「パフォーマンスの壺」
第40 回「ライブ告知に潜む落とし穴。」
PRESENTED by HIROO SATO

更新日11.01.18


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「○月○日、新宿○○でライブします。私の出番は21時位からです」。みなさんもよくこういうライブ告知をされたり、見たり、聞いたりすることと思います。この私の出番は21時からですと言っているのは、ワンマンではなくいくつかのバンドと対バンで出るということ。

さて、このライブ告知には大きなミスがあります。

■この連載を読んでおられる方はもうお気付きだと思います。一番大きなミスは「私の出番は21時位から」と言っているところです。これは21時位に来てね、とお願いしているように聞こえますし、まさにその意味の通りに発言しているのでしょう。しかしこれでは極端な話、自分以外に出演するバンドはどうでもいいと大きな声で発表してしまったことにもなるのです。それと新宿○○でライブしますとありますが、これライブ中のMCで言った発言だとするとどうでしょう?これは他店の宣伝行為になります。ライブ中これを聞いた人はどう思うでしょうか?はい、何も不思議には思わないでしょう。しかし、ライブハウスの人はどう思っているでしょうか?「このバンドは出演中のライブハウスへの配慮ができないバンド」というくくりに入れられるのです。ちょっとわかりにくいかもしれませんので解説しますね。

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あるラーメン屋さんに行ったら店員さんが常連のお客さんにこう言ったとします。「私、来月から新宿の○○ラーメン店に転職するので今度そっちに来てください」。この言葉をその店の他のスタッフや店長が聞いていたとしたらどうでしょう?「おまえ、うちのお客さん取る気か? 何言ってんだよ」と思うかもしれませんよね。実はこれと同じことなのです。ほとんどみなさん気にされないでこれまで言いまくっていたと思います。でもそのライブハウスがどういうつもりでブッキングしているのか?
・もしもあなたのバンドを思いっきり応援していたら?
・自分のライブハウスは自慢のバンドばかりを出す最高な店なんだ。
・新宿○○はライバルのライブハウスだ。

さて、この3つを読んでみていかがでしょうか?

■何気なく言ったライブ告知がライブハウスの人には聞きたくないものだったかもしれません。これを聞いたがためにライブハウス側のあなたのバンドへの応援の気持ちは半減してしまうかもしれないのです。普通に考えれば他店でのライブ告知はマナー違反なわけです。あなたが「みんなそういう告知をしているのだから別にいいんじゃない?」こう思うのでしたらそれでもいいでしょう。しかし、仮に以下のような告知方法であったらどうでしょうか?「次回のライブはまた当店で○月○日に行います。この日も面白いバンドばかり出演しますのでぜひお越しください」。このほうが「21時に自分たちだけを聴きに来てね」というよりも絶対に良いのです。なぜならばこの告知は対バンを聴きに来ているお客さんも聞いているわけです。「この日も面白いバンドばかり出演します」は裏を返せば「今夜もこのライブハウスには面白いバンドばかりが出演している」と明言していることになります。

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つまり、今夜の対バンのお客さんに対して「私もあなたが聴きに来たバンドは面白いと思っています」と伝わっているわけです。こう言えば対バンのお客さんも気分悪くないですよね。まして、ライブハウスはわざわざ組み合わせを考えて対バンにしているのですから「自分だけを聴きに来てくれ」という告知は本来筋違いなのです。こういうことがライブハウス側と出演者側がお互いに理解できている、そういう関係になれれば「お店も出演者も一緒にがんばりましょう」という雰囲気になります。あなたが自分のバンドだけ聴いてほしいと思う気持ちは他のバンドにも伝わりますし、対バンのお客さんにも伝わります。でも出演者みんなが「どのバンドも楽しんでいってください」という風にしていったらそのライブハウスの盛り上がりが変ってきますし、対バン制も成功というわけです。

さて、ここまではライブハウスのステージ上でのMCであった場合の話です。
昨今はインターネット社会ですのでライブ告知もインターネットで行う人がほとんどになりました。
実はこれによって告知ミスも氾濫するようになっているのです。

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■簡単な話、前述の告知方法は危険です。「21時に来てくれ」と書いたのを20時に出る出演者が読んでしまうケースがあるのです。これを読んだ20時に出る出演者はどう思うでしょうか?もうおわかりですよね。友人にだけ読まれると思ったら大間違いというケースは流行りのmixiやtwitterというコミュニケーションツールにも潜んでいます。「この書き込みを読んで私にメールくれたお友達はチケット半額にしちゃうね」みたいな書き込みがたまにあります。さすがに「半額なら行こうかな」と思う人がいるかもしれません。ところがです!上記の書き込みはこういう人を生み出してしまうのです。「半額か、でもお友達はって書いてあるし、私そんなに親しくないからやめておこうかな...」。こう書き込んでしまったことであなたは半額どころか、ファンを半減させているかもしれないのです。さらに先に定価で買った人も読むかもしれませんよね。いつもは友達との連絡で使っているコミュニケーションツールでも大勢の人が読めるものは気を付けて告知する必要があります。

