「パフォーマンスの壺」
第45 回「ライブハウス以外で演奏する場合の心得」
PRESENTED by HIROO SATO
更新日11.06.20
人前で演奏する場合のMCはどこでやるかによって大きく変わります。さらにどういうきっかけでその演奏をすることになったのか?これによってもまたその内容は変化していきます。ロック系などのライブハウスではおおよそ、自分たちの言いたいこと伝えたいことがMCということになるでしょう。
ところが、それ以外の場所、たとえば、
レストランで演奏する場合はいかがでしょうか?
■やはり自分たちの伝えたいこと、やりたい曲だけで行うでしょうか?そこにいるお客さんは全員、あなたのバンドを聴きにきたわけではないかもしれません。にも関わらず、「今日はこちらのレストランで演奏してみたいと思います。みなさんいつもいろんな場所に聴きに来てくれてありがとう。じゃあ1曲目は...」。こういうMCしちゃうバンドっているんです。けっこう。まあ、KYなんです。でも、普通のライブハウスにしか出演したことのない人にとってみたら、「じゃあどう言えばよかったんですか?」って思う人もいるかもしれませんね。わかりやすく例を上げましょう。
はじめは、○×レストランのオーナーさんから
「うちのレストランで一度演奏してくれないかなあ...」
と頼まれた場合です。
この場合、「私たちのライブに来てくれてありがとう」ではありません。「みなさま、○×レストランへお越しくださいましてありがとうございます。今夜は当店○×レストランとしては珍しく生演奏を聴いていただきながらおいしいお食事を楽しんでいただきます。みなさまのお相手をさせていただく、佐藤バンドと申します。今夜はよろしくお願いいたします」。こんな挨拶が普通になります。ここで大事なのがバンドは呼ばれただけで、いつもそこでバイトしているわけでもないのに「当店○×レストランへ...」と言っているところです。どういうことかと言いますと、レストランのオーナーに呼ばれた=雇われたということになるのです。要は一日だけバイトしている、もしくは働いていると考えるのが正解です。
なぜなら何も知らずに○×レストランへ食事に来たら演奏やっていたというお客さんにしてみれば佐藤バンドはお客さん側には見えません。どちらかといえば、いえいえ、明らかにお客さん側ではなくレストラン側の人に分類するからです。食事を作る人、食事を運ぶ人、演奏する人、これらはお客さんから見ればお店側の人となります。たとえ、一日だけ呼ばれただけの佐藤バンドであってもそこにやってくるお客さんを間違っても自分を聴きに来たと勘違いせず、お店に食事に来た人だと思って接するべきなのです。万が一、佐藤バンドの演奏やMCが気にいってもらえなかったらもう○×レストランに来てくれなくなるかもしれないのです。その責任を佐藤バンドはどう取れますか?それとも佐藤バンドを呼んだ○×レストランのオーナーが悪いと責任を押し付けますか?
お店のお客さんに「楽しかったわよ。あなたたちまたここでやってね」と言われることが一番なのです。そうでなければ○×レストランに出演しないほうがレストランにとってはよかったのかもしれませんから。ですのでお店に呼ばれて演奏するというのは思いっきり責任があることなのです。ところがレストランのオーナーがどんなに音楽が好きな人だったとしてもステージングに関しては素人である場合がほとんどです。ゆえに「こんな風にMCしてくれないか」というアドバイスなどはまずしてきません。というか教えられないのです。ですので、出演する側がしっかりとした意識を持っていなければならないわけです。当然ながらお薦めメニューなんかのこともMCには入れたり、オーナーの趣味だのなんだのとレストランのお客さんに喜んでいただけるような話題も不可欠です。自分たちの宣伝なんかこれっぽっちも要りませんので、勘違いしないように注意してください。
それから、同じ○×レストランだとしても
場所を借りての貸切ライブという
ケースもあるかもしれませんね。
