オンガクの正体♯16
「清志郎、本当に本当にありがとう!」
~いちファンとしては感謝の言葉しかありません。~
PRESENTED bY JOHJI HARIMURA
更新日09.06.16 コメント:0件 トラックバック:0件
先月の5月2日、我々の世代にとってはあまりにも大きく、そして、悲しいお別れが突然やって来てしまいました。「次の駅で降りてしまい、30分泣いた」人も多かったはずです。日本の有名なソウルマン、忌野清志郎さんが、癌性リンパ管症のため、永眠されました。58歳でした。
今回も前回に続いて、「音源にまつわるビートルズの楽しみ方 パート2」をお送りしようと思っていましたが、予定を変更して、忌野清志郎さんとRCサクセションの音楽の想い出を、感謝の気持ちと共に綴ってみたいと思います。
■清志郎の音楽との最初の出会いは、自分が中学生の時でした。姉が友達に録音してもらったカセットテープの「EPLP」で初めて、RCサクセションを聴きました。当時としては、かなり衝撃的なビジュアルよりも、そのユニークな歌声が、清志郎初体験だったと思います。あんなボーカルを聴くのは生まれて初めてでしたが、「トランジスタ・ラジオ」「雨あがりの夜空に」「ステップ」といった曲がとても気に入り、結局、その姉のカセットは、いつの間にか自分の物になっていました。
大ヒットした「い・け・な・いルージュ・マジック」のシングル・リリースを調べたところ、1982年2月14日だったので、RCとの出会いはたぶん、この1年だか半年前のことだと思います。同じ頃、中学の仲間うちでも、やはりRCを気に入ったサッカー部の友達がいたのですが、人気絶頂だったYMO 坂本龍一とのコラボレーション・シングル「い・け・な・いルージュ・マジック」が大ヒットした時、彼が「これでRCがすごい人気になっちゃうぜ」と、少しがっかりしたように話していたことを思い出します。ちなみにその友達は、当時、力士の鷲羽山の大ファンで、その鷲羽山と清志郎の誕生日が同じだとわかった時は、なんだかとても重大な発見をしたかのように話してくれたことを思い出します。彼ら学校の仲間とは、クリスマスの武道館ライブや西武球場でのライブを一緒に観に行ったこともよい思い出で、コンサートの夜は、みんな、妙に興奮していたことを覚えています。
▼忌野清志郎 & 坂本龍一 い・け・な・い ルージュマジック
■その「ルージュ・マジック」の大ヒットを境に、RCは、テレビにもちょくちょく登場するようになりました。当時、テレビでの最大の事件といえば、「夜のヒット・スタジオ」での「ガム事件」でしょう。シングル「サマー・ツアー」発売のタイミングだったと思います。我らが清志郎は、放送本番中、歌っている途中でカメラに向かって、噛んでいたガムをプーッと吐き出したのです。テレビを観ていた僕らは「さすが!」くらいに思ったのですが、このシーンが、後に非難轟々で新聞の投書に載るはなんだで、ちょっとした事件になりました。
もうひとつ、テレビでのエピソードで印象に残っているのは、ティナ・ターナーが来日して「ミュージック・フェア」に出演した時のことです。日本のミュージシャンと共演する曲があって、確か、高中正義さんがギターを弾いて、清志郎がコーラスを務めたということがあったと思うのですが、その時、共演の感想を求められた清志郎の一言が奮っていました。「ダチに自慢できるぜ!」。後になって思いましたが、このオリジナリティーあふれる目線こそが、清志郎の書く詩の世界の最大の魅力だったのではないでしょうか。永遠の高校生のような、清志郎の詩の世界が大好きです。
■また、NHKで観ることができた、数々のライブも貴重なものでした。その時、幸運だったのは、仲のよい友達の家に「中村さんちのマックロード」が導入され、僕らは繰り返し、ビデオでそのライブを観ることができたことです。さらにうれしいことに、後に、彼の家には、最新鋭のレーザーディスク・プレイヤーも配備され、その友達は唯一のソフトとして、ストーンズの映画「Let's Spend the Night Together」を購入。こうして僕は、清志郎とミックの動きと、チャボとキースのプレイを、くまなく脳裏に焼き付けることができたのです(自分の実家ではとてもではないですが、そんな最新家電を導入するような経済的な余裕はありませんでした...)。先日、NHKで組まれた追悼番組では、当時、友達の家で繰り返し見たRCのライブ映像が流れていて、思わず、胸が熱くなりました。あのストーンズのセットを意識していたと思われる傾斜ステージ。ミックとキースみたいな、清志郎とチャボ。僕らはあの頃、RCサクセションが大好きだったんだ!とつくづく思いました。