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さて、こうして集まったお客さんがライブハウスには大勢来られたとします。するとあなたはステージでまたこういうMCミスを起こしかねません。「今日はどうもありがとうございました。次回のライブはまたメールとかで告知しますのでぜひよろしくお願いします」。これを言ってしまうとメールで連絡できる人にしかMCしていないことになるのです。それに「あれ、ここにいるのって私以外はメール知っているような知り合いなの?」という人が必ず出てきます。つまり知らずのうちに最低な発言をしていることになるのです。

というわけで、
ライブ告知には思わぬ落とし穴が潜んでいますので
ぜひ気をつけていただきたいと思います。

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mrsato.jpg■PROFILE 佐藤ヒロオ 

1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
        http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html

       □■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
        

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||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1

▼PART-2

▼PART-3

||||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」
第25回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
第26回「その道のプロに学ぶライブに対する考え方。」
第27回「聴いていないお客さんをライブに集中させるテクニック。」
第28回「すぐできる盛り上げ術あれこれ」
第29回「ミュージシャンも客商売。」
第30回「頭が真っ白になった場合の対処法」
第31回「ライブ場所選びもお客さんのことを考えて」
第32回「プロのライブ場所によるステージングの違いから学ぶ。」
第33回「予想と違うMCで意表を突き、和ませる術」
第34回「初対面との人と会った時の会話」を利用した心を開くステージング術
第35回「バスガイドさんに学ぶライブの運び方」
第36回「ライブ後にありがちなシーンの切り抜け方」
第37回「バンドにも不可欠なコンセプト」
第38回「客席と目を合わせることの重要性」
第39回「お客が引いてしまう原因と常識を知る」

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||||| TODAY'S SELECTED★IMAGE |||||

「対バン」と言えば...、
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■日本において最も大規模な対バン・音楽イベントは?と聞かれれば、出演者の数と開催期間を考慮して「フジロック・フェスティバル」(今年も7月29,30,31日の3日間、苗場スキー場で開催)と答えるでしょう。しかし、実際はロックのみならずポピュラー音楽全般から民族音楽まであらゆる音楽を包括したフェスティバルになっています。そうではなく、あるジャンルに特化した強烈な対バンイベントは?となれば、その強烈なインパクトで観る者を圧倒するヘヴィメタの祭典「LOUD PARK」となるでしょう。オーディエンスの熱狂ぶりは他の音楽イベントの追随を許しません。さてそのLOUD PARKの記念すべき1回目の開催は2006年10月14日、千葉の幕張メッセで行われました。主な出演バンドはメガデス、アングラ、アーク・エネミー、アンスラックス、ドラゴン・フォース、スレイヤー、チルドレン・オブ・ボドム、イン・フレイムス、ラム・オブ・ゴッドなどなど、そうそうたるヘヴィメタ・バンドがステージを飾っておりました。とりわけメガデススレイヤーアンスラックススラッシュメタル四天王(Big 4)の内3つの大御所バンドが顔を揃えていたのは圧巻でしたね(残念ながらメタリカはいなかったのですが...)。ヘヴィ・メタル系は正直好き嫌いがかなりはっきりしていると思いますが、あまり得意ではない方もたまには耳を傾けてみるのも一興かと思います。

■ところで、前記したスラッシュメタル四天王はそれぞれキャリアが長いベテラン・バンドでメタリカ、スレイヤー、アンスラックスは1981年、そしてメガデスは1983年の結成。ハードなメンタリティと並外れた体力が要求されるスラッシュ・メタルと言うジャンルを考えると、それぞれ紆余曲折はあったもののほぼ30年の長きにわたり一線級で活躍し今でもバリバリの現役でパフォーマンスできていること自体驚異なのです。昨年の夏もメタリカ、スレイヤー、アンスラックス、メガデスで「The Big 4」なるツアーを行っておりましたね。

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中心メンバーはほぼ全員が1960年前半の生まれなので、皆さん50歳前後の年齢なわけですから本当に凄い!同時に実にかっこいい中年族だとも言えます。まあ、非常に特殊な職業で一般の人間は彼らのようなわけにはいきませんが、気持ちだけでも彼らのようにハツラツとしたモチベーションは持っておきたいものです。さて、そんな四天王の面々の中でもいまだにやんちゃな若造と言った雰囲気を醸し出しているのがメガデス(Megadeth)を率いるデイヴ・ムステイン(Dave Mustein)でしょう。どことなくwickedでanarchyな眼差しとchallengingなアティチュードはデビューした当時のままかもしれません。

そこで今回のTODAY'S SELECTED★IMAGEは、Dave Mustein In Megadethのパフォーマンスをちょっとご紹介したいと思います。ムステインは13度もの来日公演を果たしているだけに、特に思い入れのあるヘヴィメタ・ファンも多いのではないでしょうか。

