「パフォーマンスの壺」
第25 回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
PRESENTED by HIROO SATO

更新日09.10.13 コメント:0件 トラックバック:0件


「パフォーマンスの壷」第25回

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■よく「私MCとか苦手なんで」とステージで言ってしまう人がいます。また、その逆で「俺はMCが得意でね。ライブやってもしゃべってばかりでさ、曲減らしちゃうこともあるくらいだよ」。そいう人もいるでしょう。
しかし、MCが得意だと言っている人に限って身内にしかわからないことをしゃべってしまい初めてのお客さんには話が通じていないということがよくあります。そういう人はMCがウケているとつい調子に乗りもっとしゃべってしまいがち。さらに、客席にしらけている人がいるのを気が付かないままライブを進めている人が案外いるのです。
客席に大勢の友人が集まっているようなライブではなおさらこういうことになりがちです。身内にしかわからないMCをしている人は、実は身内にしかウケていないという事実を認めようという意識をほとんどの場合持ち合わせていません。
なぜならばそういう人は「お客さんは俺を見に来てるんじゃないか」と思って疑わない。つまり、自分を見に来ているお客さんがウケているのですから「MCはこれでいい」と思っているのです。ではその夜、彼のお客さんはどうやって集まったのでしょうか?

実は彼のファンというわけではありません。

Bonnie&Tajposter1.jpgそういう人は普段から友達を作るのがうまかったりするのです。誰とでもすぐに親しくなれるタイプの彼は「今度ライブやるんだけど来ない?超楽しいよ」とすっと言えるタイプの人なのです。ですのでライブには友達が付き合いで来ているのです。
そういうタイプの人はライブに来てくれた友人たちと必ずと言っていいほど打ち上げと称し、飲みに行きます。そして大勢の友人たちを紹介するなどして、またそこで知り合いで無かった友達が友達になる。でまた、自分のライブの日以外は誰誰のライブだからと行っては打ち上げに参加し、また友達を作っていく。そういう風に広げているのです。

集客という角度から見ると彼は大変立派であります。

しかし、彼のライブを見に来ているのは友達であって、決してファンではないのです。無論、アマチュアバンドが出演している世の多くのライブハウスはチケットノルマがあるため、ライブをするためには友達を呼ばなければならないという暗黙のルールのようなものが存在します。ゆえに、彼は多くの友達を作り、ライブに誘わざるを得ないのです。世のライブハウスがそういうシステムである限りは、彼のようなタイプの人は売れなければいつまでも友人を呼んでライブするほかないわけです。友達を呼んでライブをするしかないから「身内にしかわからないMCをする人」が増殖してしまうということは直結こそしませんが、そのシステムが「そういう人」を増やしてしまった理由のひとつであるかもしれません。
しかし、本来ライブと言うものは友達を呼んでするものなのでしょうか?さらにMCは身内にわかればそれでいいのでしょうか?もちろん間違いです。
本来はライブを聴いてくれた方がファンになってくれてまた聴きに来てくれる。こっちのほうが正解だと思います。じゃあ、どうすればよいのでしょうか?

そこで重要なのが正しいMCなのです。

JamesTay1.jpg■歌も演奏も素晴らしいのに何年やっても友達しか来ないというバンドが多いのは間違ったMCをしていることに大きな原因があるかもしれないのです。いや、むしろ演奏を間違えるよりも間違ったMCをするほうがよっぽど致命的だと言えます。正しいMCとは友達にだけ通用するものではなく、見知らぬお客さんをも巻き込むMCです。見知らぬ人を巻き込むMCには手順と定石があり、それはこれまでの連載に書いてきたわけですが、何よりも大事なのはまず「正しいMCをしたい」という意識があるかどうかです。

さてここで「MCか、苦手だなあ」というあなたに
   驚くべき事実があることを書いておきましょう。


maw4s.jpg実はしゃべり好きな彼のようなタイプの方よりも「私、MCが苦手なんです」という人のほうが正しいMCをできるようになるのが早いのです。それはなぜなのでしょうか?そもそも身内に向けてMCをしてしまうタイプの彼は「自分はまったく間違っていない」と思っているので改善の気持ちを持ちにくい。しかし、MCが苦手なタイプの人は「どうしたらうまくしゃべれるようになれるのかな」という気持ちを持っているケースが多いからであります。実際、ぜんぜんしゃべれなかったのにうまいMCをするようになった人を私は何人も見ています。
MCが苦手な人が「MCをなんとかしなくては」と思うようになると、まず他人のMCを研究するようになるのです。そうすることで「あー、この話、身内にしかわからないよね」とか「この人はあまりしゃべらないけど言ってることわかるなあ」とかがわかる。で、自分に活かしていくというわけなのです。

このようにまずは人のMCを聞くこと。それが大事です。

■たとえば自分がライブをするときに対バンがいたとします。それがもし音楽的に好きではないバンドであったとしてもMCは勉強になります。うまいMCであろうと間違ったMCであろうとです。前出の彼のようなタイプは対バンがいても聴かないで、自分のライブが終わるとさっさと友人と打ち上げ会場に行ってしまいます。ゆえに、いつまでも変わらないのです。
さらにMCが苦手な人がなぜ上達しやすいのかにはもうひとつ理由があります。MCが苦手ゆえに余計なことをしゃべらないからです。メンバー紹介や曲名、そして「ありがとうございました」を言うのが精いっぱい。それでも友達にしかわからないMCをするよりもはるかにいいのです。

