「パフォーマンスの壺」
第23 回「お客さんが少ない時のライブ方法」
PRESENTED by HIROO SATO
更新日09.08.09 コメント:0件 トラックバック:0件
「パフォーマンスの壷」 第23回
- その23 『お客さんが少ない時のライブ方法』-
「せっかくのライブなのにお客さんが少ない!」そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?しかし、「お客さんが少ないから盛り上げにくいなあ」と嘆いてはいけません。そういう時にはそういう時なりのライブの方法があるのです。
今回はお客さんが少ない時は
どういうライブをしたらよいのかを書いてみます。
さて、お客さんが少ない状態をまず思い浮かべてみてください。たとえば100人入るライブハウスに10人しかいないとしましょう。こういう場合は出演者よりもまずお客さんのテンションが低いということを想定してライブを行います。ですので「今夜も盛り上がっていくぜー!」なんて最初から叫んだら、その後「しーん」とした空気が漂うのは想像できると思います。これは逆効果狙いとしてのテクニックでも使えますが、これはパフォーマンスの壺を心得ている人がやって成功する技ですので、まずは定石通りに行きましょう。
まずは次のように自分たちの気分を変えます。
「今日はガラガラだけど逆に緊張しないで演奏ができるぞ」と。前に書いたことがありますが大勢が見ていると緊張のあまり、普段の練習の成果が出にくいことがあるのです。しかし、空いていれば落ち着いて弾けるのです。まずは自分の気分をそのように落ち着かせてみます。
次に考えなくてはならないのは
お客さんの気持ちをどうコントロールしていくかです。
お客さんが大勢いるときは大勢へ向けてのトークをすると思いますが、これが少人数の時には少人数向けのトークへと変更する必要があるのです。どういうことかと言いますと、「みなさん今夜は思いっきり楽しんで下さーい!」って大声で大勢の前でいうのは自然でも、これがガラガラの状態で同じように大声で言っても反応が薄くなるわけです。つまり、満員と少人数では客席の反応が大きく違うわけです。わかりやすい例を書いてみましょう。
学校の教壇で一番後ろの生徒にも聞えるように「この問題わかる人手を挙げて!」って先生が大声でいったとします。生徒は「はーい!」ってみんなが反応している様子は思い浮かべやすいですよね。でも、生徒が最前列に5人しかいなかったとします。同じようなテンションで先生が大声で言うでしょうか?そうです。それぞれの生徒には小さな声でも十分聞えますので、普段話しかける時と同じような音量で話しかけるはずです。つまり、大勢の時は「はーい、わかる人いますかあ?」と大勢に投げかけるように質問しますが、5人しかいなければ、「えーと、これ山田君わかるかな」とその人の顔を見ながら話しかけていくわけです。
実は生徒も大勢の時よりも少人数の時のほうが先生は自分のことを気にするということがわかっていますので、後ろで寝るわけにはいきません。そうです。授業に集中せざるを得なくなるわけです。しかし、少人数のほうが授業に集中はするけれども大きな声で「はーい!」などとは答えません。生徒のほうも普通に先生に答えることになるのです。これって誰が教えたわけでもなく、人は自然にそういう音量で話すようになるわけです。会社の朝礼の時とテーブルにいる社員の前でのトークとでは話すテンションが違いますし、学校のサークルでも大勢の前で話すときと仲間内で話すときではあきらかに違うわけです。
ところが、ライブを慣れていないバンドはここを勘違いし、少ない人数でも大勢いるかのようなテンションで最初からトークをかましてしまいます。ライブだからこういう風にしなければならないと大間違いのステージを展開してしまうのです。こうなると客席との温度差が出てきてしまいます。盛り上げようとすればするほど会場は寂しい空気に包まれていきます。
...というわけでテンションを下げるというよりも、
スタートラインをお客様目線に合わせてライブを始め、
それから徐々にこっちのペースにはめていく方法が最適なのです。
■バックナンバーを読み返していただければおわかりいただけるのですが、まずはメンバー紹介です。そうです。大声で言わずに、それぞれのお客さんの顔を見ながら、「今夜はライブハウス○○にお越しいただきありがとうございます。じゃあ、最初に紹介しておきますね」っていう、いわゆるはじめましての挨拶くらいのテンションにしておきます。すぐに曲を始めてしまうのはよくありがちですが、「今日はまず場を和ませたほうが無難かもしれないな」と感じたら「自分たちはどんなバンドでこんな曲をやりますね」というところまで説明するのもありです。
後は、曲によってうまくMCしていけばいいのですが、お客さんに問いかける時は前述の先生のように「こんな体験した人いますかあ?」などと大声で言わないで、「そちらのお客さんはこんな体験したことありますか」とさりげなく、直接話しかけるようにします。これは最初にお客さんのテンションに自分たちが合わせてしまえば、楽なお客さんとの会話につながり、10人のお客さんはまるで最前列に5人しかいない生徒たちと同じようにライブに集中してくれます。
では少ない人数だと盛り上がらないのかというとそうではありません。5人でカラオケに行って大盛り上がりしちゃたという経験はおありでしょう。最初は「俺、歌うの後でいいよ、誰か先に歌ってくれる」みたいな空気だったのに2時間後には「延長お願いしまーす」なんて言っている。つまり、徐々に楽しくなっていくのです。ライブでステージにいるあなたはそれを先導する役割となります。最終的には「今日はお客さんが少なかったけどすっげー楽しかったなあ」というライブになればいいのです。
こういう風に状況に合わせたステージングをすることで
お客さんが入ろうが少なかろうがいつでも楽しいライブが
可能になるのです。ぜひ実践してみてくださいませ。
||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
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■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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▼「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html
□■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
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★ここでちょっと注目!ZAKKからのお知らせ★
荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。
日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?
