オペラ座の夜ACT28 「歌劇場はラグジュアリー??①」
PRESENTED by TSUTOMU SHIMOGUCHI

更新日09.08.31 コメント:0件 トラックバック:0件


||||| オペラ座の夜ACT28「歌劇場はラグジュアリー??①」 |||||

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今年の夏、皆様はどう過ごされたでしょうか。私は欧州に行く機会に恵まれた。

ssb13ps.jpgきっかけは昨年の11月。ある一通の封筒が私の手元に届いたのである。送り主はバイロイト音楽祭13年前に申し込みだしていらい12月に薄っぺらい外れのお知らせが届くのが常だった。それがついにチケットが取れたから料金を振り込め、という内容の手紙が届いたのだ。2年前に行った時はワーグナー協会の枠。会員の私一人で行ったのだ。しかし今回は自分でこつこつ送り続けたもの。チケットも2枚配券された。つまり今回は夫婦揃ってバイロイトへ行くことができる。

早速ホテルと飛行機の予約をいれ他の音楽祭の日程が発表されるのを待った。妻が行くということで、せっかく欧州に行くということで他も周遊することになった。オペラを見ながら英国式庭園の散歩ができるグラインドボーンが候補となる。
無事休暇など日程調整も済み晴れて夏の欧州旅行が決定。

Bayreut1ps.jpg■まず訪れたのはドイツ、バイエルン州の北、バイロイトで行われる音楽祭、バイロイト音楽祭。作曲家ワーグナー自身が自らの作品を上演するために創設した由緒正しき音楽祭だ。
ここではワーグナーの作品だけが毎年7月下旬から8月下旬までの一ヶ月間で5~7演目ほど上演される。
この音楽祭のチケットを普通に取るには先ほど記したように10年以上待たなくてはならないというのは世界中に熱狂的なファンを抱えるこの作曲家ならでは。これだけ待たされれば最高のワーグナー作品の上演に出会えると思うのが人の常。気合を入れてバイロイトに詣でるのだ。

RichardWagnerps.jpgこの劇場は世界的に見ても特殊。会場は基本的に木で作られ非常によくそして暖かく響く。オーケストラが演奏する場所、オーケストラピットは蓋がされワーグナー特有の大音量が抑えられ歌手には優しい配慮が行われている。
そうした良い点もあるのだがこの劇場が作られたのは19世紀。その時代の劇場を保存しているので客席は大して改装していない。簡単に言うと空調がないのだ。地球温暖化が叫ばれて久しい昨今、冷房のない、換気がほとんどない劇場に観客は閉じ込められる。しかも席間は狭く屈強なドイツ人でははみ出てしまうのはわかりきったこと。普通に座ると前の席の背もたれが自分のひざとぶつかってしまう。人を通すためには席を立つ意外方法がないのだ。しかもワーグナーは自分のオペラが長いため居眠りするのを避ける為に座席にクッションなどつけなかった。ごつごつした木の硬い椅子に座るのである。こうした環境の中ワーグナーの5~6時間に及び体側を体感するという作業は観劇というより苦行といわれるほど

■実際私が観劇した「ジークフリート」の3幕では老人が2,3名途中担ぎ出されることも起こった。舞台上は平然と進行しているのに客席の一部の人達が急に立ち上がりガサガサとした音とともに病人が担ぎ出される姿はなんともいえない光景だ。決してラグジュアリーとはいえない劇場でもある。

P1040890ps.jpgそれでも1時間に及ぶ幕間にレストランで食事したり近くの公園でピクニックするためにバスケットが予約できたりする。ゆったりと観劇するためにといろいろなものが用意されている。晴れた欧州の夕暮れ時に乾燥した心地よい風で火照りを取りながらピクニック・バスケットを広げるというのはなかなかラグジュアリーなイベントでもある。バイロイトという街は都会から適度に離れたドイツの緑豊かな場所。オペラは16時開演なのでオペラ中心の生活になる。

JohnChristie.jpgこの雰囲気に感銘を受けたのが英国貴族、ジョン・クリスティーグラインドボーン音楽祭の創始者だ。
こうした要素を一層洗練させ英国人達の生活にあわせ実現させたのがグラインドボーン音楽祭。「神々の黄昏」でバイロイト詣でを終えた私たちは翌日英国へフライト。同じオペラ中心の生活ながらとても過ごしやすいラグジュアリーな雰囲気を満喫できるそのグラインドボーンを訪れた。

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||||| EXTERNAL★LINKS |||||
▼Bayreuther Festspiele(公式サイト)
http://www.festspiele-bayreuth.de/
▼Glyndebourne Website
http://www.glyndebourne.com/

||||| RELATED★WORK |||||
▼『ニーベルングの指環』全曲 クプファー演出
バレンボイム&バイロイト(1991、92ステレオ:7DVD)
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※近未来的でスタイリッシュなデザインによるクプファー演出が話題となった公演ですが、DVD化であらためて注目されるのが、パワフルでドラマティックなバレンボイムの指揮。テンポを思い切って動かした、メリハリのある、雄弁かつ重厚なその演奏は、バレンボイムが現代きってのワーグナー指揮者であることを物語る素晴らしいものです。画質、音質のクオリティの高さも大きなポイントです。

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下口 努(しもぐち つとむ)
opeashimoima.jpg1966年東京生まれ。映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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■□■ 「Pictures Of Bayreuth」 Slideshow■□■
       PHOTO by TSUTOMU SHIMOGUCHI

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cttopaboutps.jpg▼新国立劇場Website▼
http://www.nntt.jac.go.jp/

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