「萬屋通信」-2011-3-25「BLOCKBUSTER -THRILLER-」
~タイトル・トラックの創造主?Rod Tempertonに少し迫ってみたい~
PRESENTED by ZAKK
更新日11.03.25
3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、
被害を受けた皆様に、お見舞い申し上げるとともに、
亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
国民ひとりひとりが被災地の方々の救済を最優先に日本全体の復興、将来のために何をすべきかを考え行動に移さなければなりません。人間ひとりの力は微力ながらも、たくさん集まれば大きなパワーが生まれるはです。この未曾有の難局を乗り切るために、今こそ日本中の人々が一致団結して協力し合わなければいけない時です。
今のところ自分は日々の節電と非力ながら少しでも多く募金すること以外、直接的に何の役にも立てませんが、震災の被害に遭われた皆様の健康と一刻も早く安定した平和な生活を取り戻せることができるよう心より願っております。
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■110以上もの国々や地域の皆さんが支援、復興のために駆けつけ、各国では様々な募金活動が始められています。また国内アーティストはもちろん、海外のアーティストも被災された方々、そして日本のためにたくさんの支援活動を行っています。本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、なによりも今も命がけで任務にあたっている原発関係者をはじめ消防署員、自衛隊員、警察官の皆様、そして被災地で救助活動をされている方々は、どんなに多くのねぎらいの言葉も足らないほど厳しい状況下で作業をしております。どうか万全を期して気をつけて下さい!と願うばかりです。これほど破壊的で甚大な被害なだけに、復興するにはかなりの歳月が必要になるとのことですので、我々ひとりひとりが、長きにわたり日常の中でいかに協力しあい継続して支援活動を続け、被災者の方々を応援し、行動に移す心掛けが大切なのでは!と思います。
■「平成23年東北地方太平洋沖地震」に関する募金の情報はこちらで!
さて...、東北関東大震災のショックで情報更新どころではありませんでしたが、YOU-NEXTも前に進まなければいけません!本日からRE-STARTしたいと思います。この重く辛い状況の中、非力ながら少しでも気分転換になれれば良いのですが...。
震災後まもなく、We Are The Worldのメロディをバックに「PRAY FOR JAPAN」と題した熱い応援メッセージの映像を見ました。そこには被災者の方々を、日本を励ますたくさんの心温まるメッセージがありました。そして世界はひとつ!とWe Are The Worldのチャリティー精神を世界中に大きくアピールした立役者のひとりがマイケル・ジャクソン!今回はそのマイケル・ジャクソンと関りの深いあるコンポーザーをご紹介したいと思います。
■マイケル・ジャクソンの最も知られているアルバムと言えば...?いろいろあるでしょうがなんと言っても「Thriller」(スリラー:1982年リリース)ではないでしょうか。ご存知の方の多いと思いますが、このアルバムは2006年(11月15日)のギネス世界記録で認定されたように全世界で最も売れたアルバムで、売り上げが1億400万枚以上(現在は1億500万枚以上とのこと)の超・驚異的なビッグ・ヒットとなりました。アメリカ国内だけでも推定で2,800万枚のセールスとなっています。また、シングル・カットされた作品が最も多いアルバムとしても認定されています。
このアルバムに収録された楽曲はいずれも秀逸のものばかり。現に収録された9曲中、7曲がシングル・カットされていることからもそれがよく分ります。ちなみに枚数は分りませんが、最も売れたシングルは「Billie Jean」(ビリー・ジーン)だそうです。しかし、PV効果もあってか最も印象深い曲はなんと言っても最後にシングル・カットされたタイトル・トラックである「Thriller」でしょう。今でもそのインパクトが衰えることのない「スリラー」ですが、さて、この曲を作曲した人物をご存知でしょうか?マイケル・ジャクソンが作った曲では!とお思いの音楽ファンの方も多いのでは・・・?「好きで聴いていただけなので、あえて作曲者を知る必要もないし、そんなのどうでもいいじゃん」との声も聞こえてきそうですが、そうおっしゃらずに無邪気な音楽的「知層」のひとつだと思って、どうぞ最後までお付き合い下さい。
BLOCKBUSTER 「THRILLER」
TITLE TRACK COMPOSER
~ROD TEMPERTON(ロッド・テンパートン)~