RCの名曲「エンジェル」について、そのギター・プレイなどからも、僕らは当然、ストーンズの「アンジー」を重ねたりしていました。しかし、何かのインタビューで読んだ記憶があるのですが、清志郎は、「エンジェル」はビートルズの「アビー・ロード」に入っている「You Never Give Me Your Number」のコード進行をいただいたと教えてくれました。たぶん、この後、僕は「アビー・ロード」を買いに行った気がします。
▼エンジェル
思えば、オーティス・レディングの名曲「ドック・オブ・ザ・ベイ」を初めて耳にしたのも、RCの曲中でした。ご存知「Sweet Soul Music」のエンディングに使われていますよね。サンプリングの走りともいうべき手法でしょうか。オリジナルを聞いたときは、不思議な気持ちになって、えらく感動しました。後に、ソロとなった清志郎が、オーティスのバンドを務めたスティーヴ・クロッパーやドナルド・ダック・ダンたちとレコードを作ったり、ライブをやった時には、本当にびっくりしたものです。
こうして僕らは、清志郎とRCから、たくさんのことを学び、思い出を授かりました。そして、この世界をなんとか生きていく糧をいただいたようにも思います。残念ながら、忌野清志郎さんは、この世からは去ってしまったけれど、間違いなく、忌野清志郎さんの残した偉大な音楽とこの胸の想い出は、こうしてずっと生き続けています。手で触れることができるくらい確かなものとして。
■PROFILE
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■針村丈二<ハリムラ・ジョウジ>
大学卒業後6年間、TV制作会社に勤務した後、97年フランスW杯アジア最終予選の最中、某CS音楽チャンネルに移籍。番組ディレクター、プロデューサーを経て、現在、編成部所属。趣味は、読書、音楽鑑賞、スポーツ観戦と、いたって普通。この5月で40歳。前厄。一児の父。
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||||| 忌野清志郎さんを偲んで |||||
▼トランジスタラジオ
||||| 「オンガクの正体」BACK NUMBER |||||
♯15 「音源にまつわるビートルズの楽しみ方」
♯14 「恋する気持ちと音楽の関係」 -Part2-
♯13 「恋する気持ちと音楽の関係」 -Part1-
♯12 「MTV ロック検定のお話」
♯11 「ap bank fes'08」のミニ・レポート
♯10 「ロックTシャツのユーティリティ!?
♯09 「お気に入りの音楽、心に響く歌詞」
♯08 「あの頃の音楽体験」について
♯07 「70年代を駆け抜けた2冊の本から思うこと!」
♯06 「お気に入りのライブ・アルバム」
♯05 「ライブという音楽体験」
♯04 「ALL ABOUT FUJI ROCK!」
♯03 「心の音楽マスター」
♯02 「音楽をキャッチできる場所」
♯01 「天から降りてくる旋律をキャッチしていくこと」
||||| RELATED CD&DVD |||||
||| BOOK★WORM |||||
▼「建築家安藤忠雄」
※プロボクサーの夢破れ、独学で建築の道を志した。しかし仕事は何もない。他人の土地で勝手に構想を練り、設計図を描く日々...。建築で社会と闘い続けてきた男が、自らの激動の人生を綴った初の自伝。
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【寸法】W35×H36×D10cm
【素材】表/牛革、裏/綿
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~Eames Hang-It-All,1953~
イームズ夫妻は、1950年代に入ってから子供を対称にしたプロダクトを数多くデザインしています。このシンプルなコート掛け、「ハング・イット・オール」は1953年の作品。イームズ作品としては珍しくポップで、子供っぽく見える色使いですが、カラフルなメープル材を塗装したボールの小さい方はジョージ・ネルソンのボールクロックと同じ、当時の最先端素材を使っています。また、ワイヤーはシェルチェアーなどのベースに使われているスチールワイヤーをペイントして応用するなど、洗練されたデザインを大胆に試みています。コート以外に好きなものを掛けて使えるのはもちろんですが、何もかけないでもオブジェとして楽しめるデザインです。
※素材:スチールワイヤー,メープル
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