「萬屋通信」-2011-9-10「First Lady of Bass - CAROL KAYE -」
~敬愛すべき女性セッション・ミュージシャン、キャロル・ケイに出逢えて~
PRESENTED by ZAKK
更新日11.09.10
残暑お見舞い申し上げます。
9月に入り朝夕いくぶん秋めいた風を感じる今日頃ごろですが、まだまだ暑い日が続きそうです。9月は台風のような自然災害にも注意しなければいけなりませんし、また何かと季節の変化が顕著な時期ですので、体調管理には十分お気をつけ下さい。
さて、久々となってしまった「萬屋通信」ですが、今回は1950年代から活躍し今日も地道に活動を続けている、尊敬すべき素晴しい女性セッション・ミュージシャンをご紹介したいと思います。
常々思うのですが...、音楽って世界中に数限りなく存在しており全ての楽曲を聴くことは不可能なわけで、自分がいつも好んで聴いている音楽はほんの一部に過ぎません。また当然のことながら知っているアーティストも限られたものになってしまいます。もちろんそれはそれで良いのですが、音楽の楽しみ方のひとつに自分が全く知らないアーティストとの出逢い!というのもあると思います。ある人にとってはごく当たり前に知っているアーティストでも、別の人にとっては未知の存在だったりします。残念ながら今の日本の音楽業界ではコマーシャリズムの関係からか偏った情報が多く、幅広くジャンルを超えて未知の素晴しいアーティストに遭遇する機会がかなり少ないような気がします。
そんなこんなで、ZAKKとしてはこのコーナーにおいて、ひとつのベクトルとしてそのような埋もれたリスペクタブルなアーティストをひとりでも多くご紹介していければと思うのであります。新たな発見が思いがけない感動を生むことも多いのでは?
そこで本日は...、伝説のL.A.セッション・ミュージシャン
Fisrt Lady of Bass - Carol Kaye(キャロル・ケイ) -
を少しご紹介してみたいと思います。
■以前からモータウン・サウンドがお好きな方やちょっとした音楽通ならすでにご存知のことかと思いますが、多くの音楽ファン、特に若い方々にとってはまさに「初耳」なミュージシャンではないでしょうか(かく言う私も実は最近に彼女の存在を知ったばかりなので偉そうなことは言えませんが...)?キャロル・ケイはベーシスト&ギタリスト、さらに先生として1950年代から今日まで60年近くマイペースで活動を続けております。今でこそギタリストに限らずドラマー、ベーシストなど多くの優秀な女性ミュージシャンが当たり前のように世界中の音楽シーンで活躍しておりますが、戦後間もない1950年代当時、アメリカの音楽業界では男社会の意識が大変強く、その中で女性ミュージシャンが男性のツワモノ・セッション・ミュージシャン相手に堂々と渡り合うことは至難の業だったようです。しかしそんな状況下でキャロル・ケイは、その卓越したスキルと類まれなる音楽センスで若くして並み居る一流ミュージシャン達を唸らせ、やがて信頼をも勝ち取り、プロデューサー、音楽ディレクターからもリスペクトされる存在にまでなったと言うのですから、まさにスーパー・ウーマンであり、同時に元祖Female Session Musicianと呼ぶに相応しい偉大なパイオニアだと思うのですが...!
