「パフォーマンスの壺」
第31 回「ライブ場所選びもお客さんのことを考えて」
PRESENTED by HIROO SATO
更新日10.04.13
■バンドも組んだし、練習も重ねてきた。「よーし、そろそろライブをやろう」ということになると考えなくてはならないのはどこでライブをするかです。どういうバンドをやっているのかによって大きくライブ場所は変わりますが、バンドを組んだのでどこでもいいからライブする場所を探すという場合は、まず思い浮かべるのが近所の小ホールなどの施設。ただし、照明や音響機材を用意したり、スタッフを雇うなどめんどうなことがいっぱいあります。このように小ホールなどの施設はいろんな問題が浮上してくるので断念するケースはよくある話です。
そこで
「楽器店などがやっているレンタルホールを利用してみるか」
と当たってみます。
するとさすがは楽器店のレンタルホール。照明も音響装置もアンプも全部揃っています。ということでバンドを始めたばかりの方々はよく楽器店のレンタルホールを利用しています。しかし、ここでは呼んだお客さんから次のような話題がのぼることがあります。「ここって飲み物ないの?」お客さんとしては盛り上がってきて「ああ、ビールでも飲みたいなあ」と思うのは自然な発想。しかし、レンタルホールは飲食店営業の許可をとっていないため、法的に飲食の販売ができないのです。こうなってくると「じゃあ、いったいどこでライブをすればいいんだ」ということに。
そこで思い浮かぶのがライブハウス。
ライブハウスならば、ビールもあるし、いいだろうと問い合わせをしてみることになります。するとあるロック系のライブハウスを一晩レンタルすると30万円以上かかることがわかりました。その金額に飲み物代は含まれません。「うひゃー、ライブするのは大変だなあ」ということに。しかし、「世の中にはライブハウスはいっぱいあるし、若い人たちもバンドやっている人だらけじゃないか? いったい、彼らはどうやっていつもライブをしているのだろうか」と疑問が浮かびますよね。
そういうバンドはライブハウスの
時間の切り売りを買っているのです。
■実は世の中のアマチュアバンドが出演するライブハウスの多くはチケットノルマと称してバンドに30枚なりのチケットを渡しています。各バンドは30分から40分の演奏でその夜は5バンドほどが出演しているのです。つまり、一晩ライブハウスを貸し切る金額を5バンド分に分散してチケットを売らせているわけです。ライブハウスには様々なスタイルのお店があるのですが、主にアマチュアバンドが出られるのはこの類のお店になります。こういうライブハウスは年がら年中出演者を募集していますので、30分の演奏でもいいという場合は問い合わせてみるのもいいでしょう。
余談ですがそういうライブハウスは年中出演バンドを募集しているのになぜバンドであふれないのかと言いますと、出演バンドが次から次へと出演を辞めるからにほかなりません。
さて、30分演奏するためにその日のライブスケジュール枠に入れてもらうことを通称、ブッキングと言います。ところが、このブッキングで出演するという方法を選択した場合、ビールなどはあるものの今度は別の大きな問題が浮かび上がります。つまり、あなたのバンドはあなたが呼び集めたお客さんにたった30分の演奏に2000円なりのチケットを購入してもらうことになるのです。
いくらなんでもアマチュアバンドの30分の演奏に2000円は高いですよね。これ、入れ替え制ではなく、その夜に出る5バンド全部を聴いてもいいのでその意味では5バンドで2000円ということになりますのでそう考えるとそう高くもなく感じてきます。
しかし、これがそうでもないのです。
■たとえばあなたのバンドはあなたの集めたお客さんに向けてライブをしがちですが、他の4バンドも同じように自分たちのお客さんに向けて演奏している場合が多いのです。あなたは知り合いを呼んでライブをしていますが、他のバンドも同じで、見知らぬ方々に楽しんでもらうほどの実力とステージングがないのです。これによって、知らないバンドを見ても面白くないということになるわけです。ですのでアマチュアバンドが出ているライブハウスは30分ごとにお客さんががらっと入れ換わることが日常茶飯事(もしもこの5バンドがこの連載を読んでおり、パフォーマンスの壺を理解していたのならまさしく5バンドで2000円というライブハウスになっていることでしょうけれど...)。
さらに言うのなら、ロック系のライブハウスは立ち見、つまり、スタンディング形式のところが多いもの。若者ならばそれでもいいでしょうが、お客さんの年齢層が高ければもうこれだけで行きたくなくなってしまいます。スタンディング形式にはこの他にも思わぬ落とし穴が存在しています。実はテーブルが無いということは飲み物を片手で持っていることになり、それによってライブが盛り上がりにくい状況となるのです。なぜかと言いますと、片手がふさがっていると拍手ができなくなってしまうからです。曲が終わっても拍手が無ければ演奏している側もかなり困ります。
ロック系のライブハウスは不衛生なところもありますので、「あんなところには行きたくない」とお客さんに思われないような場所選びも重要。というわけでいろんなことを考えていくと、演奏場所は一長一短。場所や金額にとらわれず、聴きに来てくれるお客さんのことをまず考えなければ、お客さんが楽しい思いをできません。
一番良いのは...、
長時間演奏できる、お客さんにとって居心地がいい、料金が安い、スタッフがいい加減ではない、音がちゃんとしている。これを満たすライブハウスを見つけ、バンド練習はもちろん、すべてのお客さんが楽しめるステージングを心がけること。
もしも気持ちが通じ合うライブハウスに出会えたのなら、きっとあなたもお客さんも楽しく過ごせるようになるはずです。
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■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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▼「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html
□■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
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★ここでちょっと注目!ZAKKからのお知らせ★
荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。
日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?