■怪物アルバム「スリラー」のタイトル・トラック作曲者は「Rod Temperton(ロッド・テンパートン)」。1947年10月15日生まれのイギリス人(コンポーザーにしてレコード・プロデューサー)です。彼のアウト・ラインを簡単にご紹介しますと...、
『幼い頃からずっと父親が毎日かけていたラジオを聞きながら育った。この環境は彼の音楽人生に大きな影響を与えた。学校に行くになってからバンド合戦に参加するためバンドを作りドラムを担当する。卒業後、冷凍食品会社の事務員として働き始めた。しかし、まもなくしてフルタイムのプロ・ミュージシャンとして活動するようになる。担当楽器はドラムからキーボードとなり、いくつかのダンスバンドで演奏。やがてドイツに渡る。1972年、テンパートンとギタリストのBernd Springerは「Sundown Carousel」と言うソールのカバーバンドを結成。クラブやGIバーで古いハモンドオルガンを演奏し活動を続けた。
1974年、テンパートンはMeldy Makerの掲示板(メンバー募集の広告欄)がきっかけでJohnnie Wilder Jr.の代わりにファンク・ディスコ・バンド「Heatwave」のメンバーとなる。Heatwaveは当時Wilderが作ったバンドで、このバンドで演奏すると同時にJohnnie Wilder Jr.へも曲を提供するようになる。ロッド作の「Boogie Nights」はイギリス、アメリカでバンドブレイクするきっかけとなった。「Always and Forever」とともに100万枚のセールスを記録。テンパートンの一連の仕事はクインシー・ジョーンズの目にとまる。作曲活動に専念するためHeatwaveでのバンド活動は辞めたが、曲はHeatwaveへ提供し続けた。1980年代のはじめにドイツを離れカリフォルニア・ビバリーヒルズに移り住む。1979年、ウインシー・ジョーンズからマイケル・ジャクソンのソロ・アルバム「Off The Wall」のための曲を書いてくれないかと依頼を受ける。このアルバムはマイケルにとって独り立ちすべくフルのソロ・アルバムであった。テンパートンは3曲書き、その内の「Rock With You」はアルバムからシングルカットされ全米1位となる。そしてくだんのアルバム「Thriller」でもタイトル・チューンの他にBaby Be Mine、The Lady In My Lifeの3曲を書き上げた。』
その後もマイケル・ジャクソンやHeatwaveの他に、以下のような一流アーティストに曲を提供してきました。
James Ingram & Michael McDonald、Rufus、The Brothers Johnson、Donna Summer、Quincy Jones、Herbie Hancock、Aretha Franklin、Jeffrey Osborne、Bob James、The Manhattan Transfer、George Benson、James Ingram、Anita Baker、Patti Austin、Second Image、Michael McDonald、Stephanie Mills、Karen Carpenter、LL Cool J featuring Boyz II Men、Mariah Carey、Rufus & Chaka Khanなどなど...(順不同)
■この中でPatti Austin & James Ingramのデュエットが光った「Baby Come To Me、そして同じくJames IngramとMichael McDonaldとのコラボが実に渋かった「Yah Mo B There」の2曲が個人的には強く印象に残っています。
▼Patti Austin &James Ingram - Baby, Come To Me (Live)
※この曲はPatti Austinのアルバム「Every Home Should Have One」(1981年リリース)の収録で、最初からPatti AustinとJames Ingramとのデュエットを想定して作られた曲だそうです。1982年にシングル・カットされましたが、当初はヒット・チャートでも73位と低迷していました。しかしながら、ABC制作の番組において主題歌として採用されてからこの曲への問い合わせが殺到し、レコード会社は再リリースすることとなりました。結果、1983年のはじめにはビルボードHOT100&Adult Contemporaryチャート部門で1位に輝く大ヒットを記録。因みにバック・ヴォーカルにはMichael McDonaldが参加。プロデューサーはQuincy Jones!また、Alexander O'Neal and Cherrelle, the Captain and Tennilleなど多くのミュージシャンもこの曲をカバーしています。尚、Baby Come To Meの邦題は「あまねく愛で」
▼Album「Every Home Should Have One」

★Patti Austin⇒その他の作品はこちらで!
