「パフォーマンスの壺」
第32 回「プロのライブ場所によるステージングの違いから学ぶ。」
PRESENTED by HIROO SATO

更新日10.05.15


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前回はアマチュアバンドのライブ場所の選び方を書いてみました。
今回はプロミュージシャンはどこでライブをしているのか、そしてそこから見えてくるステージングの違いを考えてみたいと思います。

さて、プロミュージシャンがライブ演奏している場所は大きく分けると、
4種類のタイプに分けられ、それぞれがそれぞれの場所で違ったステージング方法を取っています。

The02Arena.jpg■まず最初は大きなホールでライブをしているバンドのライブステージングですが、これはもうみなさんのご存じの通りですね。まさに「いぇーい! 今夜は俺たちのライブに来てくれてありがとー! 今夜は最後まで盛り上がって行こうぜー!」とまあ、こういう雰囲気。何千人、何万人もがファンというのはすごいことですよね。これくらいのバンドになると、もう自分たちの天下ですからを聴きに来ているお客さんを相手にしているわけです。

次にそこまで大人気ではないバンドの場合です。

■そうしたバンドもプロとして活動しているわけですが、規模はぐっと小さくなり、ライブはライブハウスがメインというケースが多くなります。この場合、ワンマンライブ、もしくは対バン制でライブハウスに出ています。ワンマンでライブをしているときは、最初のケースとほぼ同じで、「俺たちのライブに来てくれてありがとー!」というパターン。これが対バンになりますと、「お待たせー! 今度は俺たちの出番だぜー!」みたいなMCをしているバンドが多くなります。

davegrohl3.jpgこのふたつ目まではかなりステージングが似ています。バンドでもソロアーチストでもふたつ目までは同じです。と言いますのは、そのバンド、もしくはソロアーチストは自分たちを見に来ているお客さんを相手にライブをすることが身についていて、他のバンドのファンも「俺たちを名前くらいは知ってるだろうし。気にいる奴だけ気にいればいいよな」くらいな感じでライブをしているのです。ところが、このふたつのパターンばかりをアマチュアバンドは目にして来ているので、アマチュアバンドなのに同じように「俺たちのライブに来てくれてありがとー!」とMCしてしまうケースが多くなるのです。違っても言い方が強いか、丁寧かくらいの差です。

どうしてそうなるのでしょうか?

なぜならば、ステージングの見本をそれしか思いつかなかったからなのです。他ならぬ現在はプロバンドでもアマチュア時代にはそれまで見ていたプロと同じようなライブの仕方を真似していたのです。こう考えるとステージングのプロとアマの境目はあまりないかもしれません。もちろん、アマチュアバンドと言っても様々ですから一概には同じとは言えませんが、ライブハウスでいつも活動しているバンドは大きく考えるとプロと同じようなMCを繰り出しているのです。

さて、ここまでが4つのタイプのうちのふたつです。

実は、世の中のライブハウスに出ているバンドのほとんどのステージングがこのふたつのタイプに属してしまいます。私はその方法ではバンドが売れない限り自分たちでお客さんを呼ばなければならないシステムは永遠に続いてしまうと思っています。そこで4つのタイプのプロミュージシャンのうち、残りふたつのタイプのステージング術を紹介してみたいと思います。

jazzscene1.jpg■3つめのタイプはわかりやすく言うとジャズ系のライブハウスに出演しているプロミュージシャンたちです。ジャズ系と言ってもさまざまなライブハウスがありますが、説明をわかりやすくするためによくあるパターンとして書いてみましょう。そこに集うお客さんは前述したコンサートホールやライブハウスのお客さんとは若干異なります。まずは、その日出演するミュージシャンのファン、もしくはちょっと気になっているので聴いてみようかなという方々。次に単純にジャズが好きでお店に通っているお客さん。お酒や食事をしにやってきたお客さん。そして、たまたまやってきた一見のお客さんです。
こういう様々なお客さんが集っている中で、前述したふたつ目までのバンドの「今夜は俺たちのライブに来てくれてありがとー!」というようなステージングをしたらどうなるか想像が付きますでしょうか?

