「パフォーマンスの壺」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻。」
PRESENTED by HIROO SATO

更新日09.05.13 コメント:0件 トラックバック:0件


「パフォーマンスの壷」 第20回

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めでたく今回で20回目にもなりました。

- 人の技みて我が技増やせの巻。 -
jimihen1.jpg■これまでライブのステージングについて多くを書いてきましたが、あまり感心を持たなかったという方も多いかもしれません。何しろ、一切しゃべらず、地味な服を着て少しも動かずに演奏しているのにかっこいいというミュージシャンは多くいますし、それに憧れてバンドをやられている方々にしてみたらステージでのパフォーマンスは必ずしも必要とは思わないからです。
もちろん音楽をやっているわけですから演奏する以外のことはすべて余計なものと考えても間違いではありません。

zappimage1.jpgそれだけでなく、お客さんのほうにもパフォーマンスはいらないからまじめに演奏だけを聴きたいとおっしゃる方もいます。でも難しいもので、たとえば化学が苦手な人にいくら「化学は楽しいぞ」と熱弁したところで興味を持って聞いてはくれません。ところがテレビでおなじみのでんじろう先生でしたか、ああいう風に楽しくやってくれると「へー、面白いなあ」と見てしまうのです。これを考えるときに、あなたがライブをするときに、あなたの音楽が大好きでしょうがないというお客さんだけが集っているのならば、化学の授業が好きで熱心に授業を受けている生徒さんと同じ。しかし、「次の授業は化学か。つまらないから寝ちゃおう」という生徒さんも出てきてしまうのです。

というわけで化学が好きでない方に興味を持ってもらうにはどうしたらいいのかということと、自分たちの音楽に興味を持ってもらうことは案外近いかもしれません。もしも、ライブの日に集ったお客さんがファンの方以外もいて、さらにあなたがそれらのお客さんにも「楽しかったです」と言ってもらいたいと考えるのであれば、やはりこの「パフォーマンスの壺」を参考にしてもらえればと思うのです。

さて、今回は
超簡単に盛り上げることができる
パフォーマンスの仕方です。

kiss3s.jpg口から火を吹いたり、ギターを割ったり、KISSのようなメイクをするのもありはありですが、それはそれで大変ですし、なによりバンドのカラーに合わないケースがほとんどでしょう。ですので誰もができそうなものを取り上げてみましょう。

まずはギター。

かっこよくギターソロを弾いているときは気持ちが良いものです。しかし、人によってはギターソロに何の関心も持たない方もいます。ソロはいいから早く歌にならないかなあという人もいます。歌っているのがアイドルだったらなおさらですよね。こういう方々にはどんなに上手にソロを弾いても効果はありません。そこで「盛り上がらないな」と感じたらギターを頭の後ろに持っていき、弾くのです。これ、よくやっているミュージシャンがいますが、これは私の知る限りではT-BONE WALKERというブルースマンがやったのが代々受け継がれているのではないかと思います。

TBornWalker1.jpgさすがに頭の後ろで弾くのは難しいですよね。でもうまく弾けなくてもいいのです。普通の位置でうまく弾いても客席の反応が無いのですからここはパフォーマンスでいいのです。うまく弾けたらそれに越したことはありませんが。
ちなみに私の場合はギターを頭の後ろに持っていって「イエーイ!」とか反応があってもただ構えただけにしてしばらくしたらギターを下ろすと言う作戦をたまに使用します。こうすることにより「弾かないんじゃん!」って笑いが取れたりしますので。椅子の上に立って弾くと見せかけて弾かないというパターンもあります。もちろん、笑いはいらないのであれば、そんな必要はありません。

これをベースでやるのも効果的です。

ushakoda1.jpgベースソロなどは聴いている人がベーシスト、もしくはベースに興味がある人でなければそれほどうけるものではないからです。
ちなみにウシャコダのベーシスト、恵福浩司さんはウッドベースを重量挙げのように持ち上げて弾きます。さすがに初めて見る人は大喜び状態です。

キーボードでもこれに匹敵する大技が存在します。

emerson1.jpgオルガンなど音の伸びる音を使用しているときにしかできませんが、ソロになったら1音がずっと鳴り続けてもおかしくない音を選び、その鍵盤をガムテープで留めるのです。こうすることにより、キーボードに触れていないにも関わらず、音は出ています。慣れた人はガムテープの存在を客席にアピールしてから貼り、鍵盤から手を放し、大げさに鍵盤にパワーを送っているかのようなそぶりを見せたり、ジミヘンが目隠しして弾いているようなポーズを決めたりします。もちろん、踊ってもいいですし、いくらでも方法はあります。