▼Megadeth - Symphony of Destruction - Argentina DVD

■この「Symphony of Destruction」(邦題:狂乱のシンフォニー)は、1992年にリリース(地元のアメリカより日本で先に発売さ)された5枚目のアルバム「COUNTDOWN TO EXTINCTION」(邦題:破滅へのカウントダウン)に収録された中の1曲。このアルバムは全米チャート初登場2位、イギリス5位、日本でも6位を記録するなどメガデスにとって最大のヒット作となりました。このアルバムはより幅広い層にアピールすると言うコンセプトの基に、従来の難解なリフや複雑な曲展開の方向性はやや影を潜め、アレンジもシンプルでミディアム・テンポの楽曲が中心の構成となっていました。そのため以前からのメガデス・ファンからややもすれば失望されるだろう?などと危惧されもしましたが、結果的に新たなファン層の獲得に成功したようです。今回ご紹介した曲も特に聴きやすいナンバーなのでメガデス初心者?の方もスンナリ入っていけるのではないかと思いますが...。

▼アルバム「破滅へのカウントダウン」
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★Megadethその他の作品はこちらで!
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■昨年、「The Big 4」で仲良く?メタリカともジョイント・コンサートを行いましたが、デイヴ・ムステインはメタリカの最初のギタリストになったものの、ドラッグ中毒、アルコール依存症とそれらに伴う劣悪な素行のためメタリカを解雇された経緯があり、それをバネにメタリカを超えるバンドを作ろうと思い立ち結成されたのがメガデスであると言うのは有名な話。また、複雑な展開のソロやテクニカルかつ攻撃的なリフを正確に弾きこなす(歌いながらいとも簡単に弾いている)などムステインの卓越したギター・スキルや作詞・作曲など音楽的才能の非凡さも誰もが認めるところです。今年の9月で50歳ならんとするムステインですが、円熟味の中にもデビュー当時から持っているメタラー精神は少しも色褪せることなくほとばしり、そのパフォーマンスには「普遍と進化」をプレゼンスしたような感覚を覚えます。
▼因みにメガデス現在のメンバーは以下の通り
デイヴ・ムステイン(ボーカル、ギター)
デイヴィッド・エレフソン(ベース、バッキング・ボーカル)
クリス・ブロデリック(ギター、バッキング・ボーカル)
ショーン・ドローヴァー(ドラムス、パーカッション)

▼Megadeth Official Website
http://www.megadeth.com/home.php

余談ながら...、
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■メガデスと言えばこの人を忘れてはいけません。これも有名な話で、アメリカのミュージシャンながら今や日本に拠点を置き、ギタリストとしてのソロ活動をはじめテレビ番組や映画、CM出演、プロデューサー、音楽評論などなどマルチアーティストとして実に幅広い分野で活躍しているMarty Friedman(マーティ・フリードマン)は、元メガデスのメンバー(ギタリスト)でしたね。1990年に加入して、音楽的見解の相違で2000年に脱退しますが、その間4枚目のアルバム「ラスト・イン・ピース」や前掲の「破滅へのカウントダウン」から8枚目のアルバム「リスク」に参加し、メガデス黄金期の一人として貢献しました。さらにイングヴェイ・マルムスティーン、ポール・ギルバート、トニー・マカパインらと共に速弾きブームの牽引にも一役かっています。メガデスのツアーで来日を重ねるうちに日本通となり独学で日本語の勉強を始め(日本語の勉強が趣味とのこと)、アリゾナ州立大学の日本語弁論大会で2位になるまで上達。「いいじゃん!」「アゲアゲじゃん!」など流暢な日本語を話せるのも納得です。ギタリストとしてのスキルや音楽的感性の高さは言うまでもありませんが、軽いトークながら時折垣間見せる鋭くシニカルな内容も的を射ていることが多く、彼の柔軟かつ洞察力に富んだ話も実に面白い。また、日本人や日本の音楽と言うことに関して、逆に外国人である彼から学ぶこともあったりとかなりユニークな存在であることも間違いありません。

それではメガデス時代のマーティ・フリードマン、冴え渡るギター・ワークを!
▼Megadeth - 1992 - Tornado Of Souls

||||| REFERENCE★WEBSITE |||||
▼METALLICA Official Website
http://www.metallica.com/
★WORKS of METALLICAはこちらでどうぞ
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▼Slayer Official Website
http://www.slayer.net/us/home
★WORKS of SLAYERはこちらで!
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▼ANTHRAX Official Website
http://anthrax.com/NFWS/
★WORKS of ANTHRAXならこちらでどうぞ!
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▼マーティ・フリードマン公式ウェブサイト
http://www.martyfan.com/
★Marty Friedmanの関連作品はこちらで!
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▼「日本一ちっちゃいかもしれないギターコードブック」は、
本のコードブック1冊分に相当する多数の指板図が入っています!

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