そうです。

ファンしか喜んでいなく、他のお客さんはしらけるかもしくは「こんな店はもう来ない!」と憤慨されるかもしれません。ジャズのお店に出ているミュージシャンたちのほとんどは自分たちでチケットを売るようなことはありません。ライブの日にお店に行って、そこにいるお客さんに喜んでもらうべく演奏しているのです。それを毎晩のようにあちこちのお店に出向いてやっており、その日その日でバンドメンバーは違いますし、演奏曲目も違います。ゆえにスタジオでバンド練習をするということはまずありません。いきなり譜面を渡されてもばっちりできる以上の演奏をやすやすと行えます。逆に言えばそれだけの演奏レベルでなければ仕事もないのですが...。

さて、様々なお客さんが集うライブハウスで
     彼らのMCはどうしているのでしょう?

実はこれこそがこの連載で書いてきたパフォーマンスの壺の基本中の基本のみを使用しているのです。そう、まずはこういう出だしです。「今夜はライブハウス○○にお越しいただきましてありがとうございます。今夜の皆様のお相手は山田太郎バンドです。まずはメンバーの紹介から...」。
そうなんです。出だしからふたつ目までのバンドとは違うのです。これはファン限定に向けてのMCではなく、来てくれているすべてのお客さんを対象にしているのです。

では最後の4つ目のタイプのお店に出ているプロミュージシャンのケースについて書いてみましょう。

rounge1.jpg■これはもうライブハウスではなく、ホテルのラウンジやレストラン、バーといった場所です。来るのは完全に一般のお客さん。演奏が目的で来られている場所とそうでない場所がありますが、これはそのお店のスタイルによります。ラウンジなどは高級感を出すためにバンドを入れているため、お客さんを盛り上げるよりもBGMに徹し、MCを一切しないケースもあります。レストランやバーなどは2つのタイプがありますが、前提としては来られたお客さんを楽しませるのが仕事。当然ながらそこに集うのはお店のお客さんであって、自分たちのファンではありません。
ここでもやはり、3番目のタイプと同じようなMCをしていきますが、4番目はもっとお店寄りにしている場合が多くあります。
たとえば、お店からのお知らせなんかをミュージシャンがお店の人になり代わってステージの合間にMCをしたりすることもあったりします。わかりきったことですが、2番目までのタイプのライブハウスに出演するバンドはこういうお店でいきなり「演奏してみろ」と言われてもできません。お客さんにどう接していいのか経験がまるでないからです。

さて、いかがでしょうか?

allmanmenber.jpgこれほどまでにステージングは違うのですが、3つ目のスタイルのステージングはみなさんが出演するライブハウスでも可能。いや、可能と言うよりもぜひ試してみていただきたいのです。3つ目のタイプのステージングの基本はすでにこの連載に書いてありますのでぜひ読んでみてください。恐らくお客さんの反応がそれまでとは大きく異なるはずです。きっと見知らぬお客さんからも拍手がくるはずです。

ぜひ見知らぬお客さんを巻き込むステージング術を
身につけて欲しいと思います。
そうすることでライブがもっと楽しくなりますし
きっとライブハウス自体も大きく変化していく
のではないでしょうか?

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 

1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
        http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html

      □■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
        

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      ★ここでちょっと注目!ZAKKからのお知らせ★
zakkinfo1.jpg荻窪ルースターノースサイドでは、「毎週月曜日にブルース・セッション」、そして「水曜日はジャズ・セッション」を行っています。
プロのセッション・リーダーがセッション全体をバックアップして頂けるので、適度な緊張感もあってかなりいい感じのステージになっています。月1回でも2ヶ月に1回でも主役になれる時があるっていうのもなかなかオツなモンです。
日常をちょっと抜け出してみると新鮮でリフレッシュできて明日からまた元気に行こうという気分になれるのでは...!?

   ■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
         http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html

||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1

▼PART-2

▼PART-3

||||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」
第25回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
第26回「その道のプロに学ぶライブに対する考え方。」
第27回「聴いていないお客さんをライブに集中させるテクニック。」
第28回「すぐできる盛り上げ術あれこれ」
第29回「ミュージシャンも客商売。」
第30回「頭が真っ白になった場合の対処法」
第31回「ライブ場所選びもお客さんのことを考えて」

||||| SELECTED★IMAGE |||||
■今回は...、もう直ぐ誕生日を迎えるStevie Nicks(スティーヴィー・ニックス、1948年5月26日生まれ)の痺れるような歌声をご紹介したいと思います。私も個人的にかなり気に入っているフリートウッド・マックのこの曲を!