ドラムでは・・・、

airdrum.jpg伝統的な技としてはハナ肇さんが、ドラムソロのときに叩く場所を徐々にドラムから床へ変えて、そのまま床を叩きながらボーカルの位置まで来て、マイクスタンドを叩いて最後に「お呼びでない」というまさに伝説化したソロがあります。手数王と呼ばれる菅沼孝三さんなどは腹話術ソロのようなことをされています。叩いたと見せかけて叩いておらず、違うタムの音を鳴らしたりするのです。さらにいっこく堂という方がやっておられる後からしゃべりが聴こえてくる技があるのですが、あれをドラムでやります。叩くと見せかけたシンバルやタムが叩いたと思ったら叩いておらずそのあとにもう一方の手で遅れて叩くという神業をスーパー手数でこなします。加藤茶さんはドラムソロをするとタムが取れたり、シンバルが下がったりするという曲芸をしていました。これらは神の領域ですからなかなかうまくできはしません。

誰もができそうな簡単な例があります。
ブルースドラマーの中山さちやさんはドラムソロをしばらく行った後にバスドラを踏みながら風船を膨らませ客席に飛ばすほか多くの技を使用し盛り上げています。

さてこのようにボーカリストでなくてもいくらでも盛り上げる方法はあるのです。
しかも、お笑いっぽくやらないでおけばそれはそれでかっこいいままでいられます。前述したように化学が好きになるきっかけは先生次第かもしれません。音楽もみんな好みが違いますが、やり方次第では「あのバンドは面白い」と興味を持ってもらえるかも。ライブのソロでどんなメロディを弾いたかなんてほとんど誰の記憶にも残りません。しかし、「あんなパフォーマンスをしたんだよ」という記憶は残ります。しかも人に伝えたくもなるのです。

考えてみれば、音楽以外でも
    記憶に残るバンドは山ほどいます。

THE WHOはドラムセットを壊したり(X-JAPANもやってますね)、ジミヘンはギターを燃やしたり、リッチー・ブラックモアはギターを壊したり、バディ・ガイは何十メートルものシールドを使用し、客席を練り歩きます、スペクトラムはギターが回転しましたっけ...。楽器を壊すのはオススメしませんが、結果的にはお客さんを意識しているからのパフォーマンスには違いありません。だからといって、決して音楽そのものには悪い影響は与えてこなかったわけです。

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客席を意識したライブをし、そして最終的にはあなたがやっている音楽そのものも好きになってもらう。そうです。ライブを盛り上げるのは決して演奏だけには限らないのです。誘われたから付き合いでライブに来てもらうのと、楽しいからと来てくれるのとではまったく違います。見知らぬお客さんが来てくれるようになるかもしれません。いろんな人がそれぞれいろんなパフォーマンスの技を持っています。しかしこれは専売特許ではありません。

人の技見て、我が技増やせ。
  これ案外てっとりばやい方法なのです。
    ぜひ実践してみてくださいませ。

||| RELATED★IMAGES |||||

▼渋すぎる「T-Born Walker」のパフォーマンス!

※こうして改めて観てみると、演奏内容はもちろんですが、魅せるアーティストとしての存在感も凄い!

▼The Whoのドラマー「Keith Moon」、壮絶ドラム破壊シーン?!

※ドラムを壊す行為自体は確かにいかがなものかと思いますが、鬼才キース・ムーンの有り余るエネルギーと情熱が伝わってきます。

▼ついでと言っては何ですが、続けて懐かしいこの1曲を!

※この曲はアメリカの人気ドラマ「CSI:ニューヨーク」のテーマ曲にもなっていますね。前にもご紹介しましたが、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは大のThe Whoファンで、他のCSIシリーズでもThe Whoの曲をテーマ曲に使っているほど。

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||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」

第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 

1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
ROOSTER本店はこちらから
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「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
        http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html

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      □■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
      

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★ここでちょっと注目!「YOU-NEXT編集長ZAKK」より★

DuaneAllmans1.jpg荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?

■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
      http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html
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▼▽▼ ANNEX CORNER ▼▽▼

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||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||

■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。

▼PART-1

▼PART-2

▼PART-3

ギター・コード早見表サイト

||||| ブルース関連の映画ではこの2本がお奨め |||||

クロスロード-Crossroads (1986年:ウォルター・ヒル監督)
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※「ストリート・オブ・ファイヤー」で"ロックン・ロールの寓話"を描いたW・ヒルが、今度は"ブルースの寓話"に挑んだ青春音楽映画。幻の名曲を求めて旅するブルース・ギタリスト志望の青年。彼は道中、ハーモニカ吹きの老黒人と家出娘と出会う。やがて老黒人から悪魔と契約を交わす事ができる伝説の"クロスロード"の存在を知らされる......。

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