■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html
||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」
第25回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
第26回「その道のプロに学ぶライブに対する考え方。」
第27回「聴いていないお客さんをライブに集中させるテクニック。」
第28回「すぐできる盛り上げ術あれこれ」
第29回「ミュージシャンも客商売。」
第30回「頭が真っ白になった場合の対処法」
||||| SELECTED★IMAGE |||||
■暖かかったと思えば寒くなったりと、最近、不安定な気温の変化でちょっとバテ気味なので、今回はGrand Funk Railroadのこの曲で元気を取り戻したいところです!1974年のライブ映像から!
▼Grand Funk Railroad - Heartbreaker
■グランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad、GFR)は、ご存知通り1970年代に大活躍したアメリカのハードロック・バンド(結成は1969年)。Mark Farner (Guitars, Vocals)、Don Brewer (Drums, Vocals)、Mel Schacher (Bass)!このトリオが放つパワフルで骨太のロックに何度も勇気付けられたことか!マーク・ファーナーの怒涛の歌声とエッジの効いたギター、メル・サッチャーの歪んだベース、ドン・ブリューワーの唸るようなドラム!当時、最強のトリオだったかもしれません。後にKeyboardsのCraig Frostが加わりさらに音楽性が広がったGFRも好きですが...。何度が解散、活動停止、再結成を繰り返し、メンバーが変わりながら今日もGFRとして地道に活動を続けているようで何よりです。但し、1999年にマーク・ファーナーが抜けてしまっていますが、彼は自分のバンドを従えて頑張っているようです。
レッド・ツェッペリンのアメリカ公演の前座を務めた際、その強烈なインパクトで聴衆を魅了し熱狂させた。一躍ロックファンにその名を轟かすようになりました。なにせド迫力の大音量と力で捻じ伏せるパワフルなパフォーマンス!あのような慟哭にも似た質感は他に例を見なかった。デビューから僅か1年でレコードの売り上げが1000万枚を記録するという快挙を成し遂げたのだから、当時の彼らの勢いは凄まじいものがありました。この「ハートブレイカー」は、ファースト・アルバム「On Time」(1969年)からシングルカットされ、最早ハードロックの古典となっている曲ですね。GFRと言えば...、私は1971年、後楽園球場(野外ライブ)の来日公演を思い出します。雷は鳴るわ、風は激しく吹きつけ雨も降っている最中、アンコールとなったのがこの「Heartbreaker」でした。皆で「ハートブレイカ~♪」と合唱した感動は今でも脳裏に突き刺さったままです。それにしても、あれから40年近くが経とうとしているとは...。
さて、ここでもう1曲!さらに元気の出る曲を!となり、ボン・ジョヴィをはじめ後に登場するアメリカのロックバンドのライブなどで何度もカバーされています。
▼We're An American Band
▼アルバム「On Time」 (Remastered)

※その他の関連作品はこちらで!
||||| External Links |||||
▼Grand Funk Railroad official site
http://www.grandfunkrailroad.com/
▼Mark Farner official site
http://www.markfarner.com/
▼「日本一ちっちゃいかもしれないギターコードブック」は、
本のコードブック1冊分に相当する多数の指板図が入っています!
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