■お客さんは全員、佐藤バンドのお知り合いだとしましょう。この場合ではお店のスタッフの気分でMCをするというのとは少し違います。最初のMCは「今夜は佐藤バンドのライブに来てくれてありがとう」と言ってもかまいません。しかしながら、普段とはまったく雰囲気の違う演奏場所である○×レストランでライブをしているのですから、「このレストランをみんなに知ってほしくてここでライブをしています」という立場に回るのが一番妥当です。「食事もおいしいし、オーナーはいい人だし...」など教えたいことはいっぱいあるはずです。佐藤バンドを聴きに来たお客さんに「おいしいレストランだったね。今度また食べに来ようかな」って言ってもらえること。それが、佐藤バンドが演奏場所として○×レストランを選んだことが正解だったという結論になるのです。
では同じ飲食店でもちょっと違ったシチュエーションの例を。
■そればバーライブです。最近はバーでライブをするというケースが増えています。バーですので大音量は出せません。ギターやピアノの弾き語り、もしくはデュオなんかが一番多いはずです。バーのマスターに呼ばれて演奏する場合、これはお店にもよりますが、出演するあなたはライブを飲みに来ているお客さんのBCMにしてはなりません。まず考えるべきは「何のためにバーでライブをするのか?」これです。たまに「バーライブなら店に客もいるだろうし、ファン増やしたいし、ギャラもくれるだろうし、ちょっと出させてもらおうかな」と安易な考えを持っている人がいます。そういう人は「俺もここで歌わせてもらえませんか?」とか初めて行った店でマスターに声を掛けたりします。マスターは「めんどくさい奴がまた来た」と思っていますよ。どういうことか説明して行きますので読んでみてください。
わかりやすく極端な例を書きますね。
ライブをしていない時間のバーはお客さんは何を求めて来ているのでしょうか?「そりゃお酒を飲みに来ているんでしょ」。違います。誰かと会話したいんです。酒なら家でも飲めますから。ではそのバーのマスターはそのことを知っているでしょうか?当然です。とするとマスターは一日中お客さんたちと会話をしなければなりませんよね。バーの仕事はお酒を出すことではなくて、お客さんとの会話なのです。「そんなことは知っているぞ」と思われたあなたに質問です。じゃあ、バーでのライブはどうすべきでしょうか?正解を発表します。バーのマスターの面白い話や聴き上手な会話術よりもあなたのライブが勝らなければならないのです。でなければライブはお客さんにとって迷惑なだけなんです。つまり、マスターとの会話よりも楽しい時間を提供できないミュージシャンはそのバーには必要ないということなのです。
さて、ライブ中のマスターはどういう思いでいるかおわかりでしょうか?これまた正解はこうです。「あー、これで会話しなくてすむぞ。しかもお客さんが盛り上がっているから一挙両得だな」。驚くかもしれませんが実はこうなんです。でもそこに選ばれし出演者はマスターが認める実力者ということにもなっているのです。なので簡単に「俺もここで歌わせて下さい」とか言わない方がいいのも納得いただけると思います。完全に自分たちのやりたいようにやるライブ、これは自分たちがチケットを売って出演するようなライブハウスか、もしくはライブハウスを貸し切る、これが一番望ましいと思います。
ただし、誰もを楽しませるライブが
できるようになるに越したことはありませんよね。
実はハードルは高くありません。
場所によってのライブの仕方をわかっているか
いないかだけの違いなのです。
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■PROFILE 佐藤ヒロオ
1962年9月18日生まれ。ライブハウス、「荻窪ルースター」、「Rooster NorthSide」オーナー。音楽雑誌などの執筆他、著書に『荻窪ルースター物語』(ポット出版)がある。
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▼「地階から胃薬」
このコーナーはルースター総支配人による不定期更新のコラムです。ルースターの事、総支配人の事、出演者の事、お客様の事をはじめ、ルースターにまつわるいろんな事柄をご紹介しております。お茶でも飲みながらゆっくりとご覧くださいませ。
http://www.ogikubo-rooster.com/main/column/index.html
□■「荻窪ルースター物語」インタビュー by YouTube■□
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■セッションの詳しい情報はコチラをご覧下さい!