▼James Ingram and Michael Mcdonald - Yah Mo Be There (LIVE!)
※James IngramとMichael Mcdonaldの男性ヴォーカル・デュオによる曲で、James Ingramのアルバム「It's Your Night」(1983年リリース)の中の1曲。1983年の終わりにシングル・カットされ、アメリカ、イギリスではそれぞれ10位代にランク・イン。爆発的なヒットとは言えないかもしれませんが、そのクォリティーの高い2人のパフォーマンスが認められう、1985年、グラミー賞においてヴォーカル・グループのBest R&B Performance賞を獲得しています。この曲もプロデューサーはQuincy Jonesです。最近は男性ヴォーカルのデュオは非常に少ないようですが、英米ともで首位を獲得したポール・マッカートニーとスティーヴィ・ワンダーとの「エォニー&アイボリー」など、1982年頃は優れたデュオ作品がありました。そう言えば、アルバム「スリラー」の中の1曲「ガール・イズ・マイン」ではマイケルとポールのデュオでしたね。因みにクリップを見るとギターがリー・リトナー、ベースもエイブラハム・ラボリエルとバックも豪華です。Yah Mo Be Thereの邦題は「歓喜の調べ」
★James Ingramの作品はここでチェック!
■ThrillerはもとよりBaby Come To Me、Yah Mo Be Thereと作曲家ロッド・テンパートンとプロデューサー、クインシー・ジョーンズとのコンビネーションから生まれた音楽には、ジャンルを超越した特別な「ゆらぎ」がありますね。前記したようにマイケルのアルバム「Off The Wall」で3曲提供したわけですが、タイトル・トラックの「オフ・ザ・ウォール」と「ロック・ウイズ・ユー」の大ヒットがアルバム成功の大きな鍵を握っており、音楽ファンの中ではこのアルバムがマイケル・ジャクソンの最高傑作と言う人もいるくらいです。そして、このアルバムに続いて出されたのが「Thriller」です。マイケル・ジャクソンの才能からすれば超が5個つくらいつくスーパー・スターになるもの時間の問題でしたでしょうが、辣腕プロデューサーであるクインシー・ジョーンズはもちろんのこと、それを加速させた功労者のひとりとしてロッド・テンパートンはより大きな役割を担っていたと思います。テンパートンの才能をいち早く見抜いたクインシー・ジョーンズも最高のソングライターと称賛しているほどです。実は、日本でもロッド・テンパートンの熱烈なファンは結構いるようですね。歌詞の内容はさておき、哀愁がほのかに漂い、控えめながらもの凄いエモーションを放ち、テンダーでありながら時に力強く、スリリングに展開される彼のメロディは、心のひだをくすぐるソフィストケイトされた感動を与えてくれます。
因みに...、
「スリラー」の曲名についてですが、作曲・作詞とも担当していたテンパートンはホテルの部屋で2~300くらいのタイトルを考え当初は「Midnight Man」に決まりかけたのですが、次の朝、この一言こそがビルボード・チャートのトップを飾るタイトルとして相応しい!とばかり何かにインスパイアされたかのように「Thriller」が思い浮んだそうです。実際、商品としていかにインパクトのあるタイトルをつけたら良いのか?このあたりの感覚も実に鋭いものがあったんですね。確かに「Midnight Man」では2流のサスペンス映画のタイトルみたいでどこかピンとこないかも?ですね。
最後に・・・、
Melody Maker(メロディ・メイカー、以下MM)は、1926年に設立された最古の「音楽専門週刊誌」(Weekly Newspapaerながらコンセプトは雑誌である)。しかし、発売部数の落ち込みなどから2000年には、長年のライバル関係にあった同じくイギリスの音楽紙NME(New Musical Express)に吸収合併されました。