||||| LOOKING BACK TO CAROL KAYE |||||
■キャロル・ケイなる女性ミュージシャンはどんなアウト・ラインなのでしょうか? 1935年3月24日生まれ、米・ワシントン州ヴェレット出身。ご両親がプロの音楽家ということもあり天性の才能があったようで、14歳の時にはプロとしてギターを教えていたそうです。まずはギタリストとしてプロ活動が始まったわけです。1950年代には多くの著名なミュージシャンと共にロスアンジェルス中のナイト・クラブでビーバップ・スタイルのジャズ・ギターを弾いていました。彼女の話によれば1957年の後半、偶然にもSam Cookeとのセッション・ワークからスタジオ・ミュージシャンとして活動をするようになったとのこと。そうこうそているうちに1963年のある日、キャピタル・レコードでのセッションで予定していたベーシストが参加できなくなり、代わりにベースを弾いて欲しいと頼まれ、ここからベーシストとしても本格的なキャリアがスタートしたようです。
当然、ベーシストとしてもケイのパフォーマンスは高い評価を得ました。多くのセッション・ワークをこなしてきましたが、その中での一例を挙げるとThe Beach Boys 「California Girls」「Good Vibrations」、The Monkees 「I'm a Believer」、Simon & Garfunkel「Scarborough Fair」、Barbra Streisand「The Way We Were」、Doors「Light My Fire」などなど...、大ヒットしたこれらの曲でも実はケイがベースを弾いていたのです。1960年代以降、Billboard Hot 100に登場するレコードにおいて、彼女がレコーディング・セッションに参加した曲はかなりの数に上るようです。さらにSTEVIE WONDER「I WAS MADE TO LOVE HER」やFOUR TOPS「REACH OUT I'LL BE THERE」など、「モータウン・レコード」においても珠玉のベース・ラインを数多く披露しておりました。とにかく、これまで10,000枚以上のレコーディング・セッションに参加したというのですから本当に驚きです。ケイが演奏に関わったミュージシャンを挙げると(ほんの一例ですが)、The Beach Boys, Glen Campbell, Ray Charles, Herb Alpert, Joe Cocker, Elvis Presley, Lou Rawls, the Righteous Brothers, Simon and Garfunkel, Joe Pass,Frank Sinatra, Nancy Sinatra, Sonny and Cher, Barbara Streisand, Dean Martin, and Roger Millerなどがおります。
そして、音楽を多岐にわたって革新的に楽しんだマインド・フリーでありマルチ・プレイヤーのケイはレコード・セッションの他に、TVドラマや映画の世界でもその実力を遺憾なく発揮し、数え切れないくらい多くの作品のテーマ曲やサントラのレコーディングにも参加しました。例えばTVドラマでは、~中高年以上の方はよくご存知かと思いますが~「スパイ大作戦」「ハワイFIVEO」「鬼警部アイアンサイド」「それいけスマート」「ワンダー・ウーマン」「刑事コジャック」などがありますね。特にスパイ大作戦のあの印象的なイントロのベース・ラインはもうお馴染みですね。また映画でも、若き日のSteven Spielbergのデビュー作「激突」にはじまり多くの作品のサントラ制作にも加わりました。
また、14歳からギターを教えていたように「音楽の教師」としての活躍も見逃せません。Mike Porcaro、John Claytonなどを含め多くの生徒にベースを教えていました。1969年のはじめ、ケイはエレキ・ベースの教則本「How To Play The Electric Bass」を出版します。それは後の教則本やDVDのさきがけとなり、以後も「Electric Bass Lines」シリーズなどを刊行。ジャコ・パストリアス、スティング、ネーザン・イースト、ジョン・ポール・ジョーンズ等もキャロルケイの教則本を使って練習していたということですから、先輩ベーシストとしての彼女の功績も実に偉大であったと言わざるを得ません。
■1957年、うら若き女性がスタジオ・ミュージシャンとしてそのキャリアをスタートさせ、Brian Wilson、Phil Spector、Quincy Jonesなど有名ミュージシャンや辣腕プロデューサー、音楽ディレクター達から厚い信頼を得て、当時のウエスト・コーストで売れっ子セッション・ミュージシャンとなりました。ファンキーで滑らかなピッキングから生み出されるフェンダー「プレジション・ベース」のサウンドは、奥深い温かみがあり、ジャジーかつファンキーなアプローチから生まれるフレーズは秀逸で格別の響きを持っており、まさにキャロル・ケイ独自のL.A. BASS SOUNDのうねりを創り上げました。彼女はいわゆる裏方のスタジオ・ミュージシャンとして膨大な数のセッション・ワークをこなし、多くの名演を残しました。しかし、1960年、1970年代のレコードにはスタジオ・ミュージシャンのクレジットが入らないのが殆どで、当時(現在も?)の一般リスナーには全くの無名の存在でした。前掲で少し触れましたが1963年から69年頃まで、モータウン・レコードからの依頼でスープリームス、ダイアナ・ロス、フォー・トップス、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル、テンプテーションズなどの多くのヒット曲でベースを弾いていましたが、当然ここでも全くの黒子状態でした(モータウン・レコードとの関係についてはいろいろな軋轢、問題があったようですが、実際詳しいことは分りませんのでここでは割愛させて頂きます)。しかしこのモータウンでの功績がキャロル・ケイのスキルの高さや魅力を一層際立たせているのかもしれません。