http://www.ogikubo-rooster.com/north/session.html
||||| ROOSTER NORTHSIDE BLUES SESSION |||||
■毎週(月曜日)、「ルースター・ノースサイド」で行われております「BLUES SESSION」の模様を一部VTRにしましたので、お時間のある方は是非ともご覧下さいませ。セッションに参加された皆さん、楽しそうに演奏しておりました。
▼PART-1
▼PART-2
▼PART-3
||||| 「パーフォーマンスの壷」BACK NUMBER ||||||
第01回「ライブステージング術」
第02回「ブルースセッションの楽しみ方」
第03回「うまい拍手の取り方」
第04回「見知らぬお客さんへの配慮を忘れずに」
第05回「してはならない身内ノリ」
第06回「客席との会話が最終的な盛り上がりへ導く」
第07回「ライブ中に困った場合の対処法」
第08回「バンドメンバーをものせてしまうテクニック」
第09回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART1-
第10回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」-PART2-
第11回「ライブ成功の鍵はライブの前の挨拶から」
第12回「ライブ前の知り合いへの挨拶は控えめに」
第13回「お客さんに一緒に振り付けをしてもらうテクニック」
第14回「ライブパフォーマンスはバンド全員でこそ。」
第15回「選曲方法をもう一度考えてみる。」
第16回「自分を下げてお客さんを上げるステージング術」
第17回「おやじバンドの初ステージ!」
第18回「ライブハウスでのリハーサルの仕方。」
第19回「人に見られることを鍛えてみる」
第20回「人の技みて我が技増やせの巻」
第21回「ライブの流れを決めるキーワードの巻」
第22回「ステージと客席の壁はなぜできるのかの巻」
第23回「お客さんが少ない時のライブ方法」
第24回「言ってはいけない言ってしまいがちなMC」
第25回「MCが苦手な人のほうが正しいMCが上手になる?」
第26回「その道のプロに学ぶライブに対する考え方。」
第27回「聴いていないお客さんをライブに集中させるテクニック。」
第28回「すぐできる盛り上げ術あれこれ」
第29回「ミュージシャンも客商売。」
第30回「頭が真っ白になった場合の対処法」
第31回「ライブ場所選びもお客さんのことを考えて」
第32回「プロのライブ場所によるステージングの違いから学ぶ。」
第33回「予想と違うMCで意表を突き、和ませる術」
第34回「初対面との人と会った時の会話」を利用した心を開くステージング術
第35回「バスガイドさんに学ぶライブの運び方」
第36回「ライブ後にありがちなシーンの切り抜け方」
第37回「バンドにも不可欠なコンセプト」
第38回「客席と目を合わせることの重要性」
第39回「お客が引いてしまう原因と常識を知る」
第40回「ライブ告知に潜む落とし穴。」
第41回「パーティにはやりたい曲よりも盛り上がる曲を。」
第42回「行きたくなるライブ告知の仕方」
第43回「自分たちがメインではない場合のライブ方法」
第44回「エンターテイメントは計算ずくで」
||||| TODAY'S SELECTED★IMAGE |||||
今回YouTubeからピック・アップしたいSELECTED★IMAGEは...、
ジメジメして何かと鬱陶しい梅雨空が続いておりますので、少しでも爽やかな気分になれそうな曲をご紹介したいと思います。
Chris Rea(クリス・レア) ~On The Beach~
※この曲は1986年にリリースされた8枚目のアルバム「On The Beach」のタイトル・チューン。1987年「マツダのエチュード」のCMでBGMに使われていましたね。当時、この渋くてかっこいい曲はかなりのインパクトがありました。このCMでクリス・レアを知りファンになった方も多いのではないかと思いますが...。あれからなんと25年も経っているとは驚きです。
しかし、清涼感があって爽快な夏を見事なまでに連想されてくれる曲なのでしょうか!このクリップはライブ映像ですが、PVを観ると夏の清々しい海風の中にいるような気分にさせてくれます。ソング・ライティングの質の高さは言うまでもありませんが、クリスの深みのある歌いっぷりも秀逸です。
