「いい席で観たい!」
ACT18 「ト書きって何?」
ACT17 「新国立劇場、今シーズンの演目!」
ACT16 「クラシックな夏フェス」
ACT15 「ば・ロック」
ACT14 「オペラなファッション」
ACT13 「亜細亜で歌劇」
ACT12 「夏はオペラ」
ACT11 「オペラと現代」
ACT10 「オペラと映画」
ACT09 「オペラの御作法 拍手篇」
ACT08 「オペラのシーズン」
ACT07 「オペラとスキャンダル」
ACT06 「夏もオペラ②」
ACT05 「夏もオペラ①」
ACT04 「伝統か?革新か?」
ACT03 「芸術?!入門」
ACT02 「税金はどこへ行く?!」
ACT01 「オペラは敷居が高い?!」
■□■ YOU-NEXT PHOTO SLIDESHOW ■□■
「オペラのある風景」 PHOTO by TSUTOMU SHIMOGUCHI
||| BOOK★WORM |||||
▼「あなたが必要!」と思われる人の共通点
※どうしたら、誰かの「必要な人」になれるのか。ダメな人、いらない人なんてどこにもいない。「島耕作」シリーズの作者から、やさしくアドバイス。人から「必要とされる」生き方を説く1冊。
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※二酸化炭素では「温暖化」しない。科学者、政治家、官僚、マスコミに騙されるな。人類は生き残るために何をするべきか。隠されたデータが予言する、人類を待つ本当の恐怖。
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