bon_taj.jpgところが、曲名しか言わない人がライブ中に突然、「みなさんのお宅にはべランダがあるでしょうか?」と突然しゃべりはじめると口数が少ないゆえにものすごい効果が生まれたりします。つまり、ほとんどMCしない人がするMCには「なにか伝えたいことがあるに違いない。何を言い出すのかな?」と無意識に思わされてしまうのです。これは前回までに書いてきた山ほどある客席コントロール技の中のひとつでもあります。MCが苦手な人は実はそうとは知らずに客席コントロール技を繰り出してしまっているのです。
ですので極端に言えば、必要最低限のMCと効果的な一発MCだけでもライブは持ちます。ところが向上心のある人は、さらに上を目指してきます。研究をし続けることによって「こういう風にすると客席の反応はこうなる」という引き出しをいくつも持つようになってくるのです。いずれにせよ大切なのはお客さん全員にわかるようにMCをするということ。これができなければその次のステップは踏めません。しかし、そういう意識を持つようになると飛躍的にMCがうまくなります。ライブに限らず、テレビ番組でもラジオでも「この場面では自分ならどういうか」などどこにでも勉強の手立ては転がっています。

まずは意識改革からスタートしてみてください。

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 

1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
        http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html

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||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1

▼PART-2

▼PART-3

||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」

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なんか一見地味ながら、実は凄くて渋いセッション・クリップをお送りします。
▼Jaco Pastorius and John Scofield - The Chicken (Studio)

※皆さんもよくご存知の天才・鬼才ベーシスト!ジャコ・パストリアスとこれまた狂気めいたインプロヴィゼーションを心情とするジャズ・フュージョン・ギタリスト!John Scofield(ジョン・スコフィールド)とのセッションです。偶然、スタジオで顔を合わせ、ドラムも誘ってちょっとギグをしようかみたいなリラックスした雰囲気が面白い。やや単調なコード進行で、並の演奏ならとっくに飽きてしまいそうな長い1曲ながら、も全くそんなことを感じさせません。アマチュア・ミュージシャンでギターかベースをやっている人にとってはフレーズ作りの良い勉強になるかと思います。
ジャコは超有名アーティストなのでここでの説明は割愛させて頂きますが、ジョン・スコフィールドについて簡単にその概略をお話したいと思います。

JohnScofieldprofile.jpg■John Scofieldは1951年12月26日生まれの米・オハイオ州出身のギタリスト(58歳)。バークリー音楽院を卒業後、23歳でプロとして活動を始める。ビリー・コブハム、ジョージ・デューク、ゲイリー・バートン・カルテット、チャーリー・ミンガスなどと演奏を重ねスキルアップしていった。その後、マイルス・デイヴィス・グループに参加する。ギタリストをしばしば替えることで有名なマイルスも彼の能力を高く評価していたようで、ジョン・スコフィールドは歴代のギタリストの中で最も長くメンバーに加わっていた。マイルス・グループの後は、自身のバンドや様々なセッションでパフォーマンスを続け、アルバムも地道にリリースする。最新のアルバムはニューオーリンズ録音した「パイエティ・ストリート」。
ギターはセミアコを主に使用。インプロヴィゼーションにおける最大の特徴は、複雑なスケールのコンビネーションによるフレーズで、意識的に音を外したようなトーンは緊張感に溢れている。このスケール・アウト感はジョン・アバンクロンビーに通ずるものがありそうだ。とにかく一度聴いたら「ジョン・スコフィールドだ!」と直ぐ分かる個性的なギタリスト(ルックスも)!

▼John Scofield Official Website
http://www.johnscofield.com/

スコフィールドのプレイを堪能するならこのDVD!
▼John Scofield「ライヴ・3ウェイズ」期間限定生産盤


※05年に復活20周年を迎えた新生ブルーノートレーベルの、貴重なライヴ映像。
スーパー・ジャズ・ギタリスト、ジョン・スコフィールドが、オルガン・トリオ、ドクター・ジョンとのデュオ、カルテットの、3つの異なる編成でプレイしたファン必聴のライヴVTR。1990年5月23日N.Y.チェルシー・スタジオでのライヴ・レコーディング。

★John Scofield、その他の作品はこちらで!

||||| Recommended Album |||||
独断と偏見の極みを承知の上で、皆さんに聴いて頂きたいアルバムを紹介します。
秋の夜長には、快適なオトナの音楽がよく似合うのでは?Blue-Eyed Soulに溢れたAORの魅力が一杯詰まったこのアルバムはお奨めです。
▼Bobby Caldwell 「What You Won't Do For Love」
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※記念すべき78年のデビュー・アルバム。当時の日本のカフェ・バーのブームとともにアーバンな夜にピッタリなお洒落サウンドの代表格として大変重宝された作品である。彼の代表曲であるM6"風のシルエット"を収録。後年M5がタバコのCMで使用されリヴァイヴァルした。M1は松田聖子やWINKがカヴァーした隠れ名曲。黒人顔負けのソウルフル・ヴォイスが彼の最大の魅力であり「キング・オブ・AOR」の称号は伊達ではない。
||| TUNES |||
1 Special to Me
2 My Flame
3 Love Won't Wait
4 Can't Say Goodbye
5 Come to Me
6 What You Won't Do for Love
7 Kalimba Song [Instrumental]
8 Take Me Back to Then
9 Down for the Third Time

ベスト盤特集

||||| BOOK★WORM |||||
▼「脱初心者のための集中特訓#001 ギター・セッションのネタ帳」
シンコー・ミュージック・ムック(CD付)


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セッション用カラオケ音源CDによって、ギター、ドラム、キーボードを、自宅に呼んでしまおう!
「セッションに行く時間がない」「知らない人とジャムする程の勇気も技量もない」、はたまた「そもそも"ジャムる"って何?」という人まで、自宅で気軽にヴァーチャル・ジャム・セッション="宅ジャム"を味わって、自分の"センス"を磨いていただきたい!!



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