「パフォーマンスの壺」
第24 回「うかつなことは言わないほうがいいぞの巻」
PRESENTED by HIROO SATO

更新日09.09.14 コメント:0件 トラックバック:0件


        「パフォーマンスの壷」第24回
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★以前、「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」について書きました。
「今夜は俺たちのライブに来てくれてありがとう!今日は客席に俺の知り合いが多いねー。じゃあ新曲やります!」なんとこのすべてがNGワードなのですが、それについては読み返していただくとしまして、今回は良かれと思って言ったMCに案外落とし穴があるということをもう少し掘り下げてみたいと思います。

- うかつなことは言わないほうがいいぞの巻 -
milesosters.jpg■さて、ライブ当日、「なんかMCの話題がないかな」とニュースを見たり、新聞を広げたりした経験がある方もいるのではないでしょうか?
これは会社の朝礼の挨拶なんかのときも同じかもしれませんね。その日のニュースや話題の出来事などはステージで話すとみんなが共有できますので、ちょっとしたトークをするときには良いのです。ところが、ニュースのネタでも避けたい話題は案外あります。たとえば、政治・宗教・景気などはその代表例です。
政治や宗教については人それぞれですので、ステージでは全員の共感を得ることはまず不可能です。さらに景気については、せっかくライブを楽しみに来ているのに現実に引き戻されたかのような気分にさせられてしまうかもしれません。いずれも言い方次第な部分はあるのですが、言い方がいろいろあるように取り方も人それぞれ違います。ですので、たとえMCに困った場面でも「そういえば、今朝のニュースで...」などとうかつに切り出さないようにしましょう。

■それと、これなら平気だと思っていたのがNGの場合もあります。
たとえばあなたのバンドのメンバーに髪の薄い人がいたとします。それをうけるかもしれないぞと「彼は髪が薄くなるほど練習してきました!」と言ってはならないのです。なぜなら、客席には薄毛を気にしているお客さんがいないとも限らないからです。その日のライブが思いっきり和んでいる雰囲気であればぎりぎりセーフかもしれませんが、基本的には客席に気を配るようにしておきたいものです。お客さん全員にわかるMCをすることは大変良いことなのですが、こうしたたぐいの話題はなるべく避けましょう。

■ではこれならば大丈夫という範囲の話題でも順序を間違うとまったく大丈夫ではなくなりますので注意が必要です。
...と言いますのも前回のライブに来たお客さんにしかわからない、もしくはよく来ていなければわからないMCをするバンドが世の中には意外と多いからです。たとえば前回のライブの打ち上げで飲みすぎたメンバーがいるとします。客席の半数以上のお客さんがそれを知っているのです。ゆえにライブ中にボーカルの人が、面白がってメンバー紹介で「酔っ払い」とステージで呼んだのです。これにより半数のお客さんが打ち上げでのことを思い出し、大笑いしたとします。半数ものお客さんが大笑いしているのでボーカルもメンバーも上機嫌です。

ところが、ここが落とし穴。

johncoltranePosters.jpgそれを言った瞬間に、残る半数は「なんでみんな大笑いしているの?」と付いていけない状態になっているわけです。さて、「では言ってはいけないことだらけじゃないか!」と思うのは早とちりです。「酔っ払い」と紹介していけないわけでなく、「酔っ払い」で笑いを取りたいのならば、順序があるのです。たとえば、「私たちのバンドはメンバーみんなお酒が大好きで、ライブが終わるといつも飲んでしまうんです。でも至って紳士ですよ。ですが、ひとりだけ飲みすぎると突然ある動物のものまねをしはじめるメンバーがいるんです。紹介しましょうオンギター、イグアナ山田!」という具合ならば、そののちギターソロで酔っ払い!って紹介してもイグアナ!と紹介しても大丈夫。つまり、半分のお客さんにだけうけたいのか全員にうけたいのか?これは配慮次第で大きく変わるというわけです。

■打ち上げの話をしてしまった以上は、その日に出演しているライブハウスへの配慮についても書く必要があります。
そのライブハウスで打ち上げをするのか、または移動するのかによってMCが変わるのです。もしもそのライブハウスがライブ後にバーにでもなるような場所で、そこに残って飲んでいく場合、ステージ上からは「我々は今夜もここで飲んでいきますので、イグアナをご覧になりたいお客様、もしくはイグアナなら私のほうがうまいというお客様はぜひ一緒に飲みましょう」と言うことができます。

jimihnedPosters.jpgしかし、そのライブハウスがライブ後にバーにならない場合の打ち上げは場所を移動するわけです。この際は「ぜひ一緒に」に加え、「場所はメンバーに聞いてみてください」くらいにしておくべきです。詳しい場所の説明は打ち上げに参加する人が知りたいのであって、全員ではないからです。ですので場所の説明までは避けましょう。普通はステージ上ではお店への配慮などはあるものですが、アマチュアバンドには案外、これができないバンドが多く、その店がバー営業もあるのに平気で、他店でやる打ち上げの誘いをステージ上から言ってしまったりしています。
もっとひどい時になると、この後に対バンの演奏があるにもかかわらず、「今日はありがとー!じゃー、居酒屋○○に行くぜー!」なんてMCをするツワモノを都内のライブハウスで見たことがあります。言った側は気がついていないでしょうが、ライブハウス側はこう感じています。「このバンドはうちのライブハウスに思い入れはないんだな」と。というわけで、盛り上げようと思って言ったMCによって、どんどんお客さんやライブハウスのスタッフを遠ざけてしまっている危険性があるのです。

elvisp1Posters.jpg■こういうことを考えてライブをしてこられた方はまったくNGワードを言わずにライブを盛り上げていくことができています。さらにMCの達人クラスになるとNGワードを逆手にとってライブハウススタッフをわざと一瞬困らせてみたりします。「ライブの後はすごくおいしいお酒を出すお店があるので皆さん一緒にいかがですか?」とMCして一瞬、スタッフをあせらせておいて、「あ、新幹線で2時間かかるところですけど、みなさん、どうします?」と笑いをとります。で、「あー、今日中に帰って来られないですし、このお店で飲むことにしますか」と言うのです。ところがその結果は?そうです。普段よりも多くのお客様をバータイムまで引き止めてしまったのです。これぞスーパーMCテクニックです。