MMは本格的な音楽雑誌として、多くの音楽ファンに様々な情報を提供してきたのは言うまでもありませんが、それに加えその広告面でも幾度となくエポック・メイキングな役割を果たしたことがあります。つまりバンドがMMにメンバー募集やオーディションの広告を出すことによって、卓越した人材が集まったのです。その一例として1973年、ヴォーカルを探していたディープ・パープルが、当時全く無名に近かったデイヴィッド・カヴァーデイルをMMでの広告で発掘できたことなどが挙げられます。MMでの広告がなければ、もしかしたらカヴァーデイルは世に出ていなかったかもしれませんね。テンパートンもMMの縁でHeatwaveのメンバーになり、その結果としてコンポーザーとしての大成功を収めることになったわけですね。そこには、クインシー・ジョーンズからのオファーでマイケル・ジャクソンのアルバム制作に加わりスマッシュ・ヒットを連発することによって、テンパートンはさらなる飛躍を遂げ、マイケル・ジャクソンもクイシー・ジョーンズとテンパートンと言う最強のバック・アップを得ることによって、「King Of Pop」への座を最短で掴むことができたのかもしれません。
■いつも思うことですが、アーティストが大きな飛躍を遂げる時、そこにはキーとなる「人」、あるいは「モノ」との運命的な出合いみたいなものが往々にしてあるようです。もともと才能があるので、仮にその偶然の出会いがなくてもいずれ日の目を見ることにはなるのでしょうが...。また、スーザン・ボイルのように劇的なターニング・ポイントがあって埋もれた素晴らしいアーティストが世に出てくることもあるわけで、今やインターネット時代がその傾向に拍車をかけていうようです。ですから、私も含め?年齢に関係なくアマチュア・ミュージシャンの方々もどこでドラスティックなチャンスが待っているかもしれませんので、地道に活動を続けることが大切かもしれませんね。
余談ながら...、
アメリカ国内に限った話ながら、これまで最も売れたアルバムは「スリラー」かと思っていたのですが、どうやら違ったみたいです。Wikipediaによると「スリラー」は全米レコード協会調べで約2,800万枚のセールスと言うことですが、その記録を抜いたのがイーグルスのベスト・アルバム「グレイテスト・ヒット 1971-1975」(1976年リリース)で推定2,900万枚だそうです。また、1982年に発売された第2弾ベスト「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」もアメリカ国内だけで1,100万枚以上の売り上げ、世界では4,100万枚以上と世界で最も売れたベスト・アルバムとなっています。現在はオールタイム・ベストなどもいくつかリリースされ、それでも90年代以降も今日に至るまで確実に売上を伸ばしているとのこと。まさに恐るべしイーグルス人気です。7年ぶりとなった今年3月の日本公演でも珠玉のステージを魅せてくれました。
▼Their Greatest Hits 1971-1975(Greatest Hits '71-75) -Remaster

※HMV レビュー
1976年にリリースされたイーグルスの初のベスト盤。ウエスト・コーストのイメージを決定付けた冒頭曲、全米ナンバーワン・ソングのM6や10、グラミーにノミネートされたM3など彼らの1971年から1975年までの代表曲の数々が聴ける。M5を除くすべてがチャートインした楽曲で占められており、因みに本作自体も、当然の如く全米ナンバーワンを記録している。
【1976年-5週連続全米No.1アルバム】
★EAGLESその他の関連作品はこちらで!
★Michael Jacksonの作品集はここで!
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