■せっかくですので、クリス・レアのアウト・ラインも簡単にご紹介しておきます。クリス・レアは1951年3月4日にイギリス、ミドルズバラで生まれ。「レア」の本当の発音は「リーア」と言うのだそうです。彼はヴォーカル、ギタリスト、作曲家、ピアニストそして映画俳優といろいろな顔を持っています。そしてB.B.KINGはクリスにとって憧れのアーティストでありライ・クーダーやジョー・ウォルシュにも影響を受けているように、AORの素敵なオジサン的イメージがあるかもしれませんがルーツはブルースです。またスライド・ギターの名手でもあります。しかしながら、遅咲きのタイプでギターを始めたのが22歳で、メジャー・デビューも27歳になってから。
1973年、かのデヴィッド・カヴァーデイルが脱退したばかりの「マグダリーン」(※後にビューティフル・ルーサーと改名。音楽誌「Melody Maker」の1975年度の最優秀新人賞に輝く)に加入してから本格的な活動をスタートさせます。バンドを解散し1978年にソロのデビュー・アルバム「Whatever Happened To Benny Santini?」(邦題:「何がベニーに起こったか?」)を発表しグラミー賞にもノミネートされ話題になりました。そして本格的なブレイクは1986年、通算8枚目にあたるアルバムからのタイトル・トラック「オン・ザ・ビーチ」のヒットからで、翌年には、初の来日公演を果たしています。その後も、1989年にリリースされた「ロード・トゥ・ヘル」からのタイトル・トラックが、本国イギリスでようやく初のトップ10ヒットとなり、アルバムのほうもNo.1に輝く大ヒットを記録。続く1991年のアルバム「オーベルジュ」も、イギリスのチャートでNo.1を獲得。「ゴッズ・グレイト・バナナ・スキン」(92年)、「エスプレッソ・ロジック」(93年)、「ラ・パッショーネ」(96年)、「ブルー・カフェ」(00年)、「ストウニー・ロード」(03年)とコンスタントにしてマイペースでアルバムを発表していきます。2000年後半以降もブルース・アルバムをリリースしたり、ツアーに出たりと地道に活動を続けているようです。聞くところによりますと今年中に新作のアルバムをリリースとのことですが、詳しいことはよくわかりません。
※クリス・レアは7人兄弟、姉妹ということもあってか、デビュー前は道路工事からセールスマンまでさまざまな職を転々としていたようでかなりの苦労人と言えるかもしれません。また、膵臓の疾患(詳しいことは分かりませんが恐らく膵臓がんではないかと思います)の手術をしています。術後の生存率は50%と宣告された彼は「もし生き残れたら自分のルーツであるブルースを演奏したい。ブルースは俺の最初の恋人みたいなものだから・・・。」と話していました。なので2001年以降、彼のアルバムはブルースを基調にしたものが多くなっています。
洗練さとアーシーさと併せ持つ素敵なミュージシャン!そしてブルースを愛して止まないクリス・レア。声とギターの一音一音にクリスの魂が吹き込まれているかのようなアティチュードが感じられます。そんな思いで改めてこの大ヒット曲「ON THE BEACH」を聴いてみるのも一興かと思います。もちろん「フール」「ナッシング・トゥ・フィアー」「ジュリア」「ドライビング・ホーム・フォー・クリスマス」...などなど、他にも良い曲がいっぱいあります。
クリス・レアも今年でメジャー・デビューから33年目を迎え、60歳になりました。もともとハデなタイプではなく職人のようないぶし銀のパフォーマンスを信条としてきたアーティストなので、還暦になってもその魅力は衰えることがなく、むしろ年齢を重ねるごとにますます渋くかっこよくなっているような気がします。
まったくの余談ながら、あの「若大将」加山雄三さんは今年で74歳とのこと。昨年「座・ロンリーハーツ親父バンド」(加山雄三とザ・ヤンチャーズ)で元気よく歌っておりましたが、とっくに老人の域に達しているにもかかわらずこれほどかっこよく、スマートにパフォーマンスできる日本人ミュージシャンはそうそう滅多にいるものではないのでは?と思ったりもしました。因みに、加山さんこそは日本ポップス界におけるシンガー・ソング・ライターの元祖と認識している音楽ファンも多数いるわけですが、そのような方が現役で今も活躍しているのは嬉しい限りです。
★Chris Reaの名曲を集めた「Very Best Of」

☆★Chris Reaその他の作品はこちらをご参照下さい!★☆
▼Chris Rea Official Website
http://www.chrisrea.com/
||||| EXTERNAL★LINKS |||||
▼部屋の中で遊べる「IRCヘリコプター」
一度やったら病み付きになります!

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