「パフォーマンスの壺」
第30 回「頭が真っ白になった場合の対処法」
PRESENTED by HIROO SATO
更新日10.03.11
ライブ中に突然「頭が真っ白になってしまった」
という人は多いのではないでしょうか?
■たとえば、あまりにも歌を熱唱しすぎて、曲が終わった時に次のMCをすっかり思いつかないというような場面です。そもそも、それ以前にステージに立って照明を浴びると冷静でいられなくなるという人もいるでしょう。披露宴のスピーチなどでもたまにそういう人はいますよね。照明が当たり、全員が自分を見つめている中、頭が真っ白になってしまうとちょっとおろおろした雰囲気になってしまい、客席にもそれが伝わってしまうことになります。「あ、あの人、なんか緊張しているのかな?」そんな風に見えてしまいます。
たとえ、あなたがあがり症だとしても人前に立つのであれば、もう責任ある立場であることをまずは自覚しておきましょう。「ライブをするということはどういうことなのか?」これをわかってステージに上がっていさえすれば多少緊張しようが、あらかじめ心の準備は可能。何度も書いてきたようにお金を取ってライブをするのであれば、全員のお客さんにしっかり楽しんでもらうのは必要不可欠。結論から言わせてもらうと、人前に立つのであれば頭が真っ白なんかになってはいけないということです。
■ライブ中、特にマイクを持っているフロントマンはいろんなことを気にかけてステージを進行していく言わば船長のような存在です。ライブハウスにいる人全員があなたの船に乗っているのです。その船長が、頭が真っ白になったら船員も乗客も「こんな船長で大丈夫かなあ」と心配してしまいます。ですので、どんな場面でも冷静な自分でいられるようにしなければなりません。真っ白になって練習の成果が出なかったということになったらなんのために練習してきたのかと後で反省することになりますし。
では冷静でいるということはどういうことか?
つまり、熱唱するにしても熱唱しているように見せるテクニックを身につけるということ。
ちょっとアイドル歌手を思い起こしてください。毎回、同じテンションで歌っていますよね。あれ、全力を出し切っているでしょうか?実は余裕ありありなんです。毎回ニコニコ笑顔を振りまいていますよね。睡眠不足でも先輩からいじめられても本番はしっかりやっているわけです。「だってあればアイドルだからねー」。って思いますか?10代のアイドルにできるのですから、少しは見習いたいものです。
でも歌謡大賞なんかの受賞式みたいな場面では泣きながら歌っているシーンがありますよね。あれは受賞しちゃったから嬉しくって泣いて歌っているわけです。しかし、人によっては授賞式だからとわざと泣いている可能性もあります。もしもそうだとしたら、めちゃ余裕ですよね。
というわけで、見られているということを意識し、
それがライブをするのならば普通になることが必要です。
■もうひとりの自分が俯瞰から自分を「今、俺は客席からこう見えている」と冷静に見るのです。すると、「こんな風に歌いあげれば熱唱しているように見えるし、かっこもいいぞ」ともうひとりの自分が指示を出してくれるのです。これはひとりで部屋ででも練習できますよ。スタジオで鏡の前でやってみるのも手です。自分だけでなく、バンドメンバー全員でそういう練習をできればベストですが、ただ、そこまでは難しいかもですね。ステージでも普段の自分でいられれば、熱く演奏しているように見せられますし、気の効いたトークも繰り出せます。これは逆に本当に熱くなっていてはできません。
それでも、頭が真っ白になってしまったらどうするか?