■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html
||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||||| SELECTED★BLUES ARTIST |||||
ブルースを中心にいろんなミュージシャンのクリップを紹介!
今回は敬愛するこの女性ARTISTを・・・、
▼Bonnie Raitt - Too Long at the Fair -
※Bonnie Raitt(ボニー・レイット)のセカンド・アルバム「Give It Up」(1972年)に収録されている曲。
ボニー・レイットは日本では一般的にあまり知られていない感じですが(もちろん、熱狂的なファンはいますよ)、どこか人の心を惹きつけ、素朴でアーシーながら都会的な歌声は、聴く者の琴線に響くソウルに溢れています。そして本物のブルースを奏でる彼女のギターも素晴らしいの一語。特にスライド・ギターの名手で、世界中のブルース・ロック・ファンやギタリスト達から敬愛を集めているのも頷けます。10枚目のアルバム「NICK OF TIME」やブルースの大御所ジョン・リー・フーカーとのデュエットなどでグラミー賞に輝き、ロックの殿堂入りも果たしている実力派のブルースシンガー&ギタリストにしてシングライターなのです。時には力強く、時には非常に切なく響くその歌声は説得力があり魅力的です。そしてブルースギターが滅法うまい。ピッキング(ほとんどは指)、ボトルネックとも実に良い音を出します。
彼女がギターを抱えて歌う様はとにかくかっこいいですね。十代のうら若き女の子がブルースギタリスト(シンガー)だなんてとんでもないと親の反対にもめげず、ブルースにどっぷり浸かり、ミシシッピ・フレッド・マクダウェル、シッピー・ウォレス、ハウリン・ウルフ、ジョン・リー・フッカー、マディ・ウォーターなどの一流ブルースメンと親交を深め、ブルースのテクニック、ブルースの魂を直接彼らから学んでだきました。自分の進むべき道を信じそれに向かって突き進んだ生き様も筋金入りです。今年で60歳になりますが、現在、ブルース界の大御所Taj Mahal(タジ・マハール)と共に「The BonTaj Roulet Tour」と称して、元気いっぱいにアメリカ中を駆け巡るツアーをやっております。Bonnie Raittファンとしましては嬉しい限りであります。実は、彼女はまだ日本でコンサートをやったことがありません。個人的にも、近いうちに是非とも日本でライブをやって欲しいと切に願うアーティストです。
★BONNIE RAITT Official Website
http://www.bonnieraitt.com/
▼Taj Mahal Official Website
http://www.tajblues.com/
▼The BonTaj Roulet TourのWebsite
http://bontaj.com/tour-dates.aspx
||||| Recommended Album |||||
独断と偏見の極みを承知の上で、敢えて、皆さんに是非とも聴いて頂きたいアルバムを紹介します。
かのスーパー兄弟「The Brecker Brothers」のアルバムを紹介します。彼らの作品の中でも特にロック色の強いフュージョン・アルバム「Heavy Metal Be-Bop」です。
▼『ヘヴィ・メタル・ビ・バップ』<完全生産限定盤>

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■通算5枚目のアルバムにあたるこの「Heavy Metal Be-Bop」は捨て曲が1曲もなく、どれもが個性的でファンキー、ブルース、バラードなど多様性もあるのでまず飽きません。完成度の高さは言うまでもありませんしエモーショナルな部分でも彼らの鬼気迫る感情が怒涛のように押し寄せてくる感じがします。硬派というか極上の硬質感というか・・・、本当に他には聴くことのできない「これぞ!鋼のクロスオーバー」です。間違いなく「名盤」と呼ぶに相応しいアルバムです。
※フュージョンの代名詞ブレッカー・ブラザーズの伝説的名盤(1978年)。
サックス&トランペットにエフェクターやワウをかけたりテリー・ボジオの鬼気迫るドラムなど終始ハイテンションなプレイが展開され、ビ・バップを現代風に解釈したというよりプログレッシヴ・ロックをも感じさせるライヴ録音。ボジオの名演でジャズ・フュージョン・ファン以上にロック・ファンにも人気が高い大傑作(by Tower Records)
||||| BOOK★WORM |||||
▼「マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップ1958-2009」
※マイケル・ジャクソンの生涯を完全網羅したフォトバイオグラフィー。
マイケルのこれ以上ない波瀾万丈の人生を、客観的に、詳しく伝える。独占秘蔵写真151点、貴重な「スリラー」メイキングシーンも掲載。
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