▼Fleetwood Mac「Rhiannon」 Live 1976 Stevie Nicks

■スティーヴィー・ニックスのダミ声ながらハスキーで妖艶、どこかブルージーで哀愁漂う歌声、クリスティンの透き通ったコーラス、リンジーの切なくメロディアスなギター・ワークは絶妙なトーンとグルーヴを生み出しました。この「Rhiannon」(リアノン)は、1975年にリリースされたアルバム「ファンタスティック・マック」に収録(他にも「セイ・ユー・ラヴ・ミー」「オーヴァー・マイ・ヘッド」など多くの名曲が詰まっています)。あれから35年以上経ったわけですが、こうして改めて聴いてみるとやっぱいい曲です。

fleetwoodmac2.jpgFleetwood Macは1967年に結成され、もともとはブルース・ロック的な音楽をやっていたのですが、メンバー・チェンジをしながらその音楽性はよりポップでAOR的なものに変わっていきました。そしてリーダーのミック・フリートウッド(ドラムス)、ジョン・マクヴィー(ベース)と前記したクリスティン・マクヴィー(ヴォーカル、キーボード)、スティーヴィー・ニックス(ヴォーカル、 リンジー・バッキンガム(ギター、ヴォーカル)の5人は、アルバム「ファンタスティック・マック」を大ヒットさせ、Fleetwood Macは一躍脚光を浴びるグループとなりました。更に1977年にリリースされたアルバム「」は空前のスマッシュ・ヒットとなり、31週連続アメリカのアルバムチャート1位1700万枚以上を売り上げ、フリートウッド・マックはスーパースターの座を不動のものにしました。当時のイーグルスに匹敵する人気と名声を得て、しばらくの間は黄金時代を迎えますが、やがて様々な問題から人気は低迷し、グループ存続の危機に直面しました。しかしミック・フリートウッドの努力もあって何とか苦難を乗り越え、メンバー・チェンジを繰り返し紆余曲折しながらも、昨年結成40周年を迎えることができました。今でもミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー、リンジー・バッキンガムそしてスティーヴィー・ニックスの4人で活動を続けているようです。

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stevie&taylor2.jpg■個人的にはFleetwood Macと言えばどうしてもスティーヴィー・ニックスを真っ先に思い浮かべてしまうのですが、そのスティーヴィーも今年で満62歳になります。もうそんな年齢だったのか?とちょっと寂しい気持ちになってしまいますが、やはり凡人ではなかった!その美しさと輝きはまだまだ衰えていないようです。今年2月に行われた「第52回グラミー賞」授賞式では、ゲスト出演をし「年間最優秀アルバム賞」を獲得したテイラー・スウィフト(他にも「最優秀カントリー・アルバム」「最優秀女性カントリー・ボーカル・パフォーマンス」「最優秀カントリー楽曲」も受賞している)とデュエットで「Rhiannon」を歌っておりました。若干のパワー・ダウンは否めませんが、その代わり超ベテランの域に達しているスティーヴィー・ニックスの歌声は、ハートに沁み入るような説得力と包容力に溢れ、昔とは違った新たな感動を与えてくれました。

▼Fantastic Mac
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※HMV レビュー
70年代初めにアメリカに移住したフリートウッド・マックは脱ブルース路線を敢行。1975年に歌姫スティーヴィ・ニックス、リンジー・バッキンガムら米国人二名をバンドに迎え、よりポップなサウンドへと転身する。本作はその1975年に発表された大ヒット作『ファンタスティック・マック』。1977年の大ベスト・セラー『噂(RUMOURS)』と並ぶ70'sマックの代表作。
※内容詳細(CDジャーナル データベースより)
バッキンガム&ニックスを迎えて最初に制作された75年の大ヒット・アルバムのデジタル・リマスター盤で、ボーナス・トラックを5曲追加収録。「リアノン」「セイ・ユー・ラヴ・ミー」ほか、70年代を彩った新生マックの魅力あふれる楽曲が詰まった名作。

★Fleetwood Mac、その他の作品はこちらで!
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★Stevie Nicks関連の作品はここで!
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||||| Related★Links |||||
▼Fleetwood Mac Official Website
http://www.fleetwoodmac.com/
▼Stevie Nicks Official Website
http://stevienicks.net/

▼「日本一ちっちゃいかもしれないギターコードブック」は、
本のコードブック1冊分に相当する多数の指板図が入っています!

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