■その場合は、そういうことになったらどうするをあらかじめ用意しておけばいいのです。「やっべー、真っ白になっちまった。じゃあ、この作戦でいくか」。こう決めておけばいいのです。たとえば、困った時はメンバー紹介です。真っ白になったら「ではここでもう一度メンバーを紹介しておきましょう。オンギターにやまだたろー!」これで一気に拍手を取り直します。
いくらでも作戦はありますが、「みなさん飲んでますか?」こう聴いて、「そう言えば、お酒の話なんですけどね。私はライブ中には飲まないようにしているんです。警官だって勤務中にお酒は飲まないですものね。でもみなさんは勤務中ではありませんからじゃんじゃん飲んで下さいね」。余談ですが、この「飲んでますか?」という問い掛けは実はお店にとってはちょっとありがたいもの。これによってお客さんはオーダーがしやすくなるし、売り上げも上がるのです。
食べ物の置いてあるライブハウスならば、やはり「私はライブ前は食べないんですけど。あ、ライブ中も食べませんけどね。みなさんはガンガン食べてくださいね」みたいな話をしてもいいでしょう。どちらもお店には喜ばれます。
こういう風にあたりさわりのない話をまずしておいて、その間に「本当はここで何を話すのだったっけかなあ」と頭を落ち着かせます。それでも思い出せない場合もあるでしょう。そういう可能性のある人は足元にでもカンぺのようなものを置いておくのがいいでしょう。困った時のネタリストです。
まずは、メンバー紹介や「飲んでますか」などと一度客席とのやり取りをしておき、さらりと足元のカンぺを見るのです。これ、真っ白になったからといきなり、足元を見るよりもワンクッションおいてから見るほうが、困っていないように見えます。真っ白になったからといってメンバーに「なんか話したいことある人いますか?」なんてMCするのは最悪です。フロントが困っているのがもろにわかります。それとしゃべることがないからと告知や宣伝もいけません。先のことよりも今目の前にいるお客さんを楽しませるべきだからです。
メンバーを使うのとメンバーに頼るのでは大きく違います。船長ならば、船長らしく全員をひっぱっていかねばならないのです。
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■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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▼「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
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||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」
第25回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
第26回「その道のプロに学ぶライブに対する考え方。」
第27回「聴いていないお客さんをライブに集中させるテクニック。」
第28回「すぐできる盛り上げ術あれこれ」
第29回「ミュージシャンも客商売。」
||||| SELECTED★IMAGE |||||
ブルース・プレイヤー(ギタリスト)はたくさんおりますが、今回、ジャズ、フュージョン、ロック、ブルースと実に幅広いジャンルを見事に弾きこなす辣腕ギタリスト「Robben Ford」(ロベン・フォード)のオリジナリティ溢れるブルース・ギターをご紹介します。まずは見ごたえ十分のライブ・パフォーマンスを!曲はブルースのスタンダード・ナンバー「Worried Life Blues」。
▼Robben Ford - Worried Life Blues -
※「Worried Life Blues」は、1993年にリリースされたアルバム「Mystic Mile」にも収録されています。
因みに...、1941年に生まれたこの「Worried Life Blues」はエリック・クラプトンをはじめ、B.B.キング、フレディ・キング、マディー・ウォーターズなど、実に多くのアーティストがカバーして「One of the Most Covered of All Blues Songs」としても有名。
■Robben Ford(ロベン・フォード)は知る人ぞ知る名ギタリストで、ラリー・カールトンも彼の才能には一目置いているほど。1951年12月16日生まれ(米カリフォルニア州ウッドレイク出身)なので現在58歳ですが、見た目以上に若くルックスも実にカッコ良い。10歳でサックス、13歳になるとギターも弾き始める。兄弟で結成したグループ「The Charles Ford Blues Band」で活動をし、18歳の時にプロとしてデビュー。この頃はブルース中心のパフォーマンスであった。1970年代に入るとロベンのスキルはジャズ・フュージョンへと発展していく。
1977年、名サックス奏者のTom Scott率いる伝説的フュージョン・バンド「L.A. Express」に参加。L.A. Expressは自身のアルバム制作に加えて、ジョージ・ハリソンのアメリカ・ツアーのバックやジョニー・ミッチェルのサポート・バンドして活躍。L.A. Expressの後、1976年には初のソロ・アルバム「The Inside Story」をリリースする。このアルバムに参加したバックミュージシャン達は後に「Yellowjackets」を結成、フォードも初期のレコーディングに参加している。
1980年代から現在にかけて、自身のアルバム制作はもちろんのこと、マイルス・デイヴィス、チック・コリア、マーカス・ミラー、グレッグ・オールマン、そしてラリー・カールトン(2006年には彼と共に来日公演している)など多くの一流アーティスト達と共演。昨年(2009年)もブルージー&ジャジーなアルバム「Soul On Ten」をリリースするなど精力的に活動を続けています。
▼Robben Ford Official Website
http://www.robbenford.com/RobbenFordMain.html
▼アルバム「Soul On Ten」

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