▼最近のCAROL KAYEの評価としてWikipediaに以下のような記述がありましたのでその全文をご紹介します。
多くのヒット曲に関わったキャロル・ケイだが、1970年代の半ばで一線を退いて以来、一部の関係者に知られるのみで、最近まで無名の存在であった。そんな彼女に転機をもたらしたのは、アカデミー賞を受賞した映画『永遠のモータウン』だった。作中、ハリウッド録音の楽曲がデトロイトのハウスバンド、ファンク・ブラザーズの演奏として紹介されたことに異議を唱え、Wrecking Crewや自身の功績を積極的にアピール。当初は風当たりが強かったものの、カナダで彼女の経歴を伝えるドキュメンタリー番組「First Lady of Bass」が放映される。また、モータウン以外の様々な音楽的功績が改めて評価されたこともあり、米国で幾多の音楽賞を受賞した。Wrecking crewについてもドキュメンタリー映画が製作されている。日本ではモータウンが再評価された機運に乗り、プロベーシストやソウル音楽の愛好家の間で知名度が高まっている。
※因みにWrecking Crewとはロスアンジェルスのセッション・ミュージシャン・グループの呼称。The Monkees、Nancy Sinatra、Bobby Vee、The Partridge Family、The Mamas & the Papas、The Carpenters、The 5th Dimension、John Denver、The Beach Boys、Simon & Garfunkel、Nat King Coleなどあらゆるジャンルのアメリカン・ポップスはもちろんのこと、TVドラマのテーマ曲、コマーシャル・ソング、映画のサントラまで手掛ける「超凄腕スタジオ・セッション集団」。
キャロル・ケイはもちろんこのメンバーでしたが、他にもアール・パーマー、ジム・ゴードン、ハル・ブレイン、レオン・ラッセル、マックス・ベネット、バーニー・ケッセル、グレン・ギャンベルなど、後にビッグ・ネームになったミュージシャンや超懐かしいミュージシャンがたくさんいました。
それにしても、Jaco Pastorius、Sting、Steve Bailey、Nathan East、Abraham Laboriel、Jack Casady、Robert Trujilloなど、才能溢れる錚々たる一流ベーシストからも敬愛された素晴しいミュージシャンが何十年もの間、殆ど無名に近い状態だったとはホント驚きです。1970年代中頃、関節炎のためスタジオ・ワークから退きましたが、嬉しいことに後に再起して楽器の演奏はもとより、先生として教壇に立ち多くのセミナーも開催、そして音楽雑誌でコラムを書き、楽器メーカーのアドバイザーをするなど、76歳になった今も元気に活動を続けているようです。筆者のつたない音楽知識と稚拙な文章力では、かのQuincy Jonesをして「生涯最高のベーシスト!」と言わしめたキャロル・ケイの偉大さと魅力を十分にお伝えすることはできませんが、少しでも「彼女は凄いセッション・ミュージシャンなんだ~」みたいな印象を持って頂ければ幸いです。そしてこの機会にたまには1960年、1970年代の音楽をじっくりと聴いてみるのも愉しいかもしれませんね。
最後に...、
ベーシスト、キャロル・ケイの名演の中でも特に評価の高い「REACH OUT I'LL BE THERE」と「I Was Made To Love Her」のパフォーマンス映像をご紹介したかったのですが、生粋のスタジオ・ミュージシャンだったということもあって、彼女が出演しているライブ映像など殆どありません。そこでYouTubeに投稿されていた音源がありましたので掲載しておきます。オールド・ファンにとってはなんとも懐かしい2曲!やはりキャロル・ケイのベースはクールでファンキーなGROOVE感があります。
▼FOUR TOPS「REACH OUT I'LL BE THERE」
※1966年の作品。60年代を代表するモータウンでも最も知られたヒット曲のひとつです。ソングライティング&プロデュースはチーム「Holland-Dozier-Holland」!後にFOUR TOPSのシグネチャー・ソングと言われカバーも多数リリースされました。
★FOUR TOPS⇒ On Tops//Reach Out [Import, From US]
★FOUR TOPS REFERENCE WORKS
▼Stevie Wonder「I Was Made To Love Her」
