オペラ座の夜ACT29 「歌劇場はラグジュアリー??②」
PRESENTED by TSUTOMU SHIMOGUCHI

更新日09.10.07


||| オペラ座の夜 ACT29「歌劇場はラグジュアリー??②」 |||

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前回はドイツ、バイエルン州バイロイトで行われるバイロイト音楽祭について書かせていただいた。1日をオペラ中心に過ごすことのできるこの音楽祭は大変魅力があるイベントだ。これをより一層洗練させたというか英国人向けにカスタマイズさせたイベントがグラインドボーン音楽祭だ。

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■毎年5月下旬から8月下旬までの3ヶ月、通常2~3演目ほどの新制作を加えた約6演目が上演される。ちなみに新制作とは新しく演出するもので過去上演された舞台を一新して行われるオペラでの晴れの舞台となる。新制作の舞台ともなるとこの劇場では2ヶ月間、みっちりとリハーサルに当てられじっくりと舞台が作られていく。通常の歌劇場だとこれほど長い期間をかけてリハーサルをすることは物理的に不可能なところが多い。こうした事情からこの音楽祭に大スターが出演することは少ない。ただ将来有望な若手がここでじっくりと役作りに取り込めるのは本人たちにも魅力的だろう。

lucianopavarotti2.jpg今は亡くなってしまったが3大テノールといわれたルチアーノ・パヴァロッティも若かりし頃この音楽祭に出演しているのだ。また指揮者もオペラを上演する上でじっくり取り組めるせいかここでいろいろ実験してみる人もいる。
現在、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で活躍しているサー・サイモン・ラトルもここでオペラを振っている。シンフォニー経験は豊富だがオペラはあまり振っていなかった時代、ここでオペラに没頭して腕を磨いていった。現在ではすっかり巨匠になったベルナルド・ハイティンクは1978年から88年まで音楽監督を務めている。それまでオーケストラ指揮者のイメージがあった彼はここで様々な経験をして87年よりロイヤル・オペラの音楽監督に就任する。

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■とにかく様々なことに挑戦していくためにここで入念にリハーサルが行われたっぷりと時間がかけられオペラが創造されている。こうした理念は創始者のジョン・クリスティーバイロイトから感銘を受けたところにも起因するだろう。バイロイトもワーグナーの作品だけど上演するためにじっくり時間をかけ舞台を作り上げるから。

fritzbusch1.jpg一人の貴族であるオペラ愛好家、ジョン・クリスティーがここまで音楽祭の水準を上げることができたのは理由がある。政治が不安定となってきた1930年代ドイツ。ナチスを嫌い様々な演奏家が海を渡った。その一人が指揮者のフリッツ・ブッシュ。彼の獲得に成功したグラインドボーンは個人的な楽しみからひとつの音楽祭へと変貌した。

RIMG1512.JPGさてこの音楽祭の個性ともいえるのはその環境だ。ロンドンから南へ汽車で1時間。英国の庭園とも言うべきイースト・サセックスの丘陵地帯にクリスティー家のマナーハウスがある。この敷地内にオペラハウスが建っている。観客はまさにクリスティー家に招かれたような気持ちになるだろう。そうしたアット・ホームな雰囲気がここの魅力だ。また有名なのは90分に及ぶ休憩時間。この時間を利用して敷地内にあるレストランで食事をしたり持参したもしくは予約したピクニック・バスケットを楽しんだりする。英国式庭園の中で食事をしながらその日の演目の話をする。まさにバイロイトのように1日をオペラ中心に過ごせる。
またあまり知られていないがここはホワイエのカフェが終演後もしばらく営業している。あわてて帰る必要がないので今、観た作品の感想をゆったりと語り合うことが可能だ。
日本でも同じように過ごしてみるのもいい。当日の上演スケジュールは事前にわかるのでレストランを予約したり素敵なカフェのあたりを見つけたりもできる。
       そうして1日をオペラ中心にしてみるのも
           大人の素敵な時間の過ごし方だと思う。

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▼Glyndebourne Website
http://www.glyndebourne.com/
▼Bayreuther Festspiele(公式サイト)
http://www.festspiele-bayreuth.de/

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P R O F I L E ___________________________________________
下口 努(しもぐち つとむ)
opeashimoima.jpg1966年東京生まれ。映像プロデューサー、音楽愛好家。FM横浜、J-WAVEなどラジオ・ディレクターを経てCS放送の音楽専門チャンネルに転職。テレビ・ディレクター/プロデューサーとして夏のフェスティバルやアンプラグドなど数多くの音楽番組を手がける。現在は様々なエンターテインメント専門チャンネルを運営するCS局でプロデューサーとして活躍している。共著に「ワーグナーの力」(青弓社)がある。
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■□■ 「Pictures Of Bayreuth」 Slideshow■□■
       PHOTO by TSUTOMU SHIMOGUCHI

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cttopaboutps.jpg▼新国立劇場Website▼
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