★ここで書きたかったのは、ライブ後に飲んで行かせる必要があるかどうかではなく、MCというのはこんなにも客席をコントロールできるのだということを知っていただきたいということです。
こういうMCの達人を私は当店で毎晩のように見ているので、また面白いMCを紹介していこうと思います。

それではまたー。

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 

1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
        http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html

      □■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
        

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      ★ここでちょっと注目!ZAKKからのお知らせ★
Howlingmuddy.jpg荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。
日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?

   ■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
         http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html

||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1

▼PART-2

▼PART-3

||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」

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||||| SELECTED★IMAGE |||||
今回は、可愛らしくも凄腕の女性ベーシスト「Tal Wilkenfeld」(タル・ウィルケンフェルド)を紹介します。2009年2月、ジェフ・ベックのメンバーとして来日し、その素晴らしいプレイを披露したのは記憶に新しいところですね。

▼Tal Wilkenfeld - Serendipity

talwinkenfeld1.jpg※タル・ウィルケンフェルドは1986年生まれ。オーストラリア・シドニー出身。ジャズ、フュージョン系のベーシスト。14歳の時にギターを始める。その後高校を中退しオーストラリアからロサンゼルスに移住。アメリカに渡った当初はギタリストとしてのトレーニングを受けていたのですが、17歳の時にベーシストに転向。影響を受けたベーシストとして、ジャコ・パストリアスアンソニー・ジャクソンの名を挙げています。ジェフ・ベックのメンバーになる以前も、チック・コリア、ヴィニー・カリウタ、ハイラム・ブロック、スティーヴ・ヴァイ、オールマン・ブラザーズ・バンドなどと共演していました。キュートなルックスと確かなテクニック&スキル、洗練されたプレイスタイルで観たものに強烈なインパクトを与えます。これからますます楽しみな「BASS QUEEN」ではいでしょうか!?
▼Tal Wilkenfeld Official Website
http://www.talwilkenfeld.com/

▼因みに彼女のリーダーアルバムは「Transformation」

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※過去のHMV レビュー
jeff&tal1.jpgオーストラリア、シドニー出身でアメリカ在住のベーシストTal Wilkenfeldはこれまでチック・コリア、ハイラム・ブロック、オールマン・ブラザーズ・バンド、ヴィニー・カリウタ、ラッセル・フェランテなどと共演。本作がデビュー作となりますが、ベース歴は未だ4年というには信じがたいプレイを披露。作曲、アレンジ、プロデュースも担当し類稀なる才能をも覗かせています。既にサドゥウスキー・ギターのエンドース契約を結んでいるとの事でジャケも同社のジャズ・ベース・タイプを抱え使用している事がわかります。更に何とジェフ・ベックの2007年ツアーに抜擢され、今後の活躍が見逃せないまさに天才美少女ベーシストの誕生です。

||||| Recommended Album |||||
独断と偏見の極みを承知の上で、敢えて、皆さんに是非とも聴いて頂きたいアルバムを紹介します。
▼『Johnny Winter Live』
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※1971年のジョニー・ウインター・ライブ盤です。40分足らずで終わってしまうのがもったいないくらいの迫力あるパフォーマンスばかり。リック・デリンジャーとのツイン・ギターで、これがまた最高のアンサンブルを生み出しています。とりわけ「Good Morning Little School Gir」「Jumpin' Jack Flash」のカバーは珠玉のナンバーに仕上がっています。ジョニー・ウインターは白人でありながら黒人音楽のブルースをプレイし続け、ブルースの巨人マディ・ウォーターズが「義理の息子」と呼ぶほど彼に気に入られていたという話もあるくらいで、本当にジョニーのブルース・ギターは素晴らしいの一語。また、彼のスライドギターはエリック・クラプトンにも影響を与えたといわれています。
||| TUNES |||
1. Good Morning Little School Girl
2. It's My Own Fault
3. Jumpin' Jack Flash
4. Rock And Roll Medley;
Great Balls Of Fire/Long Tall Sally/Whole Lotta Shakin' Goin' On
5. Mean Town Blues
6. Johnny B. Goode

||| LINEUPS |||
Bobby Caldwell(Drums), Bobby Caldwell(Percussion), Johnny Winter(Guitar), Johnny Winter(Vocals), Randy Jo Hobbs(Bass), Randy Jo Hobbs(Vocals), Rick Derringer(Guitar), Rick Derringer(Vocals), Johnny Winter(Harmonica), Howard Albert(Engineer), Jim Greene(Engineer), Jim Reeves(Engineer), Johnny Winter(Producer), Rick Derringer(Producer), Ron Albert(Engineer), Russ Payne(Engineer), Tim Geelan(Engineer), Johnny Winter(Main Performer)

ベスト盤特集

||||| BOOK★WORM |||||
▼「スライド・バイブル・スライド・ギター」
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