※こちらは1967年の作品。愛を大切にするスティーヴィー・ワンダーらしい1曲。同年リリースされたのアルバムのタイトル・チューンでシングル発売されました。因みにプロデューサーはThe SupremesやThe Temptationsなどを手掛けたHenry Cosby。
★Stevie Wonder⇒Reference Works
私のようなオールド・ファンの殆どはキャロル・ケイのことは全く知らなくても、幾度となくどこかで彼女のベースを耳にしているはずです。前記しましたようにそれほど多種多様のレコーディング・セッションに参加してきたからに他なりません。社会人としてのマナーはもちろんのこと、セッション・ミュージシャンに求められる最大のポイントは「きっちり良いプレイをすること」であり、黒人だろうが白人だろうが、性別、年齢も関係ない!ただ、マズイ演奏をしたらそこで終わる、次からオファーは来ない!とあるプロデューサーが言っていたのを思い出しました。つまり一流セッション・ミュージシャンの世界は競争相手がたくさんいるにも拘らず、せっかく掴んだチャンスも1回ミスるとそこでTHE ENDになってしまうと言う非常に厳しいものなのだそうです。1960年当時、いろいろな軋轢や弊害があった男世界のスタジオ・ワークに大きな風穴を開けたと言う観点から、キャロル・ケイが女性であることの意味は大きくその功績も偉大であるのはもちろんですが、それ以上に賞賛されるべきことはまさに彼女のアティチュードとパフォーマンスそのもの、そこには女性である必然性など全く必要ないわけで...。
だからこそ最大の敬意を表するために、敢えて「First Lady of Bass」と呼びたいのです。
この度も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回も宜しくお願いします。
||||| REFERENCE★WEBSITE |||||
▼Carol Kaye Official Website
http://www.carolkaye.com//
▼Carol Kaye Trailer(英語ですが彼女のマインドとアティチュードは伝わります)
BASS PLAYER: Carol Kaye Interview
▼Motown Website
http://www.motown.com/
★MOTOWN MUSIC 特集はこちらで!
▼The Wrecking Crew Trailer(英語ですがその雰囲気だけでも...)
▼Fender Japan Official Website
http://www.fenderjapan.co.jp/
★1960年代の洋楽ヒット特集 ★1970年代の洋楽ヒット特集
||||| CAROL KAYE★REFERENCE WORKS |||||
||||| EXTERNAL★LINKS |||||
★エレキ・ギターをこれから始めたいと思っていらっしゃる方へ!
石橋楽器が提供する有名ブランドの入門セットが安くて便利です。

![]()
![]()
★インターネットミュージックスクール☆無料体験受付中!
![]()
★業界No.1のインターネット楽器販売専門サイト石橋楽器店!
![]()
★クラシック作曲家別検索ができます
![]()
★サプライズギフトに「火星の土地」
![]()
★オーダーシャツが驚きの4900円で!
![]()
★「ナチュラル&エレガント」なライフ・スタイルはJulia Interiorから!
![]()
★一度見たら忘れられないソファー?「STUDIO65」
![]()
★音楽CD、音楽DVD & Blu-ray 3点で25%オフ
★ブルース・セッションに飛び入りで参加するなら!
★音楽ランキング
★変わることなく、愛されるモノ。
★海外個人旅行
![]()
★ウイルス対策にはマジックボール♪
![]()
★【AJARA本店】アジアン家具、雑貨の注目ショップ
★折りたたみ自転車、マウンテンバイクの激安通販
![]()
★パイオニア「コード自動巻きヘッドホン」 SE-MJ51R
||| ロバーツ社ラジオ 『 リバイバル 』 本革仕様 / 英国王室御用達 |||
英国王室御用達に指定されている英国ロバーツ社のラジオ、 『 リバイバル 』。
本革とコーンスピーカーを使用した贅沢なポータブルラジオです。

本体はラジオと言うより、まるで高級皮革製品のようです。 本革を使った贅沢な仕様です。
※1932年に英国のヨークシャーに設立されたロバーツ社は機械化が進んだ現在も手作りにこだわり、工場で一つ一つ手作業によりラジオ製作を行っているメーカーです。そのラジオ作りにかける姿勢と高品質な製品が認められ、エリザベス女王、皇太后、チャールズ皇太子より英国王室ご用達ラジオとして指定されています。
このロバーツ社のリバイバルは50年代に「揺れるラジオ」(Swinging Radio)の愛称で大ヒットしたポータブルラジオを、そのままのデザインで復刻したビンテージスタイルのラジオです。外装だけでなく、音響にもこだわった設計になっています。通常はステレオ用のスピーカーに使用されるコーンスピーカーを採用することにより、小さなボディーからは想像もできないような、迫力あるサウンドが楽しめます。非常に懐かしく、心地よい音質を楽しむ事ができます。
▼▽▼PLEASE、VOTE HERE! ▼▽▼
※皆様からの熱き一票をお待ちしております!
![]()
![]()

このサイトを登録! by BlogPeople
@